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中西さんの発言を待っていた。然しこれを語れる政治家が小泉さんの後にいるか。
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◆【現象へ】郵政解散(上) ポピュリズムからの脱却を 中西輝政さんに聞く
歴史は繰り返す。「郵政解散」と「総選挙」。前代未聞と思われた政治劇も、二十世紀前半の英国ですでに似た状況が起きていた。名著『大英帝国衰亡史』の著者、中西輝政・京都大大学院教授は文明史観の見地から今回の政変を予想していたという。つまり、起こるべくして起こった「政治の季節」。なぜ、二十一世紀の日本で再現されたのか−。(聞き手・堀晃和)
−−小泉政権発足時から「小泉改革」の危機を指摘されました
「解散、総選挙は、文明史観の見地から予測したのです。民主主義政治は、一つの発展過程をたどり、共通の現象が起きることがあるのです」
−−日本の議院内閣制のモデルは英国です
「今回の政治状況は約八十年前のイギリスの状況にぴったり合います。ポピュリズム(大衆迎合主義)の政治に依拠して『与党をぶっ壊す』と言った政治家がいました。一九一〇年代から二〇年代に首相を務めたロイド・ジョージです。伝統ある自由党の党首でしたが、異端児で、党内で討論し政策を提起するという伝統的なイギリス政治を無視して直接大衆に話しかけた。イギリス型プラグマティズム(実用主義)、妥協の政治こそが改革をはばんでいると、政党内の合意形成を無視し、自分が唱える改革を進めたのです。
選挙でも今回の『刺客』と同じことをやりました。改革への党内の反対を押し切るため、自分が推す候補だけに公認証書を出しました。『クーポン選挙』です。第一次世界大戦中の配給にひっかけて公認の“配給券”を出すという意味です。政党政治の歴史的構造変化が起きる直前に、大衆民主主義のポピュリズムに徹した政界の異端児が与党をぶっ壊す。反対されたので、解散、選挙に訴える。首相に反対の候補には公認を与えない。小泉首相と同じです」
−−なぜ今の日本でこの現象が起きたのですか
「右肩上がりの時代が終わり、極端に財政が悪くなるという状況が同じなのです。イギリスはビクトリア朝の一八三〇年代から経済成長が続きますが、九〇年代から急速に落ち込みます。このままでは二十世紀を生き延びれないと、猛烈な改革熱が起こるのです」
−−戦後日本の政治はいわば自民党が行ってきたわけですが、今回の混乱をどう見ますか
「政党はかつて、地域の有力者が地方を牛耳って票を集めるという名望家の集団でした。戦前の日本が典型です。そして、それが崩れそうになると、利益配分型の手法で政党を維持するのです。田中角栄がそうです。イギリスで名望家政治が終わるのは一八九〇年ころ。社会保障の負担増などで財政危機に陥ると、利益配分型の政治ができず、ポピュリズムで、大衆への人気で維持しようとしたのです」
−−利益配分型に代わる政党政治の手法が小泉流で、今回の解散劇も必然だったのですね
「必然です。だが、当時のイギリスの改革は失敗します。国民は賛成したのに、なぜ失敗したのか。改革が財政再建や行革など各論に終始したからです。国民の価値観を根底から変えなければ改革は成功しません」
−−国民が痛みを共有できなかった
「急激な改革は誰でも嫌なのです。だが、次の衰退期には(首相の)サッチャーは成功しました。『改革の哲学』を持っていたからです。彼女は、人は何のために生きるのかという哲学を延々と国民に説きました。国民の価値観を変えないと、改革はできません」
−−哲学なき政党は生き残れないと思います
「ポピュリズムの政治は、利権型より永続性はありません。だから日本の政治は、ポスト大衆民主主義に入らなければいけない。国民に哲学を訴え、ポピュリズムを超えた政策論争に耳を傾ける国民を育てる価値観と政治文化の転換こそが、必要なのです」
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≪なかにし・てるまさ≫ 京都大学大学院人間・環境学研究科教授。文明史家。昭和22年、大阪生まれ。京大法学部を卒業し、英国ケンブリッジ大学歴史学部大学院を修了。英国史に造詣が深く、平成9年の『大英帝国衰亡史』は毎日出版文化賞・山本七平賞を受賞した。14年には正論大賞を受賞。国際政治の分野で鋭い分析力を発揮し、著作や講演などで提言を続けている。
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でも、政治家は利益誘導型、そのものでしょう、どこも政党は全部否じ。
2008/4/4(金) 午後 11:37 [ zen*o*hara6* ]