まっこのドラマ見聞録

このブログは閉鎖させて頂く事になりました。

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先日よりお知らせのこちらのブログを閉鎖をいたしました。
実質9ヶ月もの間、私の稚拙な文章にお付き合い下さり感謝致します。

今回私の諸事情により、ブログ閉鎖いたしますが、また何処かでお会い出来るものと
思っております。

色々とありがとうございました。

ユルとユリをチェギョンと共に見送ると、彼女は彼らの後ろ姿を見ている様子に

『お前はそんなにユルがいいのか?俺はお前の夫なのに!』

目の前に手を何度か翳したが、気付く風でもないチェギョンに

『もしかして見てるのではなく、考え事か?』

などと未だ肩を抱き寄せながら彼女のをじっくり見るために近くまで覗き込み

「何ボーッとしてる?」

俺の声でやっと現実に戻ったのか、今度は慌てて焦った風に

「べ…、別に!それに、この手は何?」

「え、あぁ…」

俺はチェギョンに言われるまで、彼女の肩を抱き寄せていた事すら忘れるほどに
見入っていたのかと思うと、急に気恥ずかしくなり、彼女の肩から手を外し目線を外しあっちの方へ向けると

「行くぞ。」

と言うだけで、とにかくこのぎこちない空気を避けるように、厩舎へ向かおうとしたが

「え?どこへ?」

『どこへ?って…
 馬に乗りに来て、何処に行くつもりだと思ってるんだよ。』と立ち止まって振り向くと

「馬に乗らないのか?」

とチェギョンと一緒に乗るつもりで言うと

「私、1人では乗れないのよ…。」

『ん?お前、分かりきった事を今更何を言うんだか…』

ますますチェギョンの思考が分からず腕組みをしてもう一度覗き見て

「だから、俺と一緒に野駆けに行きたくないのか?」

「え?連れて行ってくれるの?」

どうやら、俺と一緒に野駆けという選択肢は彼女の頭の中には無かったようで、しかも嬉しそうに微笑む様子に

『急に笑うなよ、それに無邪気で嬉しそうなお前見るとなんだか眩しく見える』

そんな彼女を見ていると”ドキッ”としてまとも見れずに、曖昧な返事しかできない。

「あぁ…」

俺の言葉に一緒に野駆けをするなど信じられないと、今度は不思議そうな表情を浮かべる

「俺以外の誰がお前を乗せると思ってるんだよ…。」

そっぽを向いて独り言のように心で呟いたはずの言葉にチェギョンが反応して

「え?なんて言ったの?」

『聞こえてたのか?』と思うと無性に恥ずかしくなり誤魔化すように

「なんでもない。置いていくぞ!」

と言うなり、足早に厩舎へ向いて歩き出した。

「あ、待ってぇ〜〜。」

俺の後追いかけてくる彼女の足音を聞いて口元は緩み、背後を彼女の焦って後を追いかける様子を
想像しながら心は楽しく軽くなった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

馬を引き厩舎から出てくるとヒョリンが俺にもの言いたげに立っていた。

『俺に何の用だ。プロポーズを断った時点でヒョリン…
 君とは、終わったはず…
 いや、何も始まってもいなかった、こんな不自然に待っているなんて止めてくれ。』

心の中の葛藤は続くものの、彼女と目線も合わさず目の前を素通りした。

「シン…。」

ヒョリンの声に立ち止まり振り返ると、彼女が何かを言いかけようとしたが、俺はその言葉制すような視線を送り
何も言わずに再び手綱を引いて、その場を立ち去り、待っているチェギョンの元へと向かった。
俺がチェギョンの姿を確認して、先程の動揺を見せないように彼女の前に馬を引いて来ると
とんだ我が儘を言い出した。

「ね〜、あのさ…、私は誰かに馬を引いて貰って、参加しようか?」

『今更何を言い出すかと思えば、1人で馬に乗るだと?
 さっきまであんなに喜んでいたのに、この変わり身はなんなんだ?』少々苛つき気味で

「何を言ってる?そんな事すれば余計時間が掛かって、皆に迷惑が掛かるだろう?」

こう言ってもまだ、理由を付けて俺との乗馬に難色を示す彼女に業を煮やし

「つべこべ言わずに、乗れ!」

「あ、はぃ…。」

何かとゴネるチェギョンを半ば強引に馬に乗せ、往路を共にするメンバーがヒョリンを含むイン達
5人と共に出発する事となった。
ヒョリンは俺を意識している様子は相変わらずだが、先程のように何か言いたげな感じもなく
彼女はインと先を急ぐように出発し、ギョンとファンも一歩先を走り、俺たちは2人乗りである事で
少し後れを取りながらも、最後の方のグループとあって、ゆっくり馬を走らせていた。

しばらくすると、前に乗るチェギョンがやたらと大きな独り言のように沿道の景色について色々喋る。
その落ち着き無い彼女に、堪らずに言った。

「お前、もう少し静かに物が言えないのか?
 乗馬レッスンで何を覚えたんだ…。」

「どういう意味よ!」

『やっぱり…、こんなんでよく1人で馬に乗ると言ってもんだな…』少々呆れ気味に

「むやみに奇声を上げると馬が驚くんだ。」

「あ……。」

『ほら、やっぱり何も覚えてないじゃないか、でも、お前らしいけどな。』
俺が言った事で急に大人しくなり、その単純な素直さに思わず笑みを浮かべて軽く笑うと

「まあ、賑やかなのはお前の取り柄だからな。」

「静かにしろって言ったのはシン君でしょ?」

俺の一言が気に障ったのか、急に後ろを振り返ると丁度そこに彼女と俺の唇が一瞬触れ合った。

『今唇が触れて…、俺達って…、キスした…か?』

慌てて馬を止めると、互いに向き合い見つめ合ったままで、俺はただ今起こった事を確認すると
未だ状況が飲み込めないまま、身動ぎもできずにいるチェギョンを見ると
俺の手は自然と彼女の頬に触れ、もう片方の手は彼女の肩を抱き寄せ、引き込まれるように顔を近づけ
信じられない事にチェギョンにもう一度キスをしていた。

彼女の困惑 08

そんな二人を見送ったチェギョンは1人
『ユリさんって…、ユル君の事好きなのかなぁ?
 ユル君はユリさんをどう思ってるんだろう?』などと、色々考えていると

「何ボーッとしてる?」

先程の不意に肩を抱き寄せられたままいる事も忘れて、かなりの至近距離で私の顔を覗くシン君がいた。
『あー!びっくりした。なんでこんなに近いのよ!』
急に間近で見る皇子の顔にどぎまぎしていると

「べ…、別に!それに、この手は何?」

「え、あぁ…」

シンも言われて慌てて手を外し、目を宙に向けたかと思うと

「行くぞ。」

「え?どこへ?」

背を向けて厩舎方へと行こうとするシンに何をするのか分からないチェギョンは呼び止めると
彼は立ち止まって振り向いた

「馬に乗らないのか?」

『私が乗れないの知ってるくせに…。』先程のお嬢様達同様に、からかわれていると思ったチェギョンは

「私、1人では乗れないのよ…。」

そしてまた、私の前まで戻り腕組みをしてもう一度私をじっくり覗き見ると

「だから、俺と一緒に野駆けに行きたくないのか?」

今、シン君が言った言葉に耳を疑うように今一度聞いてみると

「え?連れて行ってくれるの?」

『やったぁ!独りでどうしようかと思ってたし、シン君が一緒に乗ってくれるんだ♪』
予想以上の出来事に驚きと興奮が混じったのか、頬が紅潮して子供のように微笑むと

「あぁ…」

シン君の言葉少なげな様子に『ん?また私をからかってるの?』と伺うように見ると

「俺い……、思ってるんだよ……。」

シン君は急にそっぽ向きながら、ぼそぼそと何か呟いた言葉が聞こえなくて、二度聞きすると

「え?なんて言ったの?」

「なんでもない。置いていくぞ!」

そう言うなり、そそくさと厩舎へ向いて歩いてシン。

「あ、待ってぇ〜〜。」

慌ててシンの背中を追いなながら、チェギョンも厩舎へ向かった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

その後、私達は馬上の人となり、そこから見えるいつもと違う視線の景色に集中するようにと
私は心掛けていた。

シン君の言う”俺と一緒に野駆けに行きたくないのか?”の申し出に単純に喜んだまでは良かったけど
一緒にと言う事は、一頭の馬に2人乗りすると言う事で、かなりの接近具合に私は面食らい馬に乗る前にも

「ね〜、あのさ…、私は誰かに馬を引いて貰って、参加しようか?」

「何を言ってる?そんな事すれば余計時間が掛かって、皆に迷惑が掛かるだろう?」

『うう…、そうなんだけどね、シン君とこんなに接近した事ないもんだから
 どうしたらいいのよぉ。。。。』1人ブツブツと言う私を余所に

「つべこべ言わずに、乗れ!」

「あ、はぃ…。」

とまあ色々すったもんだの末、2人一緒に野駆けへ出掛ける事になった。
今回は全体で2,30名の参加者での乗馬の会になり、数名単位でグループ毎で野駆けポイントを巡り
途中の休憩ポイントまで行くとそこでまた別メンバーと共に、乗馬クラブに戻るらしい。
その後も、懇親会なる簡略なパーティーもあると聞いて

『どこまでパーティー好きなの?』と虚しい抗議を言える訳でもなく、

私達は飛び入り参加のシン君の登場で2人乗りという事もあって、最後の方のグループに回され
そこには、何故かヒョリンとイン達までいるのだから…

『今日の私は付いてないわ…』

軽い溜息を付くと誰かの視線を感じ、ゆっくりその方向を見やるとヒョリンがこちらを見ていたようで
私が視線に気がつくとすぐに目を背け、イン達と共に話をしている。
すぐそばにいたシン君は、気が付いていたのかどうかはわからないけど、2人とも目も合わさずに
準備が出来るとヒョリンはインと一緒に先へと行ってしまった。
その後すぐに続くギョンとファンも出発すると、私達も彼らの後を追うようにして出発した。

『シン君ったら、ヒョリンの視線が気が付かなかったのかな?』
そんな事を思いながらも目の前には、木々生い茂る木立の間を走る細い獣道を進み、天気も良く空を
見上げると葉っぱの隙間から木漏れ日が降り注ぎ、先程の杞憂など忘れたように周りの景色を楽しんでいた。

常足程度に馬を走らせているので、思った程振動はないのだが、時々馬を操る度に息が掛かりそうな
至近距離のシン君に、ドキドキする私は異様にはしゃぎ、落ち着かないでいると

「お前、もう少し静かに物が言えないのか?
 乗馬レッスンで何を覚えたんだ…。」

「どういう意味よ!」

「むやみに奇声を上げると馬が驚くんだ。」

「あ……。」

『そう言えば、乗馬の先生が言ってたっけ?』

片隅に追いやれた微かな記憶によって辛うじて思い出した。
そう言って静かになると軽く鼻で笑うシンは

「まあ、賑やかなのはお前の取り柄だからな。」

「静かにしろって言ったのはシン君でしょ?」

とムキになった私が顔だけ振り返ると何かが私の唇に一瞬触れた…

今起こった出来事が理解出来ないで、しばらくシン君と見つめ合った

『これって…?
 私は振り返っただけだし、そしたらシン君がいて…
 それで、私とシン君の唇が触れて…。』

なんとか順を追って経緯を分析すると

『私…、シン君とキスした?』

私は大変な事が起こったと自覚すると、突発的な事とはいえ前後不覚に陥り、頭が真っ白になり言葉をなくした。
そんな私を余所に、韓国皇室美麗と謳われる皇太子のシン君は私から目をそらさずに見つめ手は私の頬を
優しく撫で、次第に彼の顔が近づくともう一度シン君とキスをしていた。

イメージ 1

皆様こんばんは!

あっ!ちゅー間に1週間が経ち、我が家の車も無事車検も済み、やれやれと思っていたら
気がつけばこっそり100000hitしてました。。。。。。(驚)

ひとえに辛抱強い皆様がお越し頂いき、時に激励コメも書いて頂いたりの賜です!(感謝)
本当は何かお返しにお話し書きたい所ですが、この創作に掛かりきりで、何も書けてません!
(ごめんなさい!)

でも何かしたい。。。。(私の心の葛藤です うう。。。。)
何か出来るかはとりあえず考えるとして、本日は続き更新です。

今日は皆様に『きゃー!』とか『うわぁー!』などという感嘆が聞こえるであろう内容となっているはずです。
ではご覧ください。

「殿下、そろそろ到着いたします。」

「わかりました。」

シンは皇帝の名代として、とある地方都市に公務に赴いていた。
車が静かに目的地に到着すると、皇族の出迎えの為、市長や職員、その地方選出議員などがずらっと並び
翊衛士に警護される中コン内官を従え、順番に挨拶をしていく。
職員以外にもシンがこの地に来る事を事前に知った国民が国旗と皇室の旗を振り歓迎する様子に、
皇太子として優雅に微笑み手を振って、与えられたスケジュールを予定通りにこなしていた。

『あと少しで終わりだ…。
 明日の午後にはソウルへもどれるはず…。』

シンは歓迎する国民に向けるその微笑みとは裏腹に、心はすでに彼の地に飛んでいた。

あれから俺もチェギョンも忙しく、まともに話も出来ない状況で、タイミングよく話しかけよう物ならば
内人やチェ尚宮、がぴったりと張り付き、逆に彼女の時間がある時は、公務や執務に追われるという
すれ違いだった。
俺はあのユルが参加となった乗馬の会になんとしてでも、参加出来るようにと、あの朝の挨拶直後に、
今回の地方公務に関していかなる方法でもいいからと、早々に戻れるようコン内官に指示をした。
最初は面食らった様な面持ちだったが、その言葉に何かを感じたのか、いつものように優しく微笑み

「畏まりました、その様に調整致します。」

との彼の言葉通りに、変更後は公務当日の前日から学校を午後から早退し、チェギョンとの挨拶もなしに
宮へ戻るとそのまま行啓地へ向かい、その晩には主要な要人達と合い、翌朝から目も廻るほどの
忙しいスケジュールをこなし、今この訪問が今日最後の公務となった。
明日早々にはソウルへ向け帰京する事となり、そうなれば遅れはしても、乗馬の会に間に合う事にコン内官も
気がついているような風で、俺自身もそんな彼には感謝するものの、見透かされているようで気恥ずかしく
思った。

なんとか、今回全ての公務が終わり、滞在するホテルへと戻ると

「殿下、明日は早朝からの移動となりますので、今夜はお早めにご就寝下さいますよう。」

「わかりました、ご苦労様でした。」

「では、私はこれにて失礼します。」

「コン内官。」

「はい。」

俺は今回の事での労いを言おうとしたが、彼のいつもの笑顔に”殿下に仕える者として当然と”いう彼の表情に

「いや、なんでもありません。おやすみなさい。」

深々と頭を下げて、部屋を退出する彼を見送り、窓から見える夜景を見ながら

『でも、ここまでして何故あいつが気になるのだろう?』

今までに経験のない、得体の知れない思いに、俺自身参っていた。
ただ、チェギョンの存在が日増しに俺の中で、増幅している。
そんな思いに戸惑い、いくら打ち消しても思い浮かぶのは彼女の顔しかないのだから…

『今頃何してるんだか…』

東宮でもいつもじっとしてない彼女のまわりは賑やかで、今までの俺なら雑音でしなかった騒々しさが
彼女の存在を感じ、今みたいな独り過ごす夜が当たり前だったのが、二晩も傍にいない事に寂しささえ
思う自分に

「らしくないな…。」

そう独り言を呟き、自嘲気味に笑うと、全ての邪念を払いたいかのように、シャワールームへと消えて行った。

翌朝、コン内官が声を掛ける前に起床していたシンは、予定通りに滞在するホテルを出ると、皇室専用機が
待機している空港へと急ぎ早朝にも関わらず、見送りの者達への挨拶が終わると、足早に機内に乗り込んだ。
離陸準備が出来た専用機はシンを乗せて一路ソウルを目指して飛び立ち、数時間のちには皇帝陛下のいる
宮の正殿へと今回の地方公務の報告をし、シンが不在の間に溜まった急ぎの書類を片付けると直ちに
コン内官を呼び車の用意を頼むと

「殿下既に、手配済みで車寄せに待機させております。」

『今までの俺の心中はコン内官もお見通しと言う訳か…』全てを見透かされた彼に、今更言い訳がましく言うのも
おかしいと思い務めて冷静に

「では行こうか…。」

と俺の言葉が目的地を告げる前に彼の口からは

「行き先も心得ております、乗馬クラブへは30分程度での到着予定でございます。」

「わかった。」

言葉少なに答えると、車寄せに待機している車に乗り、彼女の待つ乗馬クラブへと向かい、車中では

『俺が突然現れて驚くだろうが何て言おうか?』などと思っていると

「<ハックシュンッ>」

「如何なさいましたか?」

「いえ、大丈夫です。
 誰かが僕の噂話でもしているのでしょう。」

『あいつが変な事でも言ったのかな?』そう思うと数日ぶりに見る彼女に心弾む自分と、どう接して良いのか
分からない複雑な思いに車窓を眺めていた。

乗馬クラブのクラブハウスへ着くと、乗馬服に着替え皆が集まっている場所に近づくと、ユルとユリを囲み
いつもの王族会のお嬢様達が談笑する中、独り居場所なさげにいるチェギョンを見つけた。
相変わらずのプライド高い彼女たちの会話から、良いようにあしらわれているチェギョンに王族会のお嬢様が

「あ、そうそう。
 本日は妃宮様もご一緒に、野駆けを楽しみましょう。」

などと何か意図的にチェギョンへ仕掛けるような言い様に困惑気味なチェギョンは

「あ、そうなんですが…。
 私…、馬は…。」

「如何なさいまして?妃宮様。」

「あ…、いや…、その…。」

『まあ、そうだろうな…
(*)扶助も反撞も習得出来てないんだから…』

チェギョンの乗馬の熟達度知るシンは、チェギョンの様子を見かねて出ていこうとすると、突然チェギョンに
声を掛けるユルの声に足が止まった

「もしかして…、チェギョン。
 乗馬って出来るの?」

「あ、実はあんまり…。
 まだ、少ししか乗ったことなくて…。」

自信なさげに言う彼女に、ユルは優しく答えると

「じゃあ、僕が教えようか?」

その言葉に『なんだと?お前が出る幕ではないだろ!』と勢いに任せて飛び出る寸前でチェギョンが

「あ、うん、だけど今日はさ、お天気でしょ?
 野駆けもするって聞いてたし、私には無理だから、
 今日は馬場の近くで、厩舎の人に馬を引いてもらったりしてお留守番しておくわ。」

と言うといつものお得意のファイティンポーズを見せ、アピールしている様子に
シンは自然と顔がにこやかになるが、ユルはまだ何か言いたげに

「でもチェギョン、今日は僕が君に付いてるとお祖母様にも約束したし。
 1人には…。」

ユルからのしぶとい言葉に俺は居ても堪らずに、気がつけば思いよりも先にユルの言葉を遮り
彼への牽制の言葉を口にしていた。

「いや、それには及ばないな。」

「シン君?
 どうして?公務は?」

俺の言葉に皆が反応し、一斉にこちらを向く中チェギョンは、驚きながらも不思議そうに俺を見ている。
数日ぶりに見る彼女の表情に少し俺の口元は気付かずに綻んでいた。

「予定の変更とか思った以上に公務が早く終わったから切り上げて来ただけだ。」

「そ、そうなの…。」

俺がぶっきらぼうに言った言葉だったが、少しだけ笑顔になった彼女を見て何故か安心し、目が合うと
焦った俺は咳払いをして当然とばかりにチェギョンの横に立った。
その様子に意味あり気な視線を送るユルが

「シン、来たのか…。」

俺は何処か挑戦的もあるユルの目線を注意深く見ながら、横にいるチェギョンの肩を抱き寄せ、彼女の
夫である事を誇示するかのように、いつもの高貴な微笑みで彼に答えた

「ああ、妃宮は初心者なんでね、宮でもまだ馬場から出た事もないんだ。
 折角、今日は皆で野駆けを楽しみに来ているんだろ?
 気にせずに楽しむといい、妃宮のせいで一人でも楽しめないのは、僕も心外だからね。」

俺とユルの視線が絡む中、空気を察したユリ嬢が俺たちの間に割って入るように

「ユル様、妃宮様には皇太子殿下が付いてらっしゃるわ。」

「そ、そうだね…。」

『ま、当然だな…。
 俺がいるのにチェギョンの傍にいるなんてないだろ?』
彼女の言う事に一様の納得の様子を見せたユル。
そこで、改めて他の面々を見ても、俺の登場とユルとの密かな対立を目にした王族会の彼女たちも
困惑しているのか

「突然僕が参加する事になって悪かったかな?」

先程までのチェギョンへの対応にお灸を据える意味でも、わざとこれ以上ない
皇太子スマイルを見せた途端、口々に言い訳がましく言う彼女たちは

「い、いえそんな…。」

「滅相もございませんわ、こうして両殿下がいらっしゃるなんて、大変光栄ですもの!」

「では、私どもも準備致しませんと、いけませんわね。」

そう言うなり、慌てて厩舎の方へ行ってしまった。

「私達も参りましょうユル様。
 ほら、他の皆様もお待ちかねですわ。
 さぁ、ユル様。」

「うん…。」

それと同時に、ユリに促されたユルもこちらを見ながらも厩舎の方へ歩いて行った。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(*)扶助(ふじょ)
馬に対してさまざまな要求をするときに行う馬への合図のこと。
脚で馬体を圧迫したり踵で軽打したり、拳で手綱を操作するなどの行為や、鞭や声で合図を
することも扶助に含まれる。

(*)反撞(はんどう)
馬が動くことによって発生する揺れで、この反撞を上手く体で吸収出来るようになれば、
鞍の上でお尻が跳ね上げられることもなくなる。

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