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【新民主党解剖】第9部癒えぬ傷跡(中)《前》菅−小沢会談 わずか10分 儀礼の“手打ち” (1/2ページ)

2010.9.16 00:17
このニュースのトピックス:民主党

一夜明けて

 民主党前幹事長小沢一郎を破った代表選から一夜明けた15日午前。首相の菅直人は首相公邸前で、朝の所感を求める記者の慌てた口調に苦笑した。
 「緊張しているのかな?」
 とはいえ、政権の死命を左右する党役員・閣僚人事を控え、緊張を覚えていたのは菅も同じだったはずだ。菅はこの日、めまぐるしく動いた。
 
 前首相の鳩山由紀夫と25分、参院議長の西岡武夫と38分、参院議員会長の輿石東と22分、副代表の石井一と25分…。菅は党代表経験者や重鎮らと次々に会い、今後の政権運営や人事について意見を求めた。
 
 
 ただ、小沢との会談は10分足らずでおしまい。儀礼的に会っただけなのは明らかだった。
 
 
 元衆院副議長の渡部恒三は菅と会談後、「人事の話はなかった」と記者団をはぐらかしつつこう語った。
 「小沢君が『一兵卒としてやる』と言っているときに役職を与えて懐柔するなんていうやつがいたら、小沢君に対して大変失礼だ!」
 
 渡部は小沢と当選同期で一緒に自民党を飛び出した間柄だが、関係は冷え切っている。渡部の発言は「小沢に一切ポストを与えるな」という牽制(けんせい)だった。
 

次の視線は…

 「おー、頑張ったなあ」「惜しかったなあ」「ここは何で負けたんだ?」
 
 代表選が終わった14日夕、小沢は
 
衆院議員会館の自室で党員・サポーター票の各選挙区ごとの集計表を見ながら独りごちた。
 
 
 何よりも選挙を重視してきた小沢は、敗北に終わった代表選の検証も決して欠かさない。集計票からは、小沢を支持した鳩山(北海道9区)や前官房長官平野博文(大阪11区)、小沢の元秘書で衆院議員樋高剛(神奈川18区)でポイント獲得を逃していたことが分かる。
 
 「小沢先生はそういうのをよく見ている」
 
 側近議員の一人は語る。小沢はこの教訓を生かす「次」を狙っているのか。
 
 
 14日夜、東京・赤坂の居酒屋で開かれた小沢を囲む集会でのことだ。
 
小沢が先に引き揚げた後に到着した鳩山は周囲にのんきにこう話しかけた。
 
 「小沢先生は今回代表選に出馬してよかった。出ていなければ(政治生命が)終わっていただろう…」
 
 
≪このるールーピーがついたせいで、サポーター嫌気がしただろうに≫
 
 だが、現職の首相と政界の実力者が死闘を演じた代表選は、そんなさわやかなものではない。双方が負った傷は深く、すでに膿をはらんでいる。(敬称略)

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