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◆首相、靖国いつ参拝「他国が干渉すべきでない」 中韓対日行事続き多難
小泉純一郎首相は十六日、衆院予算委員会の集中審議で、靖国神社参拝について「どのような追悼がいいのか他の国が干渉すべきではない」と述べ、中国、韓国に不快感を示した。そのうえで「いつ行くかは適切に判断する」と述べ、参拝を前提に時期を探る考えを示した。仙谷由人氏(民主)への答弁。
参拝の理由について首相は「戦没者を追悼し、二度と戦争を起こさないという、ごく自然の気持ちを実践してきた。わたしは何ら問題があるとは思っていない」と強調。中国などが靖国神社に「A級戦犯」が合祀(ごうし)されていることを問題視していることについて「『罪を憎んで人を憎まず』というのは(中国の)孔子の言葉だ」として、批判はあたらないとの考えを示した。
≪戦後60年の節目≫
昨年十一月のチリでの中国の胡錦濤国家主席との会談以降、靖国神社に関して参拝するかどうかを含めて「どんな質問にも触れないことにした」と言及を避けてきた小泉純一郎首相。十六日の衆院予算委員会では、一転して「いつ行くかは適切に判断する」と、参拝継続を前提に時期を探る考えを示唆した。首相は年末までのどのタイミングに参拝を決行するのか。戦後六十年の節目の今年、中国や韓国ではさまざまな対日関係行事が予定され、選択は難しい。
首相が十六日、「他の国が干渉すべきではない」と今までより強く踏み込んだのは、欧米諸国が中国での反日デモの続発を批判するなど「日中関係を取り巻く国際情勢が有利な形で変化しつつある」(首相官邸筋)との読みがある。
さらに、首相がこの日の予算委での答弁で、国内の靖国参拝批判に対し「一部の外国の言い分を真に受けて…」とあえて反論したのも、「靖国問題で譲れば、中国は他の問題で押し込んでくるだけだということをきちんと理解している」(自民党幹部)からとみられる。
実際、中国は歴史教科書、石油ガス田開発、反日デモなど日中間の諸問題を通じ、常に歴史カードを事あるごとに振りかざしている。
断固たる持論を展開した首相だが、参拝をめぐって苦しい胸のうちを明かしたこともある。
「いつでも、いつがいいか考えていた」
首相は昨年元旦の靖国神社参拝後、記者団にこう心情を吐露した。平成十三年、公約の八月十五日の参拝を二日早めて参拝したのをはじめ、参拝日を何度も変えたのは、「この日なら中国もそれほど反発しないだろう」との配慮からだった。
しかし、首相が配慮したのにもかかわらず、中国、韓国両国は反発を強めるばかりだ。
≪大みそかに?≫
こうした中韓の反発に一定の配慮をするとなると、首相の参拝の時期は絞られてくる。
六月下旬には韓国の盧武鉉大統領との会談が予定され、この前後は見送られる公算が大だ。また、七月七日は中国で反日機運が盛り上がる「七・七抗戦記念日」(盧溝橋事件記念日)に当たる。八月十五日は中国の「反ファシスト戦争勝利六十周年」。
九月は、三日が中国の「抗日戦争記念日」。日本では内閣改造・党役員人事も想定されるほか、「首相は、九月の『愛・地球博』閉幕式までの温家宝首相訪日を目指している」(日中関係筋)という事情もある。
十月一日は中華人民共和国成立記念日。十一月には韓国・釜山でアジア太平洋経済協力会議(APEC)、十二月十三日は南京事件の発生日で「要警戒日」(外務省筋)とされる。
これらの日程をすべて考慮に入れると、参拝実現は容易ではない。このため、「大みそかに行くのでは」といった、無責任な憶測まで飛び始めている。
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