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◆米マスコミ 「歴史問題」…日本の主張、関心高まる 在米大使館抗議、3回とも掲載
 
 【ワシントン=古森義久】「日本は過去の戦争行動の責任を受け入れていない」というような不正確な日本の「歴史認識」糾弾の記事類が米国の各新聞に四、五月に出て、在米日本大使館が二週間に三回の抗議の投書をしたところ、そのすべてが掲載された。この種の投稿が短期間にせよ、みな載るのは例がなく、米国マスコミが歴史問題での日本側の主張に従来より真剣な関心を向けるようになったともいえそうだ。

 ワシントン・ポスト五月二十六日付に在米日本大使館の広報担当の北野充公使の「日本の過去に直面する」と題する投稿が掲載された。投稿は同紙の同十四日付に載った東京発記事への抗議だった。「日本が戦時の天皇に栄誉をささげる」という見出しの同記事は四月二十九日を「昭和の日」にするという日本の国会の決定を報じ、「この動きは日本の軍国主義的過去を美化する最近の措置の一つ」とか「戦後の平和主義からの離反の一環」と断じていた。同記事はまた「日本のアジア侵略をごまかす教科書が新たに承認された」とか「日本は第二次大戦で失った島や領海の返還の要求を始めた」とも伝えていた。

 この記事に対し北野公使の投稿は(1)「昭和の日」は昭和時代全体への懐古であり過去への反省(2)日本は戦争放棄の憲法を有し、軍事大国にならない政策を保持している(3)日本は戦争で失った領土の返還は一度も求めていない−などと述べ、元の記事の主要部分を否定していた。

 ワシントン・タイムズ五月十六日付も同公使からの投稿を載せた。この投稿も同紙四月三十日付のポール・グリーンバーグ記者の「南京『事件』の騒ぎ」というコラムへの抗議だった。このコラムも「日本の教科書は南京大虐殺を単に事件と呼び、大量殺人を否定する」とか「日本はドイツと異なり、過去の残虐や侵略を完全に認めたことがない」などと記していた。

 北野公使の投稿は冒頭から「グリーンバーグ氏は日本の教科書や過去への認識についてほとんど理解していない」として、日本の教科書はみな南京での虐殺に触れており、日本の首相は歴代、侵略行動への謝罪を表明してきたことを強調したうえ、「同氏が日本を『道義的な記憶の喪失症』と断じることには事実の裏づけがない」と反論していた。

 同公使の投稿は五月十四日付のボルティモア・サンにも「日本は第二次大戦での役割について謝罪した」と題して掲載された。この投稿は同紙が四月二十五日に載せた「日本はドイツのようには罪を認めていない」という解説記事への反論だった。

 在米日本大使館関係者によると、同大使館では以前から米側のこの種の記事に投稿という形で反論や抗議をしてきたが、その投稿が実際に掲載される比率は三分の一以下だった。

 今回のように二週間以内に送った三通の投稿がすべて掲載されるという前例はないという。

 その背景として同関係者らは(1)日中の今回の摩擦で「歴史問題」の重要性が米側でもより大きく認識されるようになった(2)従来は中国側の主張が米側で採用されることが多かったが、今回の中国での反日デモの無法性などにより日本の主張への関心が高まったとみられる−という点をあげている。

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