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◆【主張】東アジア共同体 価値共有こそ意味がある
アジア欧州会議(ASEM)など一連の外相会議で、日本が十二月初開催の「東アジアサミット」にインド、オーストラリア、ニュージーランドの参加を求めたことは適切である。
このサミットは、将来の「東アジア共同体」の構築につながるとの展望があり、地域大国である日中の主導権争いは避けがたい。
町村信孝外相は外相会議で、民主主義、人権を共通の基盤とすべきであることを繰り返した。「共同体」である以上は、価値を共有してこそ意味がある。新たに参加を求めた三カ国はいずれも民主国家であり、日本と足並みをそろえることができる。
中国は参加国を東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス日中韓だけに絞りたい意向だ。中国が東アジアでの影響力を拡大しようとすれば、三カ国の存在は障害になりかねないからだ。
中国はすでに、ASEANに自由貿易協定(FTA)を求め、政治的には台湾独立を認めないよう圧力を強めている。中台の間を取り持ってきたシンガポールが、中国から「一つの中国」政策を強いられたのは最近のことである。さらに、反国家分裂法を成立させて台湾への武力攻撃を可能にした。
他方で、中国は前に立ちはだかる日米の連携を揺さぶっている。歴史認識などで日本に容赦のない圧力をかけ、「もはや卑屈ではなくなった日本」(英タイムズ)の出ばなをくじこうとした。日本がひるめば、日米同盟のきずなを断ち切る下地ができる。
日中韓の三者の枠組みに中国が熱心なのも、日米と米韓の二国間同盟にクサビを打ち込む戦略的な狙いが隠されていよう。
しかし、中国の狙いは裏目に出たといえる。暴力的な反日デモを容認して、被害を受けた日本に責任を押し付ける強圧姿勢が、かえって「中国の脅威」を周辺国に振りまいたからだ。
十二月のクアラルンプール・サミットの次に、北京が議長国として名乗りを上げている。だが、中国の強引な誘導に、シンガポール、インドネシアを中心に警戒感が広がっている。
日本はオーストラリアなど三カ国の加盟だけでなく、一歩進めて「米国が加盟しなければ東アジアの利益にならない」と公言すべきである。
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