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8月9日の日経朝刊で、中部の地銀6行が純利益増の決算になったと報道された。一見すると銀行は儲かっているように見える。しかし、本業の住宅ローンや中小企業向けの融資残高は伸びていない。
ではなぜ? ここに落とし穴がある。 それは金融円滑化法である。
ご存じのように、2,012年3月までは金融円滑化法によって、返済猶予など借り手からの条件変更要請に応じる努力義務がある。その場合、経営改善計画書が提出されれば不良債権とはみなさないという制度である。これを利用すれば、本来は赤字続きで経営に問題がある先でも、正常債権にできる。したがって貸倒引当金の積み増しをしなくてもいい。結果、利益の増加につながるという筋書きである。
問題は、2,012年3月以後における金融機関の対応が気になるところである。おそらく、不良債権をなくすために債権回収が厳しくなると予想される。
かっては住専問題で、税金を投入したことがある。不良債権問題が表面化すると再び住専問題のようになるかもしれない。なぜならば、経営改善計画は再建の見込みがなくてもそれらしく書ける。私も経営改善計画の作成を支援することがあるが、実現可能性を根拠として社長にアドバイスしながら厳しく支援している。ところが、とりあえず書いてしまえばいいという感覚で金融円滑化法の適用を受けている先が多いと聞く。中には、明らかに企業の延命策を狙った計画書もあるという。
原発問題もそうだが、ふたをして見ないようにする。どうしてもふたからあふれ出たら・・手遅れだったとなる。今、中小企業はどういう対応をしておかなければならないのか。来年の金融円滑化法の終了を想定した準備が必要である。少なくとも、私の顧客に対しては本音で話している。
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