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世界週報8月2日号でJICA英国事務所長が、事件直後の対応の違いを中枢同時テロ、スペイン・マドリード事件との対比で以下の3点を指摘している。
1.事件直後の危機管理対応の見事さー直後に誤報をわざと流し人々のパニックを抑えた。
2.不屈の英国人魂・プライドーNY、Madrid事件と異なり泣き叫びやヒステリーがなかった(そう言えば顔に血を流しながらも人々は平然とインタビューに答えていた)
3.この事件が契機でイラク撤兵の世論が全く起きなかった。
従ってブレア人気も再び盛り返し、テロリストの狙いは完全に外れてしまったと。
◆英社会学者 トニー・トレバーズ教授 イスラム過激派対策、改善へ
二つのテロが英社会に与えた影響についてロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(ロンドン大学経済学校、LSE)のトニー・トレバーズ教授(社会学)に聞いた。一問一答は次の通り。(蔭山実)
−−英国民の反応は
「英国民はテロにも平然と実利主義を貫くことを誇りにしている。注目すべきはテロ後、政府支持が強まり、マドリードの列車爆破テロ後のスペインとは極めて対照的な反応をみせている点だ」
−−それはなぜか
「英国民は英社会の実情と民主主義を熟知している。英国は長い歴史を持ち、民主主義を発展させてきた。それが何が起きても動じない自信につながっている。懸念されるのは英国内の一部のイスラム教徒らがそれを理解していないことだ」
−−移民政策に誤りは
「移民政策が誤っていたとは思わない。問題は英社会になじまないイスラム教徒らの抱える根深い問題に気づかず、治安対策が遅れたことだ。その問題も一夜にして生まれたのではないことが分かり、イスラム過激派対策は改善されつつある」
−−イスラム教徒は英社会で孤立するのでは?
「そこに最大の危険がある。テロを機に規模、程度ともにイスラム教徒らの孤立が深まる可能性がある。ブレア首相がイスラム社会との対話に努めるのもそのためだ。だが、協調を図ろうにも、イスラム教の指導者とイスラム教徒の若者では同じようにはいかない」
−−米中枢同時テロへの米国の反応との違いは
「規模に差があるとはいえ、英国民は大変動が起きたとまでは感じていない。米本土では戦火はなかったが、英国民は第二次大戦でドイツ軍の空襲を受けている。経験の積み重ねに違いがある」
−−長期的影響は?
「予測不可能なことは将来も起きる。政府は国民に警戒を呼びかけ、国民もそれに従って自衛策を取っていくだろう」
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