遠い蒼空

末期ガン患者入院記録

思い出の本

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小説を読むようになり、その頃、よく読まれていたものを読んでいった。
これも旺文社の雑誌の付録だったと思うが、読むためのガイドブックのような冊子があり、それを参考にした。50冊くらいの作品の紹介がしてあった。
それを指針に、小説の世界に馴染んでいった。
リルケの「マルテの手記」もそれで知ったのだと思う。
新潮文庫の大山定一の訳を高校一年の後半には既に愛読書としていつも鞄に入れていた。「マルテの手記」はその後、長年の愛読書になった。大山訳は繰り返し読み、ドイツ語を学んでからは原書で読み、仏訳でも読んだ。大山訳以外の訳本も読んだが、訳の正確さより大山訳の独特の雰囲気が好きだった。
文庫本はぼろぼろになりかけているが、まだ持っている。カヴァーをかけて大切にし、今でもそれを読むことはたまにある。

何気なく「思い出の本」を書き出したが、これはけっこう恥ずかしい。自分の本箱を晒すのは覚悟がいるが、それと同じ羞恥心を感じる。

学年誌というものがあった。今でもあるのだろう。
それを毎月?買っていた。旺文社の雑誌だった。高校の初め頃、その付録に小説をリライトした文庫本の安っぽいようなものがついてきた。
ニ冊だけ、気にいったものがあった。
アラン=フルニエの「モーヌの大将」とフリードリッヒ・ケラーの「緑のハインリッヒ」である。
高校に入って、ちょうど恋心を抱いていた時期だったので、「緑のハインリッヒ」の主人公が恋をする心理がよく分かって、これが文学に興味を持つきっかけになった。
文庫本にもなっていたが、高校の図書室でニ巻本の全訳を借りてきて夢中で読んだ。
その本は後に古本で買って、再読した。
ドイツ語でもその部分だけは読んだ。

マンガの他には、講談社の「世界名作全集」をよく読んだ。
子供向きにリライトされたもので面白い作品がずらりと並んでいた。
「ああ無情」「巌窟王」「鉄仮面」「アーサー王物語」「八犬伝」など。
かなりの冊数が出ている。100冊?
買うのは手がまわらず、10数冊買っただけだった。
ジュール・ベルヌの「地底旅行」が好きだったことは前に書いた。
これとは別に、マンガの「世界名作漫画全集」?があって、それもよく読んだ。

手塚治虫のマンガを探して古本屋に日参した。小学校4年くらいからである。
どこにでもあるわけではない。既に手塚治虫は雑誌連載を開始していたが、B6単行本はなかなか見つからない。再版や海賊版でしか読めない作品もあった。
定価は100円くらい。古本屋でも40円くらいはした。
昭和27年頃になると、雑誌連載はいくつか読むようになった。
「漫画少年」の「ジャングル大帝」が楽しみだった。
初期B6はいくつも思い出の本がある。
「メトロポリス」「漫画大学」「平原太平記」「罪と罰」など。
昭和28年頃になると、雑誌の付録がB6に変わって、描き下ろし長編を読むことができた。
「太平洋Xポイント」「レモンキッド」など。
いずれも何度も何度も読み、今でも脳内再生できるほどである。

人から見れば安もののありふれた本でも、私にとっては思い出のある本がある。
そういう本のことを書いてゆく。
読む方には意味もないが、私がどんなものを愛好してきたかの自己確認である。

最初に買ってもらっ本は戦後の粗悪な紙の絵本だった。
自分の意思で買って、夢中になったのは手塚治虫のB6赤本である。最初が何であったかは朦朧としているが、決定的に手塚治虫に夢中になるのは「ロストワールド」からだった。地球編、宇宙編のニ冊。 
表紙はハードカヴァーだが、中身は仙花紙の粗末なもの。
これは感動的だった。マンガに人の死が描かれているのは初めての体験だった。
今、地球編はなぜか表紙だけが残り、宇宙編はぼろぼろながら残っている。

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