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1983年 349号。
銀座サロンは、ゲスト東海林さだお、ホストはいつもどおり。
タイトル「ショージ君のラーメン道」、一部引用。
吉行 …あなたは機械の回転が遅いだろう…内蔵されてる臓器のこう…(笑い)。
東海林 ええ、反応がすごい鈍いんですよね(笑い)。
吉行 いや、頭の回転が遅いって言ってるんじゃないよ。なんか体の中に大きな歯車が入っててね、それがゆっくり動いているような感じがする。
東海林 なにか質問をされると、その質問を抱えて、一回家に帰って(笑い)そして翌日、よく考えてご返事するという感じになっちゃうんです。
吉行 それも慎重なわけじゃないんだ。
東海林 ええ、咄嗟っていうのがダメなの。
小田島 女優でいうと、大竹しのぶがそうですね。
吉行 そういえば顔つきも似てんじゃないの。
東海林 田舎臭い顔がですか?(笑い)
吉行 ひがむとこあるんだなあ。
円地 漫画はお小さいときからですか。
東海林 中学生ぐらいのときから。
小田島 そのころは、誰でした?
東海林 やっぱり手塚治虫さん。新鮮だったですね。アメリカってのが入ってきた時代と同時なんです。
小田島 手塚さんの日本文化に与えた影響というのは、たいへんなものですね。
東海林 やっぱり、どこかに影響受けていますね。
吉行 ぼくたちは「のらくろ」「冒険ダン吉」、この二つだね。
小田島 漫画家は長生きする人が多いんじゃない?やっぱり、頭つかって手を動かしているのがいいのかなあ。
東海林 気が若いってのがありますよね。好奇心が旺盛。
吉行 それは小説家も同じだけどね。
円地 小説家はあまり長生きしませんね。あんまり書いてて楽しいってことないでしょう。
吉行 少なくとも、われわれはね。でも、楽しそうな人いますよ(笑い)。もう一軒ハシゴしようか、というみたいにもう五枚とかいう感じで書いてる人いますよ。文章読めばわかる。
円地 それは長生きすると思うわ(笑い)。
吉行 東海林さんはラーメン道の家元だから(笑い)、ラーメン道を聞きたいんだけど…。
吉行 いや、ぼくは東海林さんの文章を「オール読物」でいつも愛読してんだけど、まったく感心したのは、ラーメンの食べ方っていうのなんです。あれは長く歴史に残る文章だね。
東海林 そうですかあ…(笑い)。
吉行 かいつまんで言いますと、まず、チャーシューを斜め上に移動させて、常にそれを慈悲深い目で眺めながら食べる。なかなか食べないけれど、「君のことは忘れてないんだよ」という目で見なきゃいけない。
東海林 で、ときどきいじってあげる(笑い)。
小田島 女と同じだなあ(笑い)。
吉行 そして、ハイライトは、おつゆをどのくらい残すべきかと。全部カランカランに飲んでしまうのは品が悪い。残し過ぎるのはもったいない。で、丼の底から…、あれは三センチ?
東海林 二センチ。
吉行 そしてしかも、ナルトを食い残す、わざと。
東海林 残りの美学(笑い)。
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