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人物
桜井みずき(17)高校生 河瀬あゆみ(17)みずきの友人・高校生 佐伯わたる(17)みずきの友人・高校生 桜井ふじえ(65)みずきの保護者 桜井 健 (70)みずきの保護者 エリーゼ (40)みずきの実母 ○ 海の見える堤防沿いの道 桜井みずき(17)と河瀬あゆみ(17)が高校から帰宅している。 みずき「夏が来たね」 あゆみ「みずきは明日からの夏休みは何して過ごすの?」 みずき「私の家は海の家をしているから、ずっと手伝いの日々」 あゆみ「そんな過酷な予定ぎっしりの状態でよく笑ってられるね」 みずき「楽しいからね」 あゆみ「あ〜あ、わたる君に会いたいなぁ」 みずき「さっきまでクラスで一緒だった・」 あゆみ「バカね。二人っきりでってこと」 立ち止まるみずき。つられてあゆみも立ち止まる。 あゆみ「なになに?みずき、急にどうしたの」 みずき「あゆみ、ここでバイバイ」 あゆみ「は?」 みずき「あゆみ、傘持ってないよね?」 あゆみ「は?」 みずき「5分くらいここにいるといいよ。いい ことあるかも」 笑顔で走り去るみずき。 あゆみ「ちょっと、みずき」 雨雲が急に空を覆い、雨が降り出す。そこに佐伯わたる(17)が傘をさして歩いてくる。ずぶ濡れになりながらわたるを見るあゆみ。 あゆみ「なるほど。魔女みずき」 ○ 海の家厨房 桜井健(70)がカキ氷を作りトレイに乗せる。桜井ふじえ(65)はそのトレイを自分の方へ滑らせ、シロップをかける。 ふじえ「みずき!テーブル3番さんのカキ氷 でき・・」 既にカウンター越しに待っている笑顔のみずき。みずきの腕に三日月状のあざが目立っている。 ふじで「みずき、あんたその腕どうしたの?」 みずき「あはは。生まれつきよ!どうしたの急に、変なの。あはははは」 ○ 海の家店内 カキ氷を3番テーブルに運ぶみずき。そのみずきに歩みよるあゆみ。 みずき「なに?」 あゆみ「トイレどこ?」 みずきは目線であゆみにトイレの所在を伝える。あゆみはわたるの方に振り返る。 あゆみ「わたる、ちょっと待っててね。すぐ もどるからね〜」 みずき「溶けちゃうよ」 あゆみ「大丈夫、すぐもどるから。私がもどる まで私の席に座っていれば」 あゆみはわたるに手を振りトイレに向かう。 みずきは3番テーブルにカキ氷を運ぶ。 みずき「おまたせ」 わたる「ありがと。あ、そこどうぞ」 みずき「・・・じゃ、ほんと少しの間だけ」 わたる「桜井さん、俺のことみんなわたるって呼ぶし、わたるでいいよ」 みずきは曇りだした空を見上げる。 みずき「見て、空が急に暗くなってきた」 わたる「あ、ほんとだ」 二人は沈黙のまま、すっかり溶けたかき氷を見るみずき。 みずき「ああ、氷溶けちゃった。新しいのも ってくるね」 みずきは厨房に向かう。振り返るといつの間にかあゆみが席にもどっている。ため息をつくが直ぐに笑顔をつくって改めて厨房に向かうみずき。 ○ みずきの部屋 目を開いているみずき。時計は午前5時15分。みずきは着替え外に出る。 ○ ひとけの無い岸壁の波打ち際 エリーゼ(40)が倒れている。 みずきは駆け寄り、容態を確認する。 エリーゼは呼吸もしており、怪我も無い様子。そこへわたるが現れる。 みずき「佐伯君」 わたる「桜井さん、どう?その人大丈夫?」 岩場を進むわたる。 みずき「わからない?流されてきたのかな?」 わたる「あ」 目を覚ますエリーゼ。 エリーゼ「水・・・」 みずき「とりあえず運ぼう」 わたる「わかった」 エリーゼを背負うわたる。それを後ろから支えるみずき。 ○ みずきの家の居間 みずきとわたるは沈黙のまま居間に座している。客間との間の襖を開け、ふじえが居間に入ってくる。 ふじえ「今、診療所の先生が帰られたよ。傷 もないし、病院に行く必要はないそうだよ。 休んでいれば直に良くなるでしょう。佐伯 君、一旦お家にお帰りなさい」 わたる「あ、はいそうします」 みずき「話せるの?」 ふじえ「今は寝ているから、だめだよ」 みずき「警察とかに連絡するの?」 ふじえ「いいえ。とにかく体は大丈夫のようだから、起きたらまず話を聞きましょう。みずきも少し眠りなさい。今日はお店出さないから」 みずき「わかった」 ○ みずきの家の客間 うなされ布団を跳ね除け起き上がるエリーゼ。傍らに桜井健とふじえが居る。 ふじえ「大丈夫。大丈夫ですよ」 健「どこから来られたのですか?」 エリーゼ「私は・・・」 ふじえ「波打ち際に倒れているのを子どもたちが助けたのよ。気分はいかが?」 エリーゼ「・・・大丈夫です」 ふじえ「そしたら、すこしお伺いしたいことがあるのだけれど、いいかしら」 エリーゼ「はい」 ふじえ「人を探しているのね?違う?」 エリーゼ「え?あ、はい、そうなんです」 ふじえ「17歳になる女の子ではないかしら」 エリーゼ「そうです!」 ふじえ「うちにね17歳になるみずきという娘がいます」 健「おまえ、何を言っているんだ?」 ふじえ「ちょうど17年前の今日よあの子が波打ち際で泣いていたのは」 エリーゼ「え?」 ふじえ「こんな偶然ないでしょ?ちょうど17年前にみずきはわたしたちのところにやってきてくれたの。それからの日々は楽しかったわ。まるで今日まで日々は天国での生活のようだったのよ」 エリーゼ「みずき、みずきさんの腕には・・」 ふじえ「三日月形のあざがあるわよ、あなたとおなじように」 エリーゼの腕には三日月のあざがあるのをみるふじえ。 ふじえ「でも、不思議ね。17年間みずきのうでのあざに気づかなかったの。もしかしてあなたがくるから、そのあざが昨日になって出てきたのかしら?」 エリーゼやっと微笑む。 エリーゼ「みずきさんは私の娘です」 ふじえ「そう」 ふじえ少しうつむき直ぐに笑顔になっ てエリーゼをみる。 ふじえ「さてと、どうします?みずきをどうしますか?」 真剣なまなざしをエリーぜにむけるふじえ。沈黙となる。 健「そんな、おまえ突然・・・」 エリーゼ「あの、厚かましいお願いなのですが・・」 ふじえ「どうぞ、言って」 エリーゼ「居候させていただけませんでしょうか」 ふじえ「あなたを?いつまで?」 エリーゼ「ずっと」 ふじえは、笑顔になる。 ふじえ「期限付きならお断りするところでしたよ。その時は自然にやってくるものよ。私たちが決めることではないわ。それまで仲良く、楽しくやっていきましょう。よろしくお願いしますね」 エリーゼ「ありがとうございます!」 ○ 海の家店内 3番テーブルにみずきとわたるが座っている。カキ氷を2つ運ぶエリーゼ。 エリーゼ「おまちどうさま」 みずき「ありがとうございます」 微笑み、わたるに軽く会釈して立ち去るエリーゼ。 わたる「質問していい?」 みずき「いいよ」 わたる「みずきは・・・まあ、いいやごめん、なんでもない」 みずき「何?なんなのよ?」 わたる「いいって、なんでもない」 みずき「じゃ、私から質問」 わたる「いいよ」 みずき「あの日・・あの日、どうしてあんなに朝早くに岸壁に居たの?」 わたる「呼ばれたから」 みずき「え?どういうこと?」 わたる「あゆみと一緒にいたでしょ?」 みずき「え?」 わたる「あゆみの声がして、早く岸壁に来てみずきを助けてっていうから・・飛び起きてすっ飛んで行ったんだよ」 みずき「え?」 わたる「結局あゆみは居なかったけど、あれ?あゆみと一緒じゃなかったの?」 ○ 海の家の屋根上 海の家の屋根の上で体育座りをしているあゆみ。 あゆみ「やれやれ」 おわり |
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