遠い蒼空

末期ガン患者入院記録

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同じ号の「現代セックス用語小事典」から2項目。

「アブノーマル
ノーマルでないこと、つまり変態をさす。ワイセツ常習者やサド、マゾ愛好者など。女学生用語では、それを「変態」のローマ字読みの頭文字からとって「H」という。」

「小股
俗に「小股の切れあがった」という言葉は「大言海」によれば「背のスラリと高きをいう」とあるが、これは誤りのようだ。むしろ肉のキリリとしまった小柄の均整のとれた女をいう。(略)「小股」というのはデルタの下部の頂点あたりのこと。結局は男ずきのするイキな女性の呼称だ。」
これは種々解釈がありそうだ。

外山滋比古

漱石の「文学論」が明治日本の学者的知性の産物であるならば、外山滋比古の初期の書物は日本人が人真似でない学問的知性を持っていることを示した大きな業績だと言えよう。
「修辞的残像」「近代読者論」「異本論」などは時代に先駆けて読者の側からのテクストの読み方を明らかにした。
外国の真似をして、教祖扱いされている批評家が多い。ネタを知っているとアホらしくなる。
ところが、そういう偽物がちやほやされる。
いずれ消えるのだろうが、マスコミに上手くのっていくから始末がおえない。
外山滋比古は本物である。

ラブレター(1)

イメージ 1

本などの整理をしているといろんなものが出てきたりする。
古いラブレターの下書き!破棄したと思っていたのが仕舞ってあったのだ。未練がましいなぁ。
30年近く前のじゃないか。読んでみて、別の理由で破棄しなかったことが分かったが。
今はラブレターなど書かないだろう。電話?メール?直接に?
その頃ももうラブレターなど時代遅れだったような気がする。
一部分をここに曝して破棄しよう。相手の写真も一枚あった。これもここに曝して破棄しよう。もう時効だからいいだろう。
以下、ラブレター。らしくないのは私が照れ屋だからなんです。

「あなたはコローの月明かりの森の絵を憶えていますか。鬱蒼と茂った森のなかの小径を、夜更けて一人の男が月明かりを頼りに歩いてゆく暗い色調の絵です。こんな夜更けにどこへ帰るのでしょう。男は暗い足元を照らすものを持たず、淡い月明かりのほかには道を辿るために頼るものは何一つないのです。もし月が出ていなかったなら、男は真っ暗な森のなかで道に迷い、あるいは野垂れ死にしてしまうかもしれません。
私は今、コロー展で買ってきたパネルを見詰めながらこの手紙を書いています。私がこの絵に惹かれるのは、月明かりの下のこの孤独な男のなかに自分自身を感じているからでしょう。おそらく初めて恋をしたころから私の恋心の原型はこういう形だったのだと思います。その頃、私が相手に求めていたものは、結婚だとかいった現実的なことではなかったようです。私にとって恋人とは暗い夜道を歩いてゆくための、
辛い現実を耐えてゆくためのただ一つの心の支えであり、未来への光明であり、切ない憧憬の対象としての存在だったのです。それはむしろ恋の成就を妨げるものだったかもしれません。月は遠くにあって頼りない足元を照らしてくれることに意味があり、近づくことはできないものだからです。それから十数年もたったのに、あなたと会うようになってから、そういう気持が私の心のなかに残っていたことがはっきり分かりました。

こういう気持はあなたには分からないかもしれません。あなたにとっては多分、この現実の世界はコローの森のなかの小径ほど暗くはないのでしょうから。あなたは月明かりが必要のない明るい昼の世界に生きているのでしょう。私にとっては愛する対象がなければこの世界は真っ暗な森のなかのようなものです。そしてその暗さに耐えることができるほど私は強くないのです。(略)
私にとってあなたは**という名前が必要ないような掛け替えのない存在なのです。(略)
私は何度も思ったものでした。人を恋するならば、そしてその恋を貫きたいならば、つまらない自尊心を捨てて心底からメロメロにならなければと。そうなりきれなかったことを後悔してはいますが、結婚のことについては、とうに決心がついていました。御面倒ですが、「朱鷺の墓」第二巻(風花の章)を開けて、18頁の3行目をお読み下さい。それが今の私の気持です。あなたに対しては感謝の気持があるだけです。(以下略)」

「金色夜叉」

低人さんのブログ「あほりずむ」で、きのう「金色夜叉」の記事があった。低人さんの記事はみな傑作ばかりだ。いつ読んでも面白いのでもっともっと読まれるといいいな。
「金色夜叉」はきのうしか思い出されないようになっている古い作品だと思っている人が多いかもしれないが、明治文学の傑作の一つ、後世に遺されるべき作品である。
テーマの普遍性、語りの見事さ、描写が目に浮かぶ強烈さ、どれをとっても第一級の作品である。
尾崎紅葉は幸田露伴らとともに、明治文学を代表する5人の一人である。
長いからもう読みかえすことはないだろう。一度読めば印象は永く残る。
あらすじで読んでは意味がない。最近、そういう本が出ているが、ちょっとでもいい、途中で読めなくなってもいいい、原文にあたることが大切だ。
できれば、書かれたままの原文。だが、日本語は敗戦後の国語改革で継続性を絶たれてしまった。
新かな新漢字でいいさ、それでも原文だ。ヴァリエイションはどのテクストにもある。

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以前に読んだがよく分からなかった。エリ・ヴィーゼルの小説である。「遠くの夕暮」というような意味か。「夜」「夜明け」「昼」の三部作があったが「夕暮」はなかった。
昔、「夜」を読んで以来、読み続けてきたが、次第に宗教絡みで分からなくなって、もう10年近く読んでいない。「夜」は読み返しているし、新刊が出ると買ってはいたのだが、最近は買うのもやめている。
エリ・ヴィーゼルは最近、余りにイスラエル寄りなので、批判されたりしている。でも当然だろう。イスラム寄りになれというのか。自由な社会を望むのが当たり前の経験をしたのだから。
その経験にも批判があるようだ。いいのじゃないか。小説家なんだから、虚構であっても構わない。作品が優れたものでありさえすれば。
読書はなかなか捗らない。平易なフランス語なのだが、行間を読めない。ぼつぼつと読んでゆくしかないが、読書はその本に合った速度で読まないと上手く読めないことも確かだ。

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