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東京電力福島第一原発の1号機から4号機が深刻なトラブルに見舞われており、その対応が困難を極めている。
この間にも原発の半径30キロ圏内の住民に避難勧告があり、住民は地震、津波、原発の三重苦苦しんでおり、 原発の危機的な状況による被爆の恐怖もあって、救援物資の運搬や救援の手が圏内まで届かずに避難住民 は更なる不便を強いられている。原発から漏れた放射線汚染も広がっている。露地栽培の野菜や原乳から放射性物質が検出されて出荷停止になったり、東京はじめ関東の水道水からも放射性要素が検出されている。 東電福島原発のトラブルは、11日の地震とそれに伴う巨大な津波により非常用電源装置が壊滅し、原子炉冷却ポンプへの給電ができなくなり、原子炉や使用済み核燃料貯蔵プールの冷却ができなくなったことが致命的なトラブルの原因となっている。
東電は、あれほど大きな地震は想定していなかった、10メートルを超える津波は想定していなかったなどといい、今回のトラブルは”想定外”のことであったと言っている。
また、国の原子力行政を担当する原子力安全・保安院と原子力安全委員会の両トップが過去に次のように言っている。 「(非常用を含めた電源喪失の)そうした事態は想定できない」との趣旨の考えを明らかにしていたことがわかったという。 京大で原子核工学を学んだ吉井英勝衆院議員(共産)は「地震と津波は自然災害だが、原発事故ははっきり人災と言える」と。 過去に原発に関してどんなやり取りがあったのかについて吉井議員の国会質問とそれに対する政府側の答弁を朝日新聞2011年3月26日朝刊から抜粋引用する。 『吉井氏が2006年10月に衆院内閣委員会で、非常用電源が失われた場合にどういう事態が起きるのかと質問している。
それに対して、当時の鈴木篤之・原子力安全委員長(現・原子力安全委員長)は「日本の(原発の)場合は同じ敷地に複数のプラントがあることが多いので、他のプラントと融通するなど、非常に多角的な対応を事業者に求めている。」と説明した。 また、吉井氏が10年5月の経済産業委員会でこの問題を取り上げた際、原子力・安全保安院の寺坂信昭院長は、理論上は炉心溶融もあり得るとしつつ、「そういうことはあり得ないだろうというぐらいまでの安全設計をしている」と述べ、可能性を否定していた。 これに対して、吉井氏は「炉心溶融の可能性を認めていたのに対応をしなかった責任は重い」と指摘した。 一方、現在の原子力安全委員長の斑目春樹氏は、東大教授だった当時の07年2月、中部電力の浜岡原発をめぐる中電側承認として出廷。原発内の非常用電源がすべてダウンしないのかと問われ、「割り切りだ」と話していた。 この際、「非常用2個の破断も考えましょう、こうしましょうと言っていると、設計ができなくなっちゃうんですよ」、「ちょっと可能性がある、そういうものを全部組み合わせていったら、物なんて絶対造れません」などと証言していた。
斑目氏はさらに、「ただ、あれも起こって、これも起こって、だから地震だったら大変なことのなるんだという、抽象的なことを言われた場合には、お答えしようがありません」とも。 22日、参院予算委員会で社民党の福島党首からこの裁判での証言について問われ、斑目氏は「割り切り方が正しくなかった」と答弁している。 斑目氏は23日、事故以来最初に開いた記者会見では原発の状況について「非常に懸念している」、「想像よりも、どんどん先にいっちゃっている」と認めた。』 今回の福島原発の非常事態は、1979年3月のスリーマイル島原発事故を上回り、1986年4月のチェルノブイリ原発事故に次ぐ深刻な状態だという。
東電管内では消費電力抑制のために計画停電が行われており、電車の運休や間引き運行など日常生活にも支障や不便を強いられる状況が出てきているが、東北地方の悲劇と惨状を考えるとき、関東地方の住民もこれくらいは我慢し協力しなければならない。 今回の事故は自然災害に起因するものとはいえ、殊、原発に関しては「想定外」、「想定を超える」はあってはならないということを原子力事業者や原子力行政者は肝に銘ずべきである。 |
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