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前にも引用したが、再び。有名な冒頭の数行。以下引用。
国境の長いトンネルを抜けると雪国であつた。夜の底が白くなつた。信号所に汽車が止まつた。
向側の座席から娘が立つて来て、島村の前のガラス窓を落した。雪の冷気が流れこんだ。娘は窓いつぱいに乗り出して、遠くへ叫ぶやうに、
「駅長さあん、駅長さあん。」
明りをさげてゆつくり雪を踏んで来た男は、襟巻で鼻の上まで包み、耳に帽子の毛皮を垂れてゐた。
もうそんな寒さかと島村は外を眺めると、鉄道の官舎らしいバラツクが山裾に寒々と散らばつてゐるだけで、雪の色はそこまで行かぬうちに闇に呑まれてゐた。 引用終わり。
「夜の底が白くなつた。」という文章が効いている。
娘が叫ぶのも物語が一気に始まる感じにさせられる。
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学力はないのですが、最初の2つの文を英訳したら?と様々考えたことがあります。すると、主語は、動詞は、時制は?と、分かりやすいかもしれませんが、名文?でなくなるというのが、感想でした。
2009/12/10(木) 午後 7:59 [ hiroaki_noji ]
非常に日本的な文章だということですね。
2009/12/10(木) 午後 8:06 [ 遠い蒼空 ]
夜の底が白くなったって、すごいですね、確かに。映像が浮かぶ。読んだことあるけど、忘れてました。
2009/12/10(木) 午後 8:13 [ おんくん ]
新感覚派と称されたのも分かりますね。こんな文章はそれまでになかった。
2009/12/10(木) 午後 8:41 [ 遠い蒼空 ]