遠い蒼空

末期ガン患者入院記録

小説入門「遠い蒼空」教室

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

えー、講師だけがやたら先走っているのですが、これは私がいつ姿を消すか分からないというところからもきているのです。

課題図書に予定しているものを先に10作品挙げておきます。これによって参加するかどうかを決められるのではないかと思うからです。取り上げる順序はまだ未定です。
三つの作品は既に前に書きました。残り七つは以下の小説です。長編も混じっています。
 夏目漱石「三四郎」
 チェーホフ「美女」
 カミュ「異邦人」
 川端康成「雪国」
 井伏鱒ニ「鯉」
 安部公房「砂の女」 
 中山可穂「猫背の王子」
みなさんの要望で途中で追加ということはもちろん考えています。

            *

えー、考えが変わりました。思いつきで7作品挙げたのですが、漱石、川端、カミュはそのまま、チェーホフは他の作品、井伏も他の作品にする、安部公房「砂の女」は私はテーマ分析をしたくなってしまいますので取りやめ、中山可穂ももっと他の女性作家に変えたいと思います。それに代わりまして吉行淳之介の「夕暮まで」を入れます。ここまでは決定とお考え下さい。

えー、またまたテクニックのことになります。
繰り返し。リフレイン。
物語性の強い小説では物語の面白さが抜群であれば、あまり使わないようですが、ある文章、またはパラグラフを繰り返し書くテクニックです。
そのままでもいいですが、多少変奏しながら書いてもいいのではないかと思います。
長い小説はそれをうまく使うと、読んできて忘れていた部分を思い出したり人物の特徴をよく分かってもらうのに役立つのではないかと思います。
繰り返しは詩ではごく当たり前のテクニックですが、小説でもうまく使いこなせば効果的です。

もうあちこち行ったり来たりの順序などお構い無しですが、いきなりテクニックのことに入ります。
文章の改行について。
最近の小説は改行が多いような気がします。文章ごとに改行してあるものを見たことがあります。
反対に改行を一切しない、例えば野坂昭如のようにずーっと文章を列ねる場合もあります。
基本的には文章はパラグラフによって改行をするのが正当なのです。パラグラフの概念は日本人の書く文章にあまりありません。
一つの纏まった意味の集積を一つのパラグラフとして、それが終わったら改行をする。それが基本ですが、小説の場合は会話が入るかもしれませんし、改行に飛躍を持ち込むことで独特の文章を作るということもありますから、基本に常に従順である必要はありません。書き写している時にそれもよく観察して下さい。
あまり改行をしすぎると文章がスカスカになる畏れはありますので改行には注意が肝心です。

えー、話があっちこっちに揺れていますが、また更に順序不同になります。
今、小説と言われているものは一体いつからあるのか、小説の歴史の大雑把すぎる概観について述べてみます。
形はどんなものであれ、お話というものは大昔、文字のない頃からあったでしょう。
ここで小説と呼ぶのは近代小説、西欧に始まり、日本にも隆盛した近代的小説のことです。
日本には古くから源氏物語などの物語文化は盛えておりました。が、これらは物語であります。お話であります。
近代小説というのは西欧で 18世紀には形がある程度定まり、19世紀以後、盛んに一般の人々に読まれるようになったものを指します。
どこが違うかと申しますと、ルソーが「告白」を書き、自己の内面の葛藤を物語のなかに入れて以来、小説は物語と自己告白とが一緒になり、そのスタイルが19世紀を通じて一般化したのです。
従って、お話と小説とは重なるところはたくさんあるのですが、少し分けて考えた方がいいのです。
物語性の全くない小説が現れるようになり、物語は小説を成り立たせる一要素になったと考えられます。
えー、あまり難しく考える必要はありません。こういうところは一応ざっと話すだけにしておきましょう。

えー、少し既に触れた問題点ですが、人称のことをまた述べたいと思います。
「私」で書かれた小説は要注意というようなことを言いました。
「私」といっても作者その人であるかどうかは分かりません。極端な例として漱石の「吾輩は猫である」を挙げました。 
猫が語っていますが、猫の生活が中心ではありません。猫はたくさん出てくる人間の登場人物を紹介する役割だと考えられます。
これからは「語り手」という言い方をしようと思います。一人称の語り手、三人称の語り手、そうお考え下さい。
一人称の語り手は信用できない。それも大切なポイントです。私小説という日本独特な形式があり、それは「作者」=語り手ということになっておりますが、これも信用できません。
「桜桃」は私小説の形式をとった小説なのですが、「私」=作家太宰治と考えないことが大切です。
なお、「作者」というのもあまり気にしないで下さい。作者の人間に興味を持つことは自由ですが、作者は看板のようなものと思っていた方がいいです。


.
遠い蒼空
遠い蒼空
非公開 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
検索 検索

標準グループ

過去の記事一覧

Yahoo!からのお知らせ


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事