保守の源流を訪ねて

いざいざと友に盃すすめつつ泣かまほしかり醉はむぞ今夜

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◆靖国は分祀を 中曽根元首相

 中曽根康弘元首相は三日、TBSの番組収録で、小泉純一郎首相の靖国神社参拝について「前から(A級戦犯を)分祀していればこんな問題にならない。靖国神社の神主を説得する必要がある」と述べ、靖国神社は分祀を行うべきだとの考えを示した。靖国神社側は分祀は不可能との立場だが、中曽根氏は「明治時代に国家神道になって、神主は視野が狭くなった。もっとおおらかな神道に帰ったらどうか」と柔軟な対応を求めた。

◆首相参拝は当然 インドネシア大統領
 自民党の安倍晋三幹事長代理は三日、都内のホテルで、来日中のインドネシアのユドヨノ大統領と会談し、小泉純一郎首相の靖国神社参拝について「首相は二度と戦争を起こさないため、日本のために命を失った人に敬意を表し、冥福を祈るために参拝している」と説明、理解を求めた。これに対し、ユドヨノ大統領は「国のために戦った兵士のために(首相が)お参りすることは当然だ」と述べた。


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◆検定・採択めぐる現状 閣僚ら反応、様変わり 扶桑社教科書「バランスとれている」/中韓批判に反論

 新しい歴史教科書をつくる会のメンバーらが執筆した扶桑社の歴史・公民教科書など日本の教科書に対し中国や韓国が反発する中、今国会では中山成彬文部科学相や町村信孝外相らが「戦争を美化していない」「バランスがとれている」などと発言した。国会の外でも検定や採択の現状をめぐる保守政治家や大手マスコミの積極的な態度表明が相次ぎ、前回の平成十三年とは状況が様変わりしている。(教科書問題取材班) 

 今国会の議事録から抜粋した教科書をめぐる主な発言は別掲の通り。下村博文文科政務官は「慰安婦や強制連行の記述が教科書から減ってきてよかった」との見解を撤回しない意向を示し、慰安婦や強制連行の用語が載っていない教科書が採択されることが望ましいと示唆した。

 中山文科相は扶桑社の歴史教科書を「結構バランスはとれている」と発言。中韓の教科書批判に対して「適切な教科書」「広い視野に立って書かれている」と反論した。

 文科相経験者の町村外相は五月十四日の札幌市内での講演で「(教科書は)かなりの程度、左がかった人たちが書いていることが多い。日教組が力を持っているから、(ゴルフの)フェアウエーやや左の教科書しか採択されない」と採択の現状を批判。扶桑社の教科書について「フェアウエーセンターぐらいで、右ラフまでいっていない」と評価した。

 マスコミの論調も前回と変わってきている。

 読売新聞は四月六日付社説で扶桑社教科書に対する採択妨害活動を厳しく非難。五月二十六日付社説では扶桑社以外の七社を批判し「扶桑社の教科書を批判する一部マスコミは、こんな教科書の方が『バランス』がとれているというのだろうか」と論じた。
                   ◇
 ■教科書採択の日程
 ≪6月≫
 ・都道府県教委が教科書を比較した「選定資料」を区市町村教委に送る。
 ・採択地区(複数の市町村教委で協議会を作り同じ教科書を選ぶ地区と、市教委や区教委が単独で選ぶ地区がある)の下部組織が教科書を比較した「調査資料」を作成。
 ・全国約800カ所の都道府県展示場で見本本公開(17日から2週間の予定)。
 ≪7月≫
 ・協議会や単独採択地区教育委員会で審議本格化(中高一貫校や養護学校など都道府県立学校は都道府県教委)。
 ≪8月≫
 ・31日までに採択決定(協議会の結論はそれぞれの市町村教委に持ち帰って最終決定。国立中と私立中は学校が決定)。
                   ◇
 ■今国会での教科書問題の発言

 ▼3月31日の参院文教科学委員会で下村博文文部科学政務官 (中山成彬文科相の「教科書から『従軍慰安婦』などの記述が減ってよかった」との発言を支持したことを追及されて)当時、強制連行あるいは従軍慰安婦という言葉は使われていません。もう一点は子供たちの成長発達段階。中学生の教科書に慰安婦という言葉を入れることは適切ではないと思っており、減ってよかったと中山大臣の発言を支持したわけでございます。

 ▼4月6日の衆院文部科学委員会で中山文科相 (扶桑社の教科書を批判する質問に対して)今、初等中等教育局長の説明をずっと聞いていまして、(扶桑社の教科書は)結構バランスはとれているんじゃないかな、こう思うわけです。日本は日本の教科書で日本の子供たちを教えるべきだと思っております。

 ▼4月11日の参院決算委員会で中山文科相 国際社会の中で日本人としてしっかりとした歴史認識とわが国に対する愛情というか、自信と誇りを持った子供たちを育てたいと。竹島に関しても、何か日本が悪いことをしているような、そういうふうにとらえる向きさえあるわけですが、そうではないんだと、子供たちにきちっとした知識を与えることは極めて大事なことであろうと考えているところでございます。

 ▼4月13日の衆院テロ防止委員会で牧義夫議員(民主) 前の扶桑社の歴史教科書についても一通り目を通したわけですけれども、間違ったことは書いていないわけです。

 ▼4月25日の参院決算委員会で町村信孝外相 軍国主義を美化しているうんぬんと盛んに言われるんですが、私は今急いでこの教科書の当該部分を翻訳して、どこに日本の戦前の活動を美化している部分があるとお思いですかと積極的に情報提供をしようと思うんです。そうすることによって、何だ、この教科書どこに問題があるのと。普通の方が読めば、あ、こういう内容ならば何も問題ないねと分かっていただけると思います。

 ▼5月20日の参院予算委員会で中山文科相 (「日本の学校現場が中韓からの非難を真に受けて教科書が偏向していると思っては困る」との質問に対して)適切な教科書になっているわけでございます。広い視野に立って書かれてまして、決して偏向したものではありません。これからの子供たちが国際社会において自信と自覚と誇りを持って生きていけるような、主体性のある日本人を育成すると、そういう観点から教師の方々が責任を持って指導するよう私たちも努めて参りたいと考えております。

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◆【潮流】仏・オランダの欧州憲法否決 主権重視 米保守派に追い風

 欧州憲法がフランスとオランダの国民投票で相次いで拒否されたことは、米国では、欧州連合(EU)の前進を止め、主権国家の自主性を示した歴史的な事態としてみながら、米国や米欧関係にとっては好ましい展開との見方が表明された。

 第一次ブッシュ政権の大統領顧問だった政治評論家のデビッド・フラム氏は二日、フランス、オランダ両国民が欧州憲法を葬ったことを「米国にとっても米欧関係にとっても好ましい動きだ」と評し、その理由として(1)共通の憲法で団結する欧州は新しい思考やアイデンティティーの希求のために反米主義を共通のきずなとする恐れがあった(2)共通憲法下での各国の統合が進むと、選挙で選ばれた各国の政治家が選挙で選ばれていないEU本部の官僚に実権を引き渡すことになる(3)EUという超国家が主権国家を抑えることは国民レベルで自国や自民族への誇りを殺すことになるとして、国民が反発した−などの点をあげた。

 この発言はブッシュ政権に近い大手研究所、アメリカン・エンタープライズ・インスティテュート(AEI)が開いた「共通憲法なしの方が、よりよい欧州?」と題するシンポジウムでなされた。このタイトルが示すように米国のブッシュ政権周辺の保守派の間では今回の動きについて、欧州各国が一つの超国家の連合体へと進む流れの停止として非公式に歓迎する向きが多い。

 米国保守派は国際問題での主権国家の自主的な役割を最も重視し、その主権を一部にせよ奪う国際機関や超国家機関への反発が伝統的に強い。

 しかし、シラク仏大統領やシュレーダー独首相が欧州憲法での欧州の統合推進を米国への対抗手段としてきたという見方は米側ではブッシュ政権とは距離をおく非保守陣営にも根強く、ワシントン・ポストのコラムニストのジム・ホーグランド氏も「仏独首脳が米国の軍事、経済のパワー増大の危険を欧州の政治統合の理由に使ってきた」と述べた。

 今回の欧州での事態が米国のリベラリズムへの痛烈な打撃になったという見方も、ニューヨーク・タイムズのコラムニスト、デビッド・ブルックス氏により表明された。

 統合へと進む欧州は、米国のリベラル派が主唱する寛大な社会福祉政策、労働者保護、高率の累進課税、単一の健康保険制度、寛容な年金供与などの政策を採用してきた。それらの政策の結果、欧州は高失業率、低経済成長率、高齢化、人口減少に悩まされ、斜陽と衰退の道をたどっており、そうした諸政策をさらに拡大する形での欧州統合こそ欧州国民から排された、というのだ。

 しかも、欧州の国民はその斜陽から抜け出す方途としても国家統合や超国家結成という選択には背を向けたことになる。となると、ブルックス氏の議論では米国のブッシュ政権の独立国家の主権最優先の保守主義が正当性を証したという結論にまでなってくる。この種の見方は米国保守派の間では「究極の皮肉はイラク戦争に反対したシラク、シュレーダー両首脳が自国民から叱責され、賛成したブッシュ、ブレア両首脳がともに再選を果たしたことだ」(法律家のアラン・トポル氏)という指摘にまで発展する。(ワシントン駐在編集特別委員 古森義久)

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