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◆【欧州漂流】(中)独政権交代濃厚 EUに“地殻変動”も

 ドイツとフランスはこれまで、共通通貨ユーロの導入や欧州連合(EU)の東方拡大を推し進め、EU内で強固な「独仏枢軸」の時代を築き上げてきた。それだけに、仏国民投票による欧州憲法の批准否決は、シュレーダー独首相にとっても「平手打ち」(独政治評論家のハンスペーター・シュワルツ氏)にも等しい衝撃を与えている。

 シュレーダー首相は今、「独仏関係はこれで終わったわけではない」と強調するなど、独仏主導のEU体制の維持に躍起だが、“蜜月”を誇った独仏関係も、ドイツの今秋の総選挙をきっかけに、変質する可能性が浮上している。シュレーダー首相の与党・社会民主党(SPD)の敗北が濃厚なためだ。

 最近の世論調査によれば、SPDの支持率は、厳しい雇用情勢を背景に、保守系野党・キリスト教民主同盟(CDU)の支持率を約15ポイントも下回るなど、凋落傾向が鮮明となっている。

 CDUや姉妹政党のキリスト教社会同盟(CSU)の外交政策は、シュレーダー首相がシラク仏大統領と二人三脚で進めてきたEUの主要政策とは大きく異なっている。

 CDUやCSUは、ルーマニアやブルガリアの二〇〇七年加盟に消極的な姿勢をみせるだけでなく、十月から加盟交渉が始まるトルコの加盟にも明確に反対する。ドイツ史上初の女性首相となる可能性のあるCDUのアンゲラ・メルケル党首は先月三十日、「仏国民投票での“ノン”はEUの門戸を閉じるべきだということを意味しているのだ」と強調した。

 CDUは、独仏主導で進めるEUの対中武器禁輸解除にも反対し、シュレーダー首相らが推進するEUとロシアの協力拡大にも懐疑的だ。

 ドイツで政権が交代した場合、これまでの独仏関係が、「冷めた関係」(外交筋)になる可能性は高い。

 現在の独仏を枢軸とするEU内の政治力学の変化を、東欧諸国など「新しい欧州」が歓迎するのは明白だ。独紙ウェルトはその背景について「ポーランドやバルト三国は、独仏がこれらの国々の感情に配慮せずに、ロシアと急接近したことに不満を抱いている」と指摘する。

 東欧諸国などにとって、EU加盟国の財政赤字を国内総生産(GDP)の3%以内に抑えるという安定成長協定を順守しない独仏両国は、「傲慢な存在」(シュワルツ氏)にも映っていた。

 一方、ドイツの政権交代は、ベルリン−パリ間の“政治的距離”を広げ、ベルリン−ワシントン間の距離を縮めることになるとみられる。CDUのメルケル党首はイラク戦争開始直前、ワシントンを訪問し、米国の立場に賛意を示すなど「大西洋主義」を鮮明に打ち出しており、米国がドイツの動きを注視しているのは間違いない。

 英紙タイムズは仏国民投票での憲法批准否決を受け、「これから欧州の中心をめぐる戦いが始まる」と論じた。ドイツの今後の動き次第ではEUの“地殻変動”が起きかねないだけに、今秋の独総選挙が大いに注目されている。(ベルリン 黒沢潤)

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