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探していた安吾の文章をやっと見つけた。
矢田津世子への愛の言葉。これに驚き安吾を読みなおしたのだった。一部引用。 「・・・今から十年前、私が三十一のとき、ともかく私たちは、たった一度、接吻ということをした。あなたは死んだ人と同様であった。・・・毎日毎日、会わない時間、別れたあとが、悶えて死にそうな苦しさだったのに、私はあなたと接吻したのは、あなたと恋をしてから五年目だったのだ。その晩、私はあなたに絶縁の手紙を書いた。私はあなたの肉体を考えるのが怖ろしい、あなたに肉体がなければよいと思われて仕方がない、私の肉体も忘れてほしい。そして、もう、私はあなたに二度と会いたくない。誰とでも結婚して下さい。私はあなたに疲れた。私は私の中で別のあなたを育てるから。返事もくださるな、さよなら、そのさよならは、ほんとにアデューという意味だった。そして私はそれからあなたに会ったことがない。それからの数年、私は思惟の中で、あなたの肉体はほかのどの女よりも、きたなく汚され、私はあなたの肉体を世界一冒涜し、憎み・・・私はあなたが死んだとき、私はやるせなかったが、爽やかだった。・・・」 |
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これもの凄いです。
2007/2/24(土) 午後 5:48
これを読んで衝撃を受けました。なんという恋だろうと。以後、安吾をまた読み出したのです。
2007/2/24(土) 午後 6:20 [ 遠い蒼空 ]
安吾はのちに夫人になる三千代さんには「父性的な愛情」を注いでいますが(生活上の問題はあったにせよ)、それは矢田女史との失敗を下敷きにしているのでしょうね。『吹雪物語』での失敗とも成功ともつかない微妙な「我と汝の世界」も、連想したりします。
2007/10/12(金) 午後 5:39 [ 吉田ツグオミa.k.a.伊丹甚左 ]
「くらくら日記」に描かれる安吾は面白いですね。
「吹雪物語」を私は読み通していないのです。なぜだか読みにくい。作者と作品世界との距離について考えてしまいます。
2007/10/12(金) 午後 6:30 [ 遠い蒼空 ]
最後の1行、すごい!
2008/1/1(火) 午後 5:43 [ voyager07200 ]
やはり安吾だよね〜。こういうのを真の無頼派と言うのかも知れない。
2008/1/1(火) 午後 6:20 [ すいす ]
恋する女性が自分一人のものになること、そのためにその人の死を願う気持ちは私にもありますね。
2008/1/1(火) 午後 7:21 [ 遠い蒼空 ]
masayukiさん、私は安吾は健康な常識人のように思います。健康過ぎるくらいの。才能は凄いです。
現実の行動は書くものと違うかもしれません。
2008/1/1(火) 午後 7:25 [ 遠い蒼空 ]