保守の源流を訪ねて

いざいざと友に盃すすめつつ泣かまほしかり醉はむぞ今夜

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◆【透明な歳月の光】曽野綾子(160)アフガン暴動 信仰を圧迫する怖さ学べ

 アメリカの雑誌『ニューズウィーク』が、アメリカの尋問官がイスラム教の聖典コーランをトイレに流したという記事をのせ、それがきっかけでアフガニスタンで暴動が起き死傷者が出た。これは結局誤報だとして、『ニューズウィーク』が記事を撤回し謝罪したが、宗教に関する恐れを知らない無知な記者がこの社にもいたということだ。

 私は二十三歳で初めて東南アジアの国々に出かけた時から、身にしみて理解した歴史的事件がある。それは一八五七年から五九年にかけて、インドで起きたイギリスの東インド会社の傭兵たちによる反英暴動である。当時のインドには反英的気分は強かったが、この反乱までは、民族が団結して抵抗運動をするまでにはいたらなかった。

 きっかけとなったのは、上層階級(カースト)のヒンドゥ教徒と、上流階級のイスラム教徒からなる傭兵たちが、新しい銃を使うようになった時であった。当時の薬莢(やっきょう)は紙製で、防湿潤滑を目的として脂が塗られており、傭兵たちは弾をこめる時、薬莢の端を歯で食い千切らねばならなかった。ところがこの脂にはヒンドゥ教徒が神聖視する牛脂と、イスラム教徒が不浄と見なす豚脂が塗られているという噂(うわさ)が流れた。これがきっかけとなって初めてインド全土の三分の二にまで及ぶ反乱が起きたのである。

 「信仰を圧迫すると怖い」ということを、中国ももう少し歴史から学んだ方がいいだろう。私は神道ではないが、靖国は日本のれっきとした信仰の一つだ。戦争で愛する家族を失った日本の父母も妻子たちも大多数は靖国に行って愛した人たちの魂に会う。生き残った男たちが今も痛恨の思いをこめて戦いに散った同級生に会いに行くのも靖国なのだ。靖国に参るのは反戦の思いの深い人たちだけだ。一国の総理としても戦死者を悼みに行くのは当然だ。無思慮な若者たちは中国の望むように靖国になど参らないだろうが。

 昔アジアのある国は、日本人が持ち込む日本食品に関して感情的に狭量だった。それで私は税関で荷物を調べられたとき、その国に在住する日本人へのおみやげの日本食品を前にして、これは私の信じている信仰の祭儀に使うもので、毎日これを神前に捧げて祈らねばならないのだ、と真顔で説明したのである。すると税関吏は仕方なく私の荷物を通してくれた。

 この話を、生前の山本七平氏にしたことがある。すると氏は税関吏と私を褒めた。それが穏やかな解決策だというのである。誰も信仰という個人の聖域には踏み込めない。踏み込んだら数代にわたって祟(たた)る。あの広大なインドの三分の二を巻き込む騒乱にまで発展する。そろばんをはじいて合うことではない。中国にそろばんの弾き方を教えるのはおかしなことだが…。

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◆【正論】評論家屋山太郎 日本外交を「海洋国家連合」に転換せよ 中華圏離脱した先人の教訓に学べ

《一代限りのブツ切り文化》 

 小泉首相は衆院予算委員会で靖国参拝の意志を貫くことを示し、中国や韓国の批判に対して「(戦没者に対する)どのような追悼の仕方がいいかは他の国が干渉すべきではない」と強い不快感を示した。靖国参拝はすべきだが中・韓とも仲良くしたいという“矛盾”のはざまで悩んでいた小泉首相がついに「参拝」の側に舵を切った。これはまことに正しい選択だと賛同したい。

 そもそも中・韓の要求は、中・韓と同じ歴史認識を日本も持てといっているに等しい。首相が「参拝をやめました」といえば、次は教科書の「どこそこを直せ」というだろう。そこを直せば「尖閣諸島は中国領だ」といい、「ガス田も中国のものだ」と言い出すに決まっている。中華圏の歴史は易姓革命の歴史である。新しくできた政権は前政権の業績を全否定する。

 古くは秦の始皇帝の焚書坑儒、新しくは韓国における全斗煥、盧泰愚両大統領の死刑判決(のちに恩赦)をみれば、易姓革命は現代にもれっきとして生きている。朴正煕大統領は近代韓国の基礎を築いた立派な大統領だったと思うが、いま韓国では朴政権に連なる人間狩りをやっている。

 極端にいえば、中華圏は一代限りのブツ切り文化だ。こういう中・韓からみれば、靖国参拝は戦争賛美と映るかもしれない。そう映ったとしても隣国の祭祀(さいし)にまで注文をつけるのは出すぎとか内政干渉というのである。

《1200年も安泰の要因は》

 中華圏からみれば、日本は「東夷」(野蛮人)である。黙っていれば朝鮮半島のように、中華圏に巻き込まれかねないと悟った日本は七世紀、中華圏からの離脱を図る。こういう判断をしたのは聖徳太子で、日本国の建国(六六八年)以来、中華圏との正式国交を絶つ。このおかげで、一八七一年に日清修好条規を結ぶまで、千二百年にわたって安泰を保ってきた。

 この間、漢字に音訓をつけ、ひらがなを作って文字体系を確立した。政治、文化、伝統を積み上げて今のわれわれがある。七世紀の聖徳太子(しかも彼は政治家である)の評価が変わることなく、最近までお札に刷られていたのは中華圏では考えられないことだろう。ブツ切りの政治・文化ではなく、日本は「連続性」によって栄え、子孫は大きな恩恵を受けてきた。祖先に感謝するのは当たり前だ。その一体感があったからこそ、一気に国民国家を形成できたのである。

 千二百年の泰平はペリーの黒船によって破られ、日本は再び大陸と関わりを持つようになる。以来、日清戦争、日露戦争、辛亥革命、五・四運動、満州事変と続いて大東亜戦争が終わる一九四五年までの七十四年間はまさに泥沼にはまり込んだような時代だった。福沢諭吉は一八八五年、時事新報に「脱亜論」を発表し、「中・韓と付き合えば身の破滅だ」と叫んだのである。

 一九四五年から日中国交樹立(共同声明)までの二十七年間は、再び大陸とのトラブルなしで過ごせた。しかしこのあと現在までの三十二年間は日清戦争前夜、「脱亜論」当時の様相さながらだ。

 小泉首相が靖国参拝を表明した同じ場で、福田康夫前官房長官は中国との関係を「異常な状態」とし、「大局的な判断を示すことが必要ではないか」と述べた。これは「靖国参拝をやめろ」というのと同義だ。

《対中外交重視の愚犯すな》

 民主党の将来の党首候補といわれる前原誠司氏は「総理になったら靖国参拝はしない」と言明している。その理由は「政治カードとして使われるからだ」という。この態度は問題の解決ではなく、「先延ばし」に過ぎない。

 竹内行夫前外務次官は前任のインドネシア大使のとき、大使室に「すべての道は北京に通ず」という書を飾っていたという。歴史に無知としかいいようがない。福田、前原、竹内氏らに共通するのは、外交の前提として「中国と付き合わねばならない」と考えるからだ。

 その手段として、ASEAN(東南アジア諸国連合)と日中韓の三国を加えた「東アジア共同体構想」が浮上しているが、これなどは日本を中華圏に引きずり込む策謀だ。聖徳太子と福沢諭吉を教訓にすれば、解決策は一つしかない。

 日、米、豪、ニュージーランド、インドの五カ国を中核とし、これにASEANを加えた「アジア太平洋共同体」、あるいは「海洋国家連合」を組織することだ。中華圏とは近所付き合いはするが、距離を保った方がいい。(ややま たろう)

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◆【風を読む】論説副委員長・松村雅之

 ある日突然、自宅に〇〇地方裁判所から重要と記された通知書が配達される。
 「あなたは裁判員候補者に選ばれましたので、△△月××日に集合してください」。ざっとまあ、こんな内容だろうか。

 あと四年後に、国民が重大な刑事裁判に参加する「裁判員制度」が、スタートする。裁判員に選ばれれば、法律(裁判員制度法)により、特段の事情がない限り辞退はできない。

 そもそも、この制度は国民の一般常識を刑事裁判にも反映させようと、政府の司法制度改革審議会で論議され、昨年五月に法律が成立、平成二十一年五月までに実施となっている。

 裁判員には二十歳以上の無作為に選ばれた国民六人がプロの職業裁判官三人と一緒に殺人などの刑事裁判を担当、有罪・無罪のほか量刑も判断する。もちろん死刑判決を言い渡す事件を受け持つ可能性もある。

 こんな裁判員制度について、先ごろ、内閣府が初の世論調査を行った。その数字を見て「こんなにに高いのか」と思ったのは、筆者ばかりではなかろう。

 「裁判員になりたくない」と答えた人が七割に達していた。理由は「有罪・無罪の判断が難しそう」「人を裁きたくない」。

 当然の結果だ。仕事を休んでまで重大な任務を課せられるような裁判員などご免と感じるのは、むしろ自然である。

 政府はなぜ、いま裁判員制度を導入するのか。そのメリットは何か。これまでの裁判よりどれだけ効果があるのか。国民に懇切丁寧に説明する必要がある。

 模擬裁判による体験は、もちろんのこと。国民の協力が得られなければ、裁判員制度など定着しない。施行前の思い切った修正なども一考すべきではないか。

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◆【一筆多論】縣忠明 さあ、田舎で大地を耕そう

 日本の農業は衰退産業の典型といわれている。確かに、農業人口の60%が六十五歳以上の高齢者だから、年ごとに耕作農地の放棄などが顕著になろう。農業を取り巻く環境は厳しいものがある。

 本当にこれでいいのだろうか。日本の食料自給率は40%(カロリーベース)にすぎない。先進国の中では最低である。自給率が下がるたびに、数百億ドルといわれる年間輸入金額も増大する。

 やがて到来する超高齢化社会で、経済は停滞するであろう。食料輸入に大金を支払う余裕はない。元衆院議員の大原一三氏も著書『2050年の日本』で、「食料問題は日本経済のアキレス腱(けん)になるだろう」と警鐘を鳴らす。

 知恵を絞って産業としての農業を再生しなければ、食料危機が訪れるであろう。安穏としてはいられないのである。

 わずかではあるが、ピンチをチャンスに変える兆しが出始めた。まずサラリーマンが歩くビジネス街の東京・大手町に向かった。

 人材派遣の大手「パソナ」(南部靖之代表)があるオフィスビルの地下二階に下りると、突然トマトやサラダ菜、ハーブなどが栽培されている農園に出合う。都心にいることを忘れる光景だ。

 この農園は今年二月、一億八千万円をかけてオープンさせた。年間コストも二千万円かかるという。毎日百人以上が見学に訪れる人気スポットになっているが、パソナはなにも酔狂で超一等地に農園を作ったわけではない。

 「農業に興味を持ってもらうことで、雇用創出の可能性を探るためです。若者で農業に魅力を感じている人も多い」(山本絹子常務)と話す。一昨年から農業研修を秋田県大潟村で実施し、昨年は若いフリーター十三人が参加した。驚くことに、ほとんどが今年も農業を続けているという。

 山本常務は「工夫しだいだが、産業として大化けするかもしれない」と分析しており、農業分野がビジネスチャンスになるとみているのである。

 次に、全国の市町村で第二位の水田面積を誇る新潟県上越市を訪れた。田植えがほぼ終わった同市吉川地区は、のどかな田園風景だ。しかし、後継者不在による労働力不足、高コスト体質などで、稲作は危機に陥っている。

 これらを解消するために、農業生産法人八組織を設立した。水田を提供して、共同耕作をするのである。だが、法人化が順調に推移したわけではない。

 農民には昔から「農地は自分のもの」「そこで収穫した農作物も自分のもの」という農耕民族としてのDNAが流れている。「我田引水」である。ところが法人化で自分の水田ではなくなるから、都会に住む子供にコメを送るにも法人から買うことになる。こうした意識改革に苦労したという。

 各法人とも初年度から黒字決算となり滑り出しは上々だ。上越市農業振興課の笹川肇係長は「消費者とともに、ニコニコしてできる農業を目指してほしい」と法人経営に夢を託す。

 政府は新しい農業基本計画で、株式会社の農業参入を容認した。狙いは補助金に頼ることではなく、規模拡大によるコストダウンだ。吉川地区の挑戦もこれを示唆しているともいえよう。

 小泉純一郎首相は施政方針演説で「『攻め』の農政に転換する」と力説した。生産だけでなく、流通・輸出、新商品開発、バイオなどの多角経営を求めたものだ。

 これを実現するには、額に汗して大地を耕す若い人材が必要だ。春に種をまき、秋には収穫するという生活をすれば、至福の実感が得られるのではないか。

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◆ウズベク暴動波及 カザフでも反政府集会
 カザフスタンの中心都市アルマトイで二十二日、ナザルバエフ政権の言論弾圧に抗議する三千人(主催者発表)が集会を開いた。アゼルバイジャンの首都バクーでは二十一日、治安当局が反政府集会で四十五人を拘束。ウズベキスタン暴動の刺激を受け、独裁色が強い旧ソ連各国で民主化運動が拡大する可能性が出てきた。(モスクワ 共同)

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