保守の源流を訪ねて

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6カ国協議

米国代表は前のケリー氏と比べ重みがない(体重も軽い)。もっと威圧しないと。Chinaの戦術だろうが、皆で一緒にバス移動はだめ。前あったように日米一緒に専用車で帰るぐらいなことはしないと。

核の戦略的重要性は誰も認知しているのだから、日本はひたすら拉致問題(Abduction)を言い続けるだけだ。もっとVocalに。

【正論】慶応大学名誉教授神谷不二 変化した6カ国協議の内部枠組み 矛盾とジレンマに直面する日本

≪休会」にある種の安堵も≫
 国際会議が難航するとき、しばしば思いだされるのは、あのウィーン会議を揶揄した「会議は踊る、されど会議は進まず」の警句である。
 だが誤解してはならぬ。ウィーン会議は社交に明け暮れはしたものの、失敗したのではない。会議の主役たちはヨーロッパ新秩序への構想を見失うことなく、人々の期待に沿った国際体制をもたらすことに成功したのであった。
 規模、舞台、役者、脚本などまったく格の違う今回の北京会議(六カ国協議あるいは六者)を、百九十年前と比較するのはほとんど意味をなさない。が、それにしても、六者には社交もなければ合意への意欲も感じられなかった。
 ただ、不思議なことに、それによって六カ国の代表者たちが挫折したわけではない。観衆も、「休会」の決定に格別落胆したようには見えない。つまり、合意文書の取りまとめに失敗したのは事実ながら、多くの人々はそれにある種の安堵を覚えたかに見えるのだ。
 一カ月余り前、本欄に書いたように(『誰も困らない六カ国協議の停滞』六月二十六日付)、新たな合意を結んで予測できぬ前途に不安を覚えるよりは、一見不安定に見える現状の維持に、彼らは暗黙の共通利益を見ているのではなかろうか。
 ところで、かねて北に対してCVID(検証可能で後戻りできぬ完全な核放棄)を強く主張してきたアメリカが、今回、「すべての核兵器と核計画の放棄」といった表現で、いささか安易にハードルを下げたかに見えるのにはちょっと首をかしげる。日本は、その真意を休会中に十分確認しなければなるまい。
 アメリカ代表クリストファー・ヒル国務次官補が独りはしゃぎ過ぎて、軽さと若さだけをさらけ出していたのもいかがなものか。前任ジム・ケリーの寡黙と慎重を見習うべし。自分の役割は北を有形無形に威圧し説得することであって、自己の存在感をプレスにPRすることではないはずだ。アメリカがこれでは、再開後も先が思いやられる。
 さて、二〇〇三年八月の第一回会合以来二年を経過して、今回改めて感じたのは、六者の内部枠組みの変化だ。六者には、かつては「日米韓Vs中露朝」という均衡的枠組みがあった。それが今日では、「日米Vs韓朝中露」という不均衡枠組みにすっかり変わった。

≪「日米韓」には幻想抱くな≫
 韓国がいまや民族至上主義にのめり込んでいることは、今度の六者開催に当たって早々と二百万キロワットの電力供給なる「重大提案」をしたところからも明らかだろう。対して日本の拉致の提案には、核問題という協議の焦点をぼかすものだと反対する。われわれはもう「日米韓同盟」の幻想にとらわれてはならないのだ。
 中国もまた北の体制を支持し、北が独自の存在を維持し続けるのを、地政学上不可欠の国益と認識している。この認識は、朝鮮戦争に大軍を派遣した五十余年前と変わっていない。
 中韓両国の北支持の基本姿勢は、これからも続くに違いない。北の国際的ポジションは、それゆえ、数年前に比べてかなり強くなっていると見るべきだし、また六者の場で北を追い込むのは容易なことではないのである。
 核は、北が体制の存続を図る上で頼るべき唯一のカードである。北がそれを完全に放棄することはありえまい。理屈にならぬようなどんな理屈をつけてでも、北は完全放棄を受け入れはしないだろう。
 アメリカがいかに体制の保証を約束するとしても、体制の保証とは客観的に検証できる事象ではなく、主観的判断の問題である。たとえアメリカがどんな大幅な条件を提供しようとも、北がそれでは体制の保証にならぬといえばそれまでではないか。

≪2国間協議が運営の軸に≫
 最後に、日本についても率直に語らなければならない。今回まことに遺憾ながら、日本はほとんど存在感がなかった。今度の六者では、米朝、米中など二国間協議の積み上げが運営の軸になった。となると、拉致問題を主張する日本は、とかく忌避の対象になる。
 休会が宣言された後で日朝会談が実現したとはいえ、会期中、北は終始、日本と「立ち話」以上の対話の場を持とうとしなかった。アメリカとて、拉致にそれほど共感してはいない。
 拉致にこだわれば、日本はとかくカヤの外に置かれる。だが、それにこだわらねば国民世論から浮いてしまう。この大きな矛盾にどう立ち向かったらよいのだろうか。(かみや ふじ)

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