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末期ガン患者入院記録

私立吉行淳之介研究会

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「吉行淳之介を読もう」という意図だけの何の特典も義務もない研究会です。ご参加下さい。
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吉行について(3 ) ケータイ投稿記事

一般的に吉行について言われていること、性をとおして男と女を書いた、モテた、ダンディズム、対談の名手、そういった様々な先入観を一旦取り払ってみよう。
孤児のような少年時代、すばらしい秀才、東京大空襲の被害者、貧しい戦後の生活、編集者としての屈辱的な経験、結核…
吉行は利用しようと思えば、吉行エイスケの伝手を辿ることもできた。それをするのは潔くないと思ったのだろう。
芥川賞を受賞した時、吉行は作家として生きる以外の道はなかった。
多作な作家ではない。どうしても書きたいものを待って書いていたのではプロとして生活できない。
週刊誌にエンターテイメント作品「すれすれ」を始めとして、いわゆる純文学ものと中間小説とを書き分けてゆく。編集者時代に穴埋めのために原稿を書き飛ばした経験が生きたのだろう。
昭和30年代のいくつかの傑作短編、そして「砂の上の植物群」あたりで、中堅作家としての地位を固める。
自伝「私の文学放浪」を発表。
堅実な歩みだ。
私小説家ではない。かなり意識して作品世界を構成している。
長編のいくつかは実験的な要素があることも見逃せない。
見かけの作風に惑わされがちであるが、生真面目な作家なのである。

吉行について(2 ) ケータイ投稿記事

「私の文学放浪」に詳しく書いているが、吉行は詩から出発している。吉行の詩は自身言っているように、特に優れたものではない。
散文を書き始めてしばらくは、散文詩的な作品が多い。まだ自己の資質を見つけられないでいたのだろう。
自ら散文の処女作という「薔薇販売人」も才能は感じさせるとしても、傑作とは言えない。
初期の作品は、大雑把に括れば心理小説ということができる。
短編作家としていくつかの傑作を書いた。その頃の長編はまだ何か垢抜けしないところがある。「街の底で」など、今一つ吹っ切れない感じを残す。
多分、長い作品で、成功したのは「闇の中の祝祭」だろう。発表当時、スキャンダル扱いされたために真価が分からなかった面があるが、かなりの成功作である。
以後の作品は長編短編いずれも安定してくる。
心理から次第に抜け出す道は、吉行が愛読したらしい川端康成、梶井基次郎にある。
吉行は見かけ以上に読書家であり、どれだけ読んでいるのか分からない。吉行の読者範囲が分かれば、もっとはっきりすることが多いだろう。
「暗室」以後、吉行がかなり変貌してゆくのを見ることができる。
「鞄の中身」「菓子祭」「目玉」へ続く路線である。
それに先立つ「不意の出来事」は前期吉行の完成である。
(続くかも)

吉行について ケータイ投稿記事

 咲く薔薇のその日その日や吉行忌

めいべる堂さんの昨日の句である。
短詩形は分からない私だが、薔薇を読み込んだところなどなかなかいいように感じた。
改めて、吉行はなぜ、星だの、薔薇だの、相応しく思われないことばをよく使ったのだろうと疑問に思う。
詩から出発したとは言え、徹底して散文を追求し、極度の省筆により、散文の極致へと向かった。吉行は散文で詩を書こうとしたわけではない。
川端の「掌の小説」が気になってきた。

が出た。
16人との対談を収録。最初のと比べ、艶っぽい対談を意識的に集めた感じ。最初の方がよかったな。
丸谷才一と渡辺淳一の解説対談が載っているが、全く不要な感じがする。

銀座百点(21 ) ケータイ投稿記事

1976年 256号。
銀座サロンのホスト役は、円地文子、戸板康二、車谷弘。吉行淳之介はまだメンバーではなかったのだろうか。
この号の巻頭に「美人と美人画」というタイトルの対談があり、そこに風間完と吉行淳之介が登場している。
冒頭を引用。

風間 この頃、女の絵を描くものだから、女の話を、僕のところへ聞きにくるんですよ。
吉行 聞きにくるっていうのは、どういうこと?
風間 女の話で対談みたいなものをやってほしいとか…。
吉行 しかし、女の話と美人画の話は違うからな。
風間 ま、美人画にひっかけて女の話をしてくれというわけですね。しかしそれだとね、結局どこでしゃべってもおんなじことになっちゃうわけだ。何か変わったこと言おうと思うんだけど、そんなうんちくはないからね。
吉行 それだけ、完さんの美人画というのは目立つんだな。

風間 自分の絵の話をする絵描きがいるでしょう。そういうの、ぼくは好きじゃないんですよ。
吉行 それは小説家だってそうですね。自分の作品解説するのは、ちょっとね。
風間 小説は読んでもらえばいい。絵描きなら絵を描いて見てもらやアいいんで、それが良きゃあひとは納得するんでね、おれの絵こうで、こういうふうに苦労して描くとかなんとか、言わねぇほうがいいんじゃないかと思うんだな。
吉行 それは、僕もそう思う。しかし、完さんは、いろいろなものを描ける人だけど、ある時期から突如、絵の女に色気が出てきたでしょう。あれは、どうしたんだい。

風間 何なんだろうかね。やっぱり、肉体的にも衰えてくるから、絵のほうで…。(笑い)


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