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日本国憲法―現実を変える手段として

社説
2008年05月03日(土曜日)付


http://www.asahi.com/paper/editorial.html#syasetu1

 たった1年での、この変わりようはどうだろう。61回目の誕生日を迎えた日本国憲法をめぐる景色である。


 昨年の憲法記念日のころを思い出してみる。安倍首相は、夏の参院選に向けて憲法改正を争点に掲げ、そのための手続き法である国民投票法を成立させた。集団的自衛権の政府解釈を見直す方向で、諮問機関も発足させた。



  ≪野党の不正にはふれない政治と金。自治労の犯罪にはふれない年金の問題の偏向報道で政権たおし


  たものね。≫



 ところがいま、そうした前のめりとでも言うべき改憲気分は、すっかり鳴りを潜めている。福田首相は安倍時代の改憲路線とは一線を画し、集団的自衛権の見直しも棚上げにした。

 世論も冷えている。改憲の旗振り役をつとめてきた読売新聞の調査では今年、93年以降の構図が逆転し、改憲反対が賛成を上回った。朝日新聞の調査でも、9条については改正賛成が23%に対して、反対は3倍近い66%だ。

 90年代から政治やメディアが主導する形で改憲論が盛り上がった。だが、そもそも政治が取り組むべき課題を世論調査で聞くと、景気や年金など暮らしに直結する問題が上位に並び、改憲の優先順位は高くはなかった。イラクでの米国の失敗なども背景に、政治の熱が冷めれば、自然と関心も下がるということなのだろう。


   ≪小沢クンが突然、もうやらないといいだしただけ≫


 むろん、政界再編などを通じて、9条改憲が再浮上する可能性は否定できない。ただ、今の世の中の流れをみる限りでは、一本調子の改憲論、とりわけ自衛隊を軍にすべきだといった主張が訴求力を失うのはあたり前なのかもしれない。


    ≪警察力もない、中国が好き勝手に領海侵犯しても、ガス田に軍隊だすと恫喝しても

    何もできない、朝日の目論見どおり


    タンカーが、捕鯨船が攻撃うけても反撃も撃沈もできない、法の不備≫


■豊かさの中の新貧困

 9条をめぐってかまびすしい議論が交わされる陰で、実は憲法をめぐってもっと深刻な事態が進行していたことは見過ごされがちだった。

 すさまじい勢いで進む経済のグローバル化や、インターネット、携帯電話の広がりは、日本の社会を大きく変容させた。従来の憲法論議が想像もしなかった新しい現実が、挑戦状を突きつけているのだ。

 たとえば「ワーキングプア(働く貧困層)」という言葉に象徴される、新しい貧困の問題。


   ≪世界のなかで、日本だけの特殊な正社員の制度、この特権利権のうえに労組、民主党≫


 国境を超えた競争の激化で、企業は人件費の削減に走る。パートや派遣の非正規労働者が飛躍的に増え、いまや働く人の3分の1を占める。仕事があったりなかったりの不安定さと低賃金で、生活保護の対象になるような水準の収入しかない人たちが出てきた。

 本人に問題があるケースもあろう。だが、人と人とのつながりが希薄になった現代社会では、個人は砂粒のようにバラバラになり、ふとしたはずみで貧困にすべり落ちると、はい上がるすべがない。

 戦後の日本人は、豊かな社会をめざして懸命に働いてきた。ようやくその目標を達したかに思えたところで、実は袋の底に新しい穴が開いていた。そんな状況ではあるまいか。

 東京でこの春、「反貧困フェスタ」という催しがあり、そこで貧困の実態を伝えるミュージカルが上演された。

 狭苦しいインターネットカフェの場面から物語は始まる。カフェを寝場所にする若者たちが、かたかたとキーボードをたたきながらネットを通じて不安や体験を語り合う。

 長時間労働で倒れた人、勤め先の倒産で給料未払いのまま職がなくなってしまった若者、日雇い派遣の暮らしから抜け出せない青年……。



 最後に出演者たちが朗唱する。「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有す


る」。生存権をうたった憲法25条の条文だ。



   ≪勤労義務の前に、権利よこせの国民の堕落をさそう。

   共産党のような大企業の搾取などの議論に矮小化。

   世界の法人税も高すぎる日本。世界標準にしないと、買収される。

   日本だけで鎖国の政策とれない。

   財源なき最低賃金あげる議論は中小企業、倒産せるだけ。

   20から30%の消費税のなかで、医療年金社会保障の議論をしなといけない。

   データの改竄で錯覚させる民主の主張は詐欺だ。

   無駄省くことで何回もつかう、

   埋蔵金は使い切ると、もう、ない。

   単年度で使えるもの、多くない。

   消費税上げないという、まやかしでは、民主のばらまき政策実現できない。≫




 憲法と現実との間にできてしまった深い溝を、彼らは体で感じているように見えた。


■「自由」は実現したか

 民主主義の社会では、だれもが自分の思うことを言えなければならない。憲法はその自由を保障している。軍国主義の過去を持つ国として、ここはゆるがせにできないと、だれもが思っていることだろう。だが、この袋にも実は穴が開いているのではないか。そう感じさせる事件が続く。



   ≪慰安婦問題のように、捏造,女子挺身隊を間違えて騒ぎ出した。戦前に従軍慰安婦などの言葉も

   なかったのに。ウソを突き通す、自由はではない≫


 名門ホテルが右翼団体からの妨害を恐れ、教職員組合への会場貸し出しをキャンセルした。それを違法とする裁判所の命令にも従わない。


   ≪罰金払う姿勢あるよ≫


 中国人監督によるドキュメンタリー映画「靖国」は、政府が関与する団体が助成金を出したのを疑問視する国会議員の動きなどもあって、上映を取りやめる映画館が相次いだ。


   ≪助成金の使われ方、無駄かどうかの議論はしていい。

   選んだ人間が偏っている天下り団体の問題。≫

   
 インターネット社会が持つ匿名性は「両刃の剣」だ。多数の人々に個人が自由に発信できる世界を広げる一方で、無責任な書き込みによる中傷やいじめ、プライバシーの暴露が、逆に個人の自由と人権を抑圧する。

 こうした新しい現実の中で、私たちは自由と権利を守る知恵や手段をまだ見いだしていない。

 憲法で「全体の奉仕者」と位置づけられている公務員が、その通りに仕事をしているか。社会保険庁や防衛省で起きたことは何なのか。憲法の精神への裏切りではないのか。


   ≪自治労・官公労の職員の横暴、公務員の特権を剥奪しないと。犯罪犯しても禁固確定まで懲戒免

    職できなかった。

   やっと、少し、動き出した。

   氏名公表し、公僕の原点にもどれ。

   革命目指す労組は、排除を

   また、不正にたいして、過去30年にさかのぼり、関係者を裁く法が必要。

   返還か禁固の選択肢をできるように。≫


   
 憲法は国民の権利を定めた基本法だ。その重みをいま一度かみしめたい。人々の暮らしをどう守るのか。みなが縮こまらない社会にするにはどうしたらいいか。現実と憲法の溝の深さにたじろいではいけない。


   ≪憲法が守ってくれるという発想はおかしい。≫


 憲法は現実を改革し、すみよい社会をつくる手段なのだ。その視点があってこそ、本物の憲法論議が生まれる。


   ≪費用対効果。財源も発生するのだ。

   自分だけよかったらいい、日本だけの主張はもう限界だ。

   朝日的倒錯したご都合主義は終焉のとき。≫

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