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元シンガポール支局長、湯浅博氏の見方にはいつも頷くところがあるが、此処で触れられている「ブッシュ批判が売りの民間研究所長」とは寺島実郎氏のこと(日本総合研究所は財団法人のようだが)。 しかしそろそろ旗色が悪くなってきたようで新年のテレビでも汗だくでブッシュ批判をしていた。そもそもこの商社崩れの元ワシントン駐在が岩波あたりにもて囃されている理由が分からない。左翼論陣の人材難を反映しているのか。 それはさておき、わが自衛隊員のサマーワでの真摯な活動に刺激されたのか、米軍の戦略転換が功を奏してきたようだ。しかしこれ、良く読んでいくと何か思い出さないか。これは正しくマッカーサーが我が国で戦後進めたチョコレート作戦と同じではないか。 ==== ◆【湯浅博の世界読解】イラクの好転なぜ言わぬ 米国のブッシュ大統領はアホでマヌケで、彼が率いたイラク戦争は泥沼化でなければならない。これは日本で米国通のフリをするさいの決まり文句である。 だから、昨年の民間人死者数は最大2万4159人というNGO(非政府組織)の発表にはすぐ飛びつき、「イラクの悲劇」を吹聴する。ブッシュ批判が売りの民間研究所長が、年明けのニュース解説で熱を入れていた。 米国嫌いの論者らは昨年9月以降、犠牲者が激減しているとは決して言わない。イラクの石油生産が、戦争前の水準に戻ったとの分析もしない。いずれも「泥沼イラク」の反戦テーゼに反するからだ。 イラク政治の現状はもちろんバラ色ではない。いまだテロリストの残党が潜んでいるし、イラクの政治家たちが互いに有利な地位を占めようと画策している。しかし、軍事面ではペトレイアス司令官率いる「増派作戦」が功を奏し、死者数が劇的に減少しているのだ。 統計が正確な米兵の死者数でみると、昨年9月から減少に転じ、10月になると1日平均1・3人(前年10月3・6人)になる。これが12月には、25日までに17人で1日平均0・7人になる。交通事故を下回る数字だろう。 平均が「1」を切るのは、フセイン大統領が逮捕された2004年2月以来のことになる。いまや、米国の悩みはイラクではない。核を持ったパキスタンの混乱、タリバン復活が危険なアフガニスタン、それに核開発を目指すイランの情勢に移っている。 「泥沼イラク」を報じてきたワシントン・ポスト紙は自らの間違いを認め、左傾斜のニューヨーク・タイムズ紙ですら間接的に認めている。驚いたのはブルッキングス研究所のオハンロン上級研究員が、早くも昨年7月の段階で、「われわれは勝利するかもしれない」と同紙上でペトレイアス戦略を肯定したことだ。 その直後から、彼が民主党系の“身内”から袋だたきにあったことはいうまでもない。ところが、9月以降になってオハンロン氏の観察眼の正しかったことが証明されていく。 日本人に誤解を与えるのは、この「増派作戦」という言葉にあるのかもしれない。ペトレイアス戦略の本質は3万人増派にあるのではなく、実は戦略の大きな転換にある。ペトレイアス将軍は大規模基地から出撃するそれまでの戦略から、地域ごとに拠点をつくって市民との交流に力点を置く戦略に改めた。 米シンクタンクのAEI客員研究員の加瀬みき氏流にいうと、「交番作戦」ということになる。米兵たちは南部サマーワのわが自衛隊員のように、現地に分け入って電気、水道、学校を建てている。テロリストの残虐行為に眉をひそめてきた市民との信頼関係ができつつある。 その結果、テロリストに関する情報がもたらされ、武器輸送ルートの情報が飛び込むようになった。こうして、米兵増派直後にいったん跳ね上がった死者数も、9月からは下降に転じてきたのだ。 現地に特派員を送っている英紙タイムズは昨年11月14日付で、イラク人たちが欠勤の際に使えなくなった「ちっちゃなウソ」として五つの例を挙げていた。 (1)米兵が町を封鎖してしまった(2)橋の閉鎖で少なくとも一時間は遅刻する(3)玄関先で民兵と治安部隊が戦闘している(4)いとこが誘拐されて会社に行けない(5)地域内で家宅捜索が始まり外出ができない−である。 イラクではこれらが笑い話になるほど治安が回復しているとの報告だった。一方、米国内でも、「泥沼イラク」が大統領予備選の争点から外された。日本で米国通のフリをすることも難しい。(東京特派員)
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2008年01月10日
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