保守の源流を訪ねて

いざいざと友に盃すすめつつ泣かまほしかり醉はむぞ今夜

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◆【透明な歳月の光】曽野綾子(145)日本のニュース 目立つ幼児化と女性化(2月4日)

 NHKの問題は、辞任された海老沢会長をマスコミはさんざん叩いて書いた。私もNHKは「お金は使って、努力はしないところだ」と思ったことが何度もあるが、職員が約一万二千人もいる組織のすみずみまで眼を光らせることは事実上できるものではない。会長一人が叩かれるのは、お気の毒に思う瞬間も多かった。しかしNHKだけでなく、放送の世界全体がなによりも最近幼児化している。

 ニュースに二人ずつの(時には三人もの)アナウンサーが出る番組というのは、私が見ている限りの外国のテレビにはない。BBCもCNNも、ソ連も中国もフランスも、特別に現地にいる特派員を呼び出さない限り、原則一人ずつである。アナウンサーの技量がないと思われるのも癪だろうし、こういうところででも人件費を節約しようと思うのが、経営者の姿勢であってもいいと思う。

 幼児性を強烈に感じさせる他の特徴は、説明するのにすぐ扮装をすることだ。子供番組でもないのに、わざわざ付け髭をつけてみたり、説明的な安物の衣装に着替えてみたり、ちょっとした舞台みたいなしつらえをしたりする。現代演劇では、舞台装置でできるだけ写実を避けて、抽象的な場面で観客の想像力を参加させる方向にあるという時代に、幼稚園のような表現の仕方をするものではない、と思いながら耐えている。

 それ以上に、日本のニュースの幼児性を示すのは、ニュースの内容があまりにも内向きになってきたことだ。歌舞伎俳優のまだ若い息子さんが、深酒をして人に迷惑をかけた。決して大きな出来事ではない。世界ではもっと複雑で根の深い問題が山積しているのに、日本のテレビはこの手のゴシップ種ばかり、それも一斉に追いかける。視聴率を気にするとそうなるのだ、というが、NHKならその害悪に染まらなくてすむはずだ。

 シンガポールではNHKのスポーツ番組になるとしばしば静止した写真だけが出て、「版権の都合で放映できません」という意味の字幕と音声だけの説明に切り替わる状態がまだ改善されずに続いている。他の国の放送局にはそういう処置をしているところがない。どうしてNHKはああサービスが悪いんでしょう、と日本から来た私に文句を言う人もいる。

 幼児化とともに、女性化も目立つようになった。男性のアナウンサーが身をよじって見せながら、「もうとっても、寒いんです」と言う。しかし温度そのものの報道がない。気温に対する感覚は人によって違うものだから、聞きたいのは、その土地が今、セ氏何度なのか、という事実である。

 口で主観的に暑いの寒いのと言って騒ぐのは、昔は女性独特の表現だということになっていたのだが、今は日本人全員が女性化してしまって、めでたく男女同権になった。

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◆【正論】上智大学名誉教授 渡部昇一 「諸判決」と訳すべき平和条約11条

 《有罪にしたいが為の誤訳》
 ロッキード裁判では英語の訳し方について鑑定証人として出たことがある。法廷というところは証拠文書を厳密に扱うところだと思っていたのであるが、あきれ返るほど杜撰なのに驚いた。

 たとえば「小佐野被告がコーチャン証人と出会ったのが、ある日のmiddayであった」というコーチャン証言の中で、検察側はこのmiddayを「日中」と訳した。裁判官は「日中」という単語を日本語の辞典で確かめた。そこには「日のある間」という解釈があった。それで午前七時ごろから夕方六時ごろまでなら「日中」すなわちmiddayであるとした。小佐野被告の到着する飛行機の時間は時刻表では昼の十二時、つまりmid−dayであった。しかし、その日は飛行機が遅れて午後四時ごろ着いた。コーチャンの証言は時刻表に基づくものでウソ、少なくとも誤りであった。

 しかし、日本の裁判官は、middayを「日中」と訳した検察側の誤訳の、そのまた日本語の辞典の説明に基づき、「午後四時ごろでもmiddayである」としたのである。もちろんmiddayは「正午」の意味で、逆立ちしても午後四時ごろは含まれない。「昼の十二時ごろの十五分前か十五分後」とも言っているのに、裁判官の目はこれを無視した。強引に被告を有罪にしたかったからとしか思えない。

 ところで今、大きな話題になっているのはサンフランシスコ平和条約第一一条の「戦争裁判の受諾」という部分である。英語ではaccepts the judgmentsとなっている。このjudgmentsは「裁判」と訳してよいのか、「判決」ではないのか、という議論である。

 《正当な手続きだった釈放》
 もちろんjudgmentsを「裁判」と訳したのは悪訳、否、誤訳と言ってもいい。しかし、厳密に言えば「判決」でもない。複数になっているから「諸判決」とすべきである。諸判決とは絞首刑・東条英機他六名、終身禁固刑・賀屋興宣他十五名、禁固七年・重光葵などといった極めて具体的な個々のものである。日本が受諾したのは、この諸判決であり、さらにこの第一一条には平たく言えば次のような内容のことを付け加えられている。

 「日本はこの禁固刑に処せられたものを勝手に赦免、減刑、仮出獄させてはならない。ただしこの判決に関係ある一または二以上の国の決定や日本の勧告があればよい」

 日本が独立回復したころの日本の政府や日本の議会は、この条文を正しく解釈していた。したがってA級戦犯といわれた人々も、正当な国際的、国内的手続きを経て釈放されたのである。

 かくして終身禁固刑を宣告された賀屋興宣氏は第三次池田内閣の法相になり、禁固七年を宣告された重光葵氏は、出所後は改進党総裁、鳩山内閣では副総理・外相となり、日本が国連に加盟を承認された第十一回国連総会には日本代表として出席しているのだ。死刑になった人々がもし終身刑であったら出所して活躍できたであろうが、殺されてしまったので生き返らすわけにいかなかった。

 サンフランシスコ平和条約第一一条の諸判決を受けた人たちは、このように国際舞台にすら復帰しているのである。そして日本を裁いた国から諸判決を受けた人たちの釈放や活躍に、いっさい異議が出されなかった。

 ということは、東京裁判の関係諸国も当時の日本政府や、今の私と同じ解釈を第一一条について持っていたことを、明々白々に、しかも動かしがたく立証している。日本と戦った蒋介石政権もそういう解釈をしていたのである。

 日本と正式の交戦相手でもなく、しかも平和条約締結にも参加しなかった中国共産党政権が今ごろ何を言っているのか。頭がおかしいのじゃないか、とさえ言いたくなる。

 《許せない朝日の世論誤導》
 しかし今の北京政府は、日本の左翼に振り回されているピエロなのだ。いつごろからか、日本の左翼は第一一条のjudgmentsを「裁判」と誤訳したのを、そこだけ悪用して、「日本は東京裁判を受諾したのだ」と宣伝した。朝日新聞はそれを徹底的に利用して日本人を脅迫している。「日本は東京裁判を受諾したのに、それに逆くつもりか」

 朝日新聞の論説を書く人が第一一条を読んでいないとは思われない。日本の不利になり、コリアやチャイナに有利なことならウソでも書くという方針で世論を誤導しようとしているとしか思えない。

 つまりはmiddayを午後四時まで引き延ばしたロッキード裁判の判事のごときものなのだ。

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◆【主張】対中外交 民主党議連に期待したい

 民主党内に「真の対中外交を考える会」が設立された。中国に対して筋の通った外交姿勢を確立しようという有志議員の集まりである。

 設立趣旨は中国に対し「主張すべきは堂々と主張する骨太の外交に転じなければならない」としたうえで、靖国、歴史教科書、東シナ海の天然ガス田、尖閣諸島、北京五論などの問題を真剣に考えていきたいとしている。主権国家として当然の外交理念がうたわれている。

 民主党内ではこれまで、小泉純一郎首相の靖国参拝を批判する声ばかりが目立っていた。

 先の衆院予算委員会で、岡田克也代表は、「A級戦犯が合祀されている靖国神社に首相は参拝すべきではない」と参拝中止を迫った。仙谷由人政調会長はテレビ番組で、「首相は(国会答弁でA級戦犯の)東条英機元首相の名前を出したが、中国には『ヒトラーを参拝してもいい』と言っていると聞こえるのではないか」と述べた。

 これら民主党幹部の発言は、必ずしも民主党の総意ではないといえる。岡田氏は来月に訪中する予定だといわれるが、その前に、党内の意見にも広く耳を傾けるべきだろう。

 自民党内でも、大物議員らがまるで中国のメッセンジャーのように、次々と小泉首相に靖国参拝の中止や慎重な対応を求めた。日本遺族会会長の古賀誠・元幹事長までが「近隣諸国への配慮が必要」と発言し、それが遺族会見解として独り歩きした。

 後に、古賀氏の私見と分かり、十七日の遺族会支部長会議で、「首相参拝の継続」「いわゆるA級戦犯分祀はできない」「国立追悼施設建設反対」の従来方針が再確認された。

 自民党内でも、民主党内の新しい議員グループと方向を同じくする若手議員は少なくないはずだ。十七日に開かれた自民、公明、民主三党の有志による「国連改革議員連盟」で、安倍晋三幹事長代理は「(小泉首相は靖国に)参拝すべきだ。譲歩の姿勢を見せれば中国を利するだけで禍根を残す」と述べた。自民党を含めた超党派の議連に発展することを期待したい。

 真の友好とは、ただ相手に譲歩することではない。互いに、言うべきことを言い、歴史や文化の違いを認め、理解し合うことである。

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◆【好】女王・ひばりの素顔

 二十四日は美空ひばりの十七回忌。この日、東京・九段の日本武道館では音楽葬が行われ、ディノスがDVDセット「gift」を発売する。映画の上映会やテレビ各局の特別番組などもめじろ押しで、あらためて“昭和の歌姫”の凄さを感じさせる。そんなひばりの素顔の魅力を、生前親しかった人たちの話から拾ってみた。

 三人娘(ひばり、江利チエミ、雪村いづみ)の一人である雪村は、先日開かれた都内でのトークショーで、実弟のことでひばりに相談したことを告白。自身も弟がらみでバッシングを受けていたひばりから「芸能人という仕事柄、家族にも悩みがある。だからもっと頑張って家族を守らなければいけないのよ」と励まされた。ひばりの「優しさと強さ」に触れ、立ち直れたというエピソードを涙ながらに披露した。

 先月、TBSで放送された「美空ひばり誕生物語」。主演の泉ピン子、プロデューサーの石井ふく子ともひばりとは親交が深く、忘れられない思い出がある。

 ヒットドラマ「おしん」に出演していた泉の最後収録日、突然スタジオに百人前の麦とろそばが届いた。送り主はほかならぬひばりで、「手紙に『お疲れさま』と書いてありました」と泉。

 食べ物の好き嫌いが多い石井に、心配したひばりは「これを食べなきゃ生かしておかない」と脅し、特に苦手だったかぼちゃの煮物を食べさせた。石井は死ぬ思いで口に入れたのだが、これが非常においしくて「今では自分で作って食べてます」。

 不世出の大スターではなく、「気配りの人」として、ひばりは多くの人の心の中で今も“生きて”いるのだ。(安藤明子)

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◆【緯度経度】ソウル・黒田勝弘 食べて歌って踊りました

 平壌で開かれた「六・一五南北共同宣言五周年記念大会」の写真を見てまた憂鬱になった。一つは美しく着飾った「平壌市民」の姿であり、もう一つはパソコンをいじっている平壌の中学生たちの姿だ。

 いずれも韓国の取材団が平壌から送ってきたものだが、前者ではまるでタレントか俳優を思わせる上品な(?)夫婦に見える美男・美女たちがすまし顔で拍手をしている。いかにも上流階級の奥様、旦那様という風情である。

 パソコン姿の中学生を見ている韓国代表団の後ろの壁には「二十一世紀は情報産業の時代です 金正日」というスローガンが見える。この中学校では韓国代表団が着飾った女子生徒たちとにこやかに踊りに興じている場面もある。

 これが韓国の政府、マスコミが鳴り物入りで伝えもてはやす“南北交流”の風景である。悲劇というか喜劇というか、いや腹立たしいというか。

 実はまだある。北朝鮮の首相主催の晩餐会の席上、韓国政府代表の一人で進歩的文化人で知られる人物(次官級)は、余興に一曲請われて北朝鮮の映画「名も無き英雄たち」の主題歌を歌った。この映画は朝鮮戦争(一九五〇−五三年)を舞台に北の諜報部隊の活躍を描いた“革命映画”で、例のジェンキンス氏も米将校役で登場しているという。

 韓国政府の高官が、北朝鮮の高官たちの前であの韓国侵略戦争をたたえる映画の主題歌を歌ったというのだ。この人物は政府高官になる前も、金剛山観光に出かけた折、北朝鮮側の要員たちと「金日成将軍の歌」を歌ったという“前科”がある。盧武鉉政権下ではそんな人物が政府高官に起用され、南北交流の先頭に立っている。

 平壌を訪れた韓国代表団(三百人)の顔ぶれには以前、韓国内で時の政権に反対する「反独裁・民主化闘争」で名をはせた名士が多く含まれている。その民主化闘士たちが平壌に出かけては「独裁政権」の接待のもと、着飾った特権階級の人たちと食べて、歌って、踊っているのだ。彼らが大好きな「民衆」はどうなったのだろう。

 同じころ、ワシントンではブッシュ大統領が北朝鮮で収容所体験のある亡命者、姜哲煥氏(現在は朝鮮日報記者)に会い激励している。姜記者は北朝鮮の人権状況告発に精力的に取り組んでいるが、米国で出版された英語版の北朝鮮体験記をブッシュ大統領が読み、わざわざホワイトハウスに招いたのだ。

 姜記者によると、ブッシュ大統領は彼に、「北朝鮮の実態を知らせてくれたあなたに敬意を評する。あなたが米国大統領ならどうするだろうか?」と声をかけ、さらに「韓国人たちは金正日の人権蹂躙になぜ怒らないのか」と語ったという。

 姜記者はブッシュ大統領のこの言葉を聞いて「韓国の大統領が“米国人たちは北朝鮮の人権問題になぜ関心がないのか、本当に知らないのか”と言わなければならないはずなのに、逆になっていると思った」と書いている。

 そして「韓国では過去、民主化運動をした人たちが権力を握り、補償も受け、その名前も国民に知られているが、北朝鮮の(政治犯)収容所で死んでいった数多くの霊魂は誰が悲しんでくれ、誰が心にとめてくれるのだろうか。帰国の飛行機の中でこんな気持ちになりながらひとり涙をぬぐった」という(十七日付朝鮮日報から)。

 一方、韓国内では十五日から十八日まで全国の小中高校で「六・一五南北共同宣言」に関する特別授業が行われているという。教員団体の「全国教職員労働組合」と「韓国教員団体総連合会」が共同で、なんと北朝鮮の「朝鮮教育文化職業同盟」と歩調を合わせ「われわれは一つの民族」を主題に“南北仲良く”や“平和統一への期待”などを教えている。

 今回の平壌イベントに際し、北朝鮮側は六月十五日を今後は「われわれだけ(ウリキリ)の日」と命名しようと主張したという。

 しかし「わが民族は一つ」とか「われわれだけで」というのは、北朝鮮あるいは南北関係では「外国勢力排除」のことであり、実質的には「反米」を意味する。これは北朝鮮理解の常識である。韓国の学校では今、教員労組が主導して反米民族主義教育をしているというわけだ。

 「怒り」どころではない。姜記者はブッシュ大統領に対し「韓国のテレビでは北の人権を扱ったものはほとんど見ることができない」と韓国の実情を紹介したというが、学校教育からすでに北朝鮮の“実態隠し”が行われている。先の米韓首脳会談では「お互い異見はない」とされているが、実際のミゾは相当深い。

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