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著者が二回にわたって韓国のパチンコ事情を取材しリポート。
何と驚くことに、韓国ではパチンコが全面的に禁止されていた。だが、この事実を日本のメディアは一言も報道しない。著者は、丹念な取材でこの韓国のパチンコ禁止を調べ上げた。そして、日本で放置されている「パチンコ依存症」の実態も徹底追及する。
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http://www.hanmoto.com/bd/ISBN978-4-916117-78-6.html
今の日本で国会議員、警察官僚、マスコミを自陣営に引き込めば怖いものは無い。その怖いものが無い状況になっているのが、パチンコ業界である。
国会議員は、「パチンコチェーンストア協会」のアドバイザーとして名を連ねている。自民党六〇名、公明党六名、民主党二〇名。二〇〇八年二月現在、アドバイザーには元総理から、現役の閣僚の名前もある。
日本の国会議員はパチプロか、と言いたい。何故ならば、パチプロ並みか、それ以上の知識が無ければ、業界のアドバイザーなど務まらないと思うからである。
拉致問題に熱心な議員も、「自民党遊戯業振興議員連盟」に名を連ねている。北朝鮮の金正日は、「日本にパチンコがある限り、我が国は安泰だ」と発言したことがあった。拉致問題に熱心だと言われる議員が、北朝鮮に多額の送金をしているパチンコ業界を応援しているのはどういうことなのか、きわめて疑問である。
小泉さんも、安倍さんも、拉致問題に熱心な議員も、拉致問題を自分の売名行為として、政治的に利用しただけではないのか? 利用価値がなくなれば、後は知らんふり。最近では利用価値がなくなったからなのか、拉致問題には、ほとんど見向きもしなくなっている。北朝鮮に経済制裁をしたいならば、日本も韓国と同様にパチンコを禁止すれば一番効果がある話なのである。それが与野党ともに、パチンコ業界のアドバイザーとして、業界の「用心棒」を務めている。
筆者がパチンコ禁止を叫んでも、ドン・キホーテーなのは分かっている。国会議員と警察とマスコミまで味方に付けている業界だから……。日本のマスコミは、はっきり言わせてもらうならば、「パチンコ業界依存症」に陥っている。一部週刊誌を除いては、三大紙と言われる大新聞も、パチンコ台の一面広告を掲載し、夕刊紙は言うに及ばず、テレビ局に至っては、「パチンコ業界依存症」が重症で、朝から晩までパチンコ台のCMを垂れ流している。本来は、批判され、取り締まりする怖い存在の相手を、味方に引き込んだら怖いものはなくなる。
筆者は二〇〇七年六月、韓国を訪問し、韓国がパチンコを禁止したのをこの目で確認して、筆者のホームページ「若宮健リポート」で報告した。驚くほどの反響があった。韓国のパチンコ禁止を現地で取材し、日本の酷い現状を見るにつけ、この国はどうなってしまったのか、と虚しくなるばかりである。
最近、ますますパチンコ絡みの犯罪が多発している。サラ金業界にサラ金規制が入り、業界では貸し出しを以前よりも厳しくしている。「パチンコ依存症」の人たちは、以前のように簡単に借り入れが出来ずに、犯罪に走るケースが増えているから、ますます、「パチンコ依存症」による事件が多発する。しかし、基本的にはサラ金規制は、悪いことではないのは間違いない。
この国の問題の多くは、犯罪の多発にしても、自殺者の増加にしても、韓国のようにパチンコを禁止すれば済むことが少なくない。新車の販売は、三〇年前の水準まで落ち込んでいる。新車の販売低迷も、パチンコ禁止で回復が期待できる。それなのに、政治家も、警察官僚も、マスコミも、経団連までもが、パチンコの被害に対して無視し続け、何故かパチンコの問題には触れたがらない。
パチンコの問題に、この国の政治、行政、マスメディアのデタラメぶりが凝縮されている。政治家は綺麗ごとを言いながら、パチンコ業界のアドバイザーを務め、警察官僚は業界に堂々と天下りしている。パチンコの被害者のことなど、眼中に無い。筆者は、パチンコの被害者が放置され、国が壊れていくのを見て見ぬふりを続けている人間が、国会議員にも、官僚にも、メディアにも多く存在することが悲しいだけである。
二〇〇八年三月現在、パチンコ禁止を叫ぶ国会議員は、与野党とも一人もいない。韓国では国会で決議し、法律でパチンコを禁止しているのに……。この国は、なんとも酷い国になったものである。緩んだゴムヒモのような状態で、国家として存続できるのか、きわめて疑問を感ずる。
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