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梅崎はエロ場面を書かない。この作品でも僅か一行。 「「おれは今、何かにすがりたいんだ」 五郎は女にささやいた。・・・ 「つながりを確かめたいんだ。・・・」 「ああ」 女は胸を反らしながら、かすかにうめいた。・・・ 「いいだろ」 相手をもどろどろしたものの中に引きずり入れたい。今はその嗜欲だけしか五郎にはなかった。 時間が泡立ち、揺れながら過ぎた。やがて静かな流れに戻った。五郎は立ち上り、ミツギのざらざらし た幹に、しばらく背をもたせ、暗い海を見ていた。」 何があったのか、読みおとすこともありそうだ。
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梅崎春生
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