遠い蒼空

末期ガン患者入院記録

小説入門「遠い蒼空」教室

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えー、また寝不足に悩まされております。
朝早くから欝陶しい講義で申し訳ありません。
まぁ、何をするにも体調が悪くてはできないものです。
小説を書くにあたっても体調が悪いと文章にも影響が現れる。いつもあちこち悪くては文章も痛々しいものになるでしょう。
そういうわけで、小説を読むにしても、書き写すにしても、まずは体調を整える。そして、体力がどうしても最後にはものを言いますから、十分眠り、十分食べ、十分アレもして、いついかなる時でも力を発揮できる準備をしておく必要があります。
え、それがどうしたって?
いや、小説を書くのも所詮は体力勝負である、ということが言いたいのです。
夭折した作家ってのもありますけれども、やはり生き抜いて書き続けることが大切ですから、からだ大事にして下さい。どうもすいませんでした。

課題図書のところで述べましたが、私の好きなジェラール・ド・ネルヴァルの短編「シルヴィ」は名作として有名なのですが、いかんせん日本ではまだ一般的ではありません。
でも、何とかみなさんに知っていただきたい。その思いが強くなってきました。未定となっている最後の一つに「シルヴィ」を入れる方法はないか。
ネルヴァルの全集はこれまで二回出版されています。「シルヴィ」の収録されている「火の娘たち」も何度か文庫本になっているのです。
そこで、こういう方策を考えています。
大学書林語学文庫の訳は全訳ではなくて、かなり省かれています。それをこのブログに引用することでみなさんに読んでいただく。全部を引用するのは問題ですから、半分くらいを、私の訳文に変えたりしながらシリーズとしてアップしてゆく、それならいいのではないか。そう思い、「シルヴィ」という書庫を作ります。
いずれそこにダイジェストされた「シルヴィ」が読めるようにしたいというわけです。
恋愛小説として、とても好きなので、そういう計画を立てました。

さて、「桜桃」の感想にも表れていましたが、作者というものは一体何でしょう。
作品を書いた人。それにほぼ間違いはないのですが、作者の名前はペンネームである場合もあります。太宰治は本名、津島修治、作家としては太宰治を貫き、作品どおりに生きたように思えますが、実際はどうであったか、それはたくさんの研究がされておりますが、生身の人間として付き合わない限り、そのイメージは作品を通してしか分かりません。
作者の名が伏せられている場合、例えば「O嬢の物語」を書いたポーリーヌ・レアージュという名は誰だか分からなかったのですが、作品を享受するのに差し障りはなかった。
つまり、作者は誰だか分からない場合でも、作品は自立して存在し、読むことに問題はない。
太宰治の場合、心中というような死に方をしたために、そうした作品外の要素が作品を読む時に読む人に影響する。それは太宰治という人の研究には意味がありますが、作品の理解とは直接に関係はない。
作者の死を説いたのはロラン・バルトなどの新批評の研究者たちですが、作品を通して作家を知るのが未だ主流を占めているのが読書界の現状です。

えー、おはようございます。
またまた、ちょっと話を逸らします。
エッセイと、私を語り手にした小説。
一見、似ています。
老獪な作家、井伏鱒ニが、どこかで書いていました。うろ覚えですから間違っているかもしれない。ただ、強く印象に残っているのです。
井伏はエッセイでは本当のことは書かない、私の語りの小説で本当のことを書く、そういうようなことを言っていました。
どこまで信用していいのか分かりません。エッセイに書かれてあることは必ずしも事実そのままではない、虚構も混じっている。そういう意図だったのかもしれません。
確かに、事実そのままを書くことはできない、いかに事実をありのままに書いても、虚構は混じってくる。それは前にも述べましたが、言葉の本質に関わってくることです。
言葉で書かれたものと事実とは違う。言葉は信用できない。

吉行淳之介がこれもどこかで書いていました。井伏が吉行に言ったそうです。
君は正直すぎるからいけない。というような意味だったかと思います。
確かに、吉行は正直な作家です。それを井伏はよくないと言う。
つまり、もっと嘘をつけ、ということになります。作家は正直すぎてはいけない。もっと嘘をつけ、自己を隠せ、ということでしょうか。
そうなると、作家の書くエッセイも疑ってかからないといけない。何か疑うことばかり奨めているようですが、あくまでも作家は小説という形式で、見てきたような嘘をついて面白い話を書くのが商売ですから、それは正しいのかもしれません。

太宰治の「桜桃」に三人の方が読後感を書いて下さいました。
理論的なことを述べるよりも、同じ小説を読んで、感想の違いについて話し合う方がずっと面白いことがお分かりになったと思います。
最初に読む予定にした三作品のうち、太宰の「桜桃」と、次は吉行淳之介の「大きい荷物」を並行して読んではどうかと思います。
吉行の「大きい荷物」は新しい全集の第四巻に入っています。
新潮文庫「目玉」に収録されてもいます。文庫で 20ページ足らずの読みやすいものです。

太宰の「桜桃」の感想文で、mayuさんがエッセイということを書かれていたので、そういうことから思いつきました。


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