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もう間もなく私はこの現世とおわかれする。私は戌年の生れ、当年三十七歳の独身ものである。今日まで軽い風邪と扁桃腺炎のほかには病気にかかつたこともなく、最近ときどき目まひがするだけで他は頗る健康である。そして抱懐する思想も昨年の夏ころまでは隠健であったと自分ながら思つてゐる。ただ一つ貧乏ではあるが借金のために急に姿をかくさなければならないといふ身の上でもない。 (「川と谷間」所収) |
井伏鱒二
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古書店回りは井伏が最初です。
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これはニ冊目。 |
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初版である(再版はない。売れなかったのだ)。 |
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箱に補修がしてあるのが致命的だなぁ。 |
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どれだけの版があるのか、やたら多い。 |


