民進党の岡田克也代表は30日午後、党本部で記者会見し、任期満了に伴い9月に予定される党代表選について「出ないと決断した」と述べ、不出馬の意向を明らかにした。詳細は以下の通り。
◇
私から2点、申し上げたい。第1点は、いよいよ今日で都知事選、選挙運動期間が終了する。まず鳥越さんに非常に頑張っていただいていること、7月10日の参院選の結果を見て決断していただいて、出ていただいたことを心から感謝している。現時点で追いかけている状況かもしれないが、何とかして追い着き、追い越す。都知事として当選するように党としても全力を挙げていきたい。何が何でも、今までの流れを断ち切って新しい都政を始めるために鳥越さんに最後、踏ん張っていただきたいと思っている。
もう1点は、私の代表選についての問題だ。都知事選をやっている最中に、私が一定の方向性を出して、いろんな人がまた手を挙げて党内がゴタゴタした印象を与えるのは好ましくないと申し上げてきたが、事実上、選挙運動期間も終わる中で、私の考え方を明らかにしておいた方がいいと考えた。
結論から申し上げると、次の代表選には出ないという決断をした。7月10日の参院選が終わってから「白紙だ」と申し上げてきた。まさしくリセットして、それまで何とか党を立て直す。そのために参院選で結果を出すということで1年半やってきたが、これからどうすることが日本の政治にとって、あるいは民進党にとって好ましいかということを考えてきた。
1つは、私自身の達成感というのがある。(旧民主党元代表の)海江田(万里)さんが(平成26年衆院選で)落選されて、代表がいなくなった。その後、私が代表に就任したわけだが、この1年半の間に例えば維新の党との合併、あるいは野党共闘路線の方向付けができたと思っている。
衆院の候補者についても、おおむね200人程度をそろえることができ、戦える態勢はできた。その中で迎えた今回の参院選だが、過半数を相手方に許したわけだから、負けは負けだが、3年前と比べると17議席から32議席ということで、一定の成果を出すことができたと思っている。どん底の状態から反転攻勢ができる一歩を踏み出すことができたと思っている。そういう意味では、一区切りつけられる状態まで来た。
相当な責任感でかなり集中してこの1年半やってきたが、ここで一区切りをつけて新しい人に担っていただいた方が党にとっても、日本の政治、政権交代可能な政治をつくるという意味でも望ましいのではないかと判断した。もちろん私の任期はまだ2カ月近くあるから、その間しっかり責任を果たしていくが、後は一歩後ろに引いて、新しい人々に党を担っていただきたいと思っている。
私自身は代表として1年半やってくる中で、どうしても代表であるがゆえに深く取り組めない問題もあった。私の認識では世界は大きく変わろうとしている。米国の大統領選挙を見ても、EU(欧州連合)の状況を見ても、あるいはアジアにおいても中国の最近の振る舞いなど非常に大きな変化があるのではないか。そういう問題に代表だからこそできることもあるが、しかし代表であるために深く極められない件もある。もう少しフリーの立場であれば、しっかり取り組めるのではないかと思っている。
国内も(安倍晋三首相の経済政策)「アベノミクス」は、私は限界に立ち至っていると思うが、その後、日本をどうしていくのか、特に財政の健全化、あるいはこれからの本格的な少子高齢化の中で社会保障制度の改革など少し自由な立場で極めたいという思いをずっと持っていた。そういったことをこれから真剣に取り組んでいく、そういう時間を作ることもできると思っている。いろいろ総合的に考える中で、次の代表選には出ない方がいいという判断をさせていただいた。
《岡田氏の説明が終わり、記者団との質疑応答に移った》
−−明日、投票日を迎えるタイミングで代表選に出馬しないと表明した理由は
「基本的に関係ない問題だと思っている、都知事選と私の代表選への不出馬は。国会も月曜から始まるので、あまり長く引っ張るのは適切ではないと判断した」
−−不出馬の意向を1週間ほど前に固めたということだが、何かきっかけがあったのか
「特にきっかけはない。ずっと7月10日から頭の中を空っぽにして、久々に参院選も終わって、少し解放された気分の中で頭をリセットして、これからの日本の政治や、自分としてどういうふうに身を処すべきかということを考えたとき、合理的な判断として、私が出ないほうがいいだろうと。ここは新しい人にやってもらったほうがいいだろうと考えた」
−−このタイミングでの不出馬表明について、これまで都知事選の間はゴタゴタしないほうがいいとおっしゃっていた。このタイミングで発表したことで、無責任だという声が出かねないのでは
「無責任だというご意見はちょっとよく分からない。私は引き続き代表として、この都知事選、最後まで戦っていく。その話と、私自身の今後の代表選の問題とは全く無関係、切り離された問題だ。国会が月曜から始まることを考えても、今のタイミングがいいだろうと。昨日ということも考えたが昨日か、今日かということの中で、今日を選ばせていただいた」
−−そもそも鳥越さんに出馬を依頼されたのは代表だと思うが、まだ投票日も終わっていないのに、出ないと表明した。明日の有権者の投票行動への影響も考えたのか
「いろんなことは考えた。鳥越さんの話は、鳥越さんが決意されて、私はその決意を聞いて、ぜひお願いしますと申し上げたというのが正確なところだ。いずれにしても、私は鳥越さんを当選させることについて、大きな責任を負っていると考えている。そのことと、2カ月近く先の代表選には出ないということは関係のない話だ」
《岡田氏は、都知事選と代表選不出馬の判断が関係ないと強調した》
−−党内では参院選の結果に対する責任として、代表選に出るべきではないという声があるが、参院選の結果を踏まえて出ないという要素はあるのか
「代表の責任論って直接、私は聞いたことない。いろんなことをブログで述べられている方はいらっしゃるかもしれないが、私はもちろん、6年前と比べて議席を減らしていることは事実だ。ただ3年前の17議席から32(議席)、公認だけで(増やした)。というのは、今までの最悪の状況から一歩踏み出すことができたと、私は考えている」
−−野田佳彦前首相に会われたと思うが、野田さんのグループから応援をもらえない感触があったのか
「全く(そういうことでは)ない。野田さんのグループということじゃなくて、私と野田さんのつながりは、非常に太い信頼関係で結ばれている。野田さんには事前にご理解をいただこうということで、じっくり話をさせていただいた、私の考えを。私の考えは、方向性は決まっていたので、ご理解をいただくために話をさせていただいた」
−−共産党との共闘関係について。新代表には今後も共闘関係を続けてもらいたいか、関係をいったん見直してもらうほうがいいか
「私があんまり言わないほうがいいと思う。ただ先ほど言ったように、野党共闘の問題も、方向性は出せたと思っている。そのことも私自身が、一つの達成感があると言ったことの一つだから、もちろん私は肯定的に考えている」
《岡田氏は次期代表に対し、「民共路線」継承への期待感をにじませた》