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学生の頃から30代くらいまで、よく読んだイギリスの作家。
なぜ読み始めたか。
当時、白水社から新しい世界の文学シリーズが出始め、それで、「コレクター」が訳されて読み、好きになった。
「コレクター」はその後、映画化され、なかなかいい出来だった。これで、ファウルズを知った人が多いのじゃないかな。
テレンス・スタンプという俳優が主人公を演じて好演。
小説では、監禁されるヒロインの手記に重点が置かれていて、そこが素晴らしい。「コレクター」は何度か読んだ。
他の作品では「魔術師」が面白く、わくわくしながら読んだ記憶がある。
「フランス軍将校の女」もいい。これも映画になっている。
もっと書くことがあるが、面倒になったので、終わり。
ファウルズは去年、死去。
勘違いしていたので加筆。
「コレクター」は1963年の作品。1965年に映画化された。
翻訳は1966年。私は先に翻訳を読み、その後、映画を観たので間違えた。
小笠原豊樹の訳はなかなかいい。監禁された女性の手記のほんの一部。
「音楽が流れた。
ゴールドベルク変奏曲。
一つの変奏は終りのほうでひどくゆっくりになり、ひどく簡潔に、ひどく悲しくなる。でもたいそう美しい。ことばでも絵でも現わせぬ、ただ音楽だけの美しさ。その美しい音楽が月光のなかを流れた。月の光と音楽のまじりあい。銀色の、遠い、貴い音楽。
(略)すべてが終らねばならぬという感じ。音楽も、私たちも、月も、すべてが。物事の核心に触れるならば、そこにはいつも悲しみがあるという感じ。キリストの顔のように美しい、銀色の悲しみ。」
さらに追加。
翻訳でざっと読んでみた。
すごい力業!圧倒される作品だ。
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