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混沌の時代のなかで、真実の光を求めて

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仏説 無量寿経

  悲化段(2)
                          【31】


 世間の人民にして、父子・兄弟・夫婦・家室中外の親属、まさに
あひ敬愛して あひ憎嫉することなかるべし。有無あひ通じ、貪惜を
得ることなく、言色 つねに和して あひ違戻することなかれ。

 ある時は 心諍ひて 恚怒するところあり。今世の恨意 微(すこ)
あひ憎嫉すれば、後世には うたた劇しく 大きなる怨となるに至る。
 ゆゑはいかんとなれば、世間の事 たがひにあひ患害す。即時に 急に
あひ破すべからずといへども、しかも 毒を含み 怒りを畜へ 憤りを
精神に結び、自然に剋識して あひ離るることを得ず。皆まさに対生
たがひにあひ報復すべし。

 人、世間愛欲の中にありて、独り生れ 独り死し、独り去り 独り来る。
行に当りて 苦楽の地に至り趣く。身 みづから これを当(う)くるに、
代る者あることなし。
善悪変化して、殃福処を異にし、あらかじめ厳しく待ちて まさに
独り趣入すべし。遠く他所に到りぬれば よく見るものなし
 善悪 自然にして 行を追うて生ずるところなり。窈々冥々として
別離久しく長し。道路同じからずして 会ひ見ること期なし。はなはだ
難く、はなはだ難ければ、またあひ値ふことを得んや。

 なんぞ衆事を棄てざらん。おのおの強健の時に曼(およ)びて、
つとめて善を勤修し 精進して度世を願ひ、極長の生を得べし。
いかんぞ道を求めざらん。いづくんぞ待つべき所ある。なにの楽をか
欲するや。


               (続)
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