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◆【断】首相が公式訪問すべき場所
五月三十一日付朝日朝刊は全国世論調査の結果として「首相の靖国神社参拝を『やめた方がよい』は49%とほぼ半数にのぼり、『続けた方がよい』の39%を上回った」「慎重な対応を求める意見は定着しつつあるようだ」と報じた。前段は事実としても、後段は世論誘導に近い。
一般論としては賛否両論あり得よう。だが現時点では最早(もはや)、一般論は成立し得ない。小泉首相の参拝中止は誰の目にも中国の圧力(内政干渉)に屈した結果と映る。それは「内政に対する相互不干渉」をうたった日中平和友好条約にも違背する。首相の靖国参拝は自民党総裁選での公約でもあった。以上の理由だけでも、参拝中止は日本の国益を損する政策判断といえる。
首相個人にも宗教活動の自由があり、もとより参拝は自由である。靖国に馳せる首相個人の思いも理解できる。内外の圧力干渉を撥ね付ける信念は評価に値する。
ただ参拝する立場には不満が残る。政府は「公人」としての「公式参拝」とは言わず、「首相である小泉個人としての参拝」と説明する。事情は分かるが、これでは詭弁に近い。
小泉氏は個人としての思いや行動以前に、公人としての責任が優先されるべき重職にある。本当に「個人としての参拝」に過ぎないのなら、その前に首相が「公人」として公式訪問すべき場所があるはずだ。
イラクに軍隊を派遣した西側先進諸国中、ほとんどの国は王族や首相クラスが現地を訪問している。小泉首相はいつイラクのサマワ駐屯地を訪問するつもりなのだろうか。(評論家・潮匡人)
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