|
これは元々小沢さんが引用した言葉だ。好きな映画「山猫」から。
=====
◆【風を読む】論説副委員長・中静敬一郎 思いがけない言葉だった。
「ノーチェンジ ノーチャンス」(変わらなければチャンスはない)。郵政民営化関連法案否決の六日前、八月二日の参院特別委員会で、片山虎之助・自民党参院幹事長は郵政事業変革の必要性をこの英文を用いて説いた。自分に言い聞かせるようでもあった。
それで思いだしたのは、十九世紀の革命の嵐に揺れるイタリアの貴族を描いた映画「山猫」で、バート・ランカスター演ずる老侯爵が、時代の変化に立ち向かえない人々を励ますシーンだった。
「We must change to remain the same」(繁栄を続けたいなら、変わらねばならない)
郵政法案否決を例示するまでもなく、いつの時代でも変わることへの抵抗は激しい。変わることに痛みを予感する人たちは、変わらなければ、衰退の道を歩むしかないといわれても耳を傾けない。
ただ、賢明な特定郵便局長は、事実上の世襲制や固定資産税などの減免という特権が、今の日本で受け入れられるものなのか、「親方日の丸」が組織の効率性、柔軟性を損なっていることを熟知していよう。これまでうまくいってきたシステムが、実は破綻しつつあるのに、成功体験ゆえに手を付けられないことは少なくない。
旧陸軍は、日露戦争直後の明治三十八(一九〇五)年に採用された三八式歩兵銃で先の大戦を戦った。主要列国は自動小銃に切り替えていた。日本は切り替えに三十年以上かかり、劣勢を余儀なくされた。日露戦争を攻撃精神と白兵銃剣主義で戦い抜いた成功から、陸軍が抜け出せなかったためだ(戸部良一「逆説の軍隊」)。
特定のパラダイム(考え方の枠組み)に固執し、環境変化への適応能力を失う愚を繰り返してはなるまい。
Copyright; 2005 The Sankei Shimbun
All rights reserved.
|