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こぶたの休息
走る!走る!おばさんは走る!

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Melbourne

2014年イラン作品
監督・脚本:ニマ・ジャウィディ
出演:ベイマン・モアディ、ネガル・ジャワヘリアン

若いカップルが、間もなく留学のためにメルボルンに出発しようという当日、
親戚やら友人やら業者やらがひっきりなしにアパートに訪れている中、
事件が起きる。

日常の中で何の悪意もないところで起こる悲劇と緊張を、ほぼアパートの
中だけで撮った作品。監督曰く、予算の関係だったということですが。
でも、脚本がいいから、そこに出入りする人たちや夫婦の心の動きが
リアルに迫ってくるのだと思います。

実際に、監督が友人の赤ちゃんを預かったときの体験から発想をえたという
ことですが、どんな日常にも起こりえるサスペンス。こういうのが
映画になるのだから、イラン映画は侮れない。

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River Road
原題:家在水草豊茂的地方

監督・脚本:リー・ルイシン
エグゼクティブ・プロデューサー:ファン・リー
出演:タン・ロン、グォ・ソンタオ

ずっと以前に映画祭でみた「モンゴリアン・ピンポン」のような
牧歌的な映画を予想していったら、はずされました。でも、とても
心に残る作品です。

遊牧民族ユグル族の子供である兄弟。兄は、弟が生まれたときに母親の
体調が悪くなり、祖父母の家に預けられた。だから、自分はいらない子だと
思い弟に嫉妬している。弟は、小学校にあがり今は寮生活。いつも兄ばかり
ひいきされていると思っている。

祖父が死に、弟は口もきかない兄を説得して父を捜しに、ラクダに乗って
旅に出る。川に沿って、かつて彼らが暮らした草原に向かって。

ユグル族というのは、突厥系の遊牧民のうち仏教に帰依した民族で
以前は王国を持つほどの勢力を誇っていたそうです。その彼らも
言語や文字を失いつつあり、今や遊牧生活からも離れつつあります。
そんな彼らの過去の遺産や現在の状況、そして彼らを取り巻く社会の
変化を織り交ぜながら描かれていきます。

兄と弟はなかなか溝が埋まらず、喧嘩にもなる。祖父のもとで甘やかされて
育った兄より、遊牧生活の長い弟の方がちょっとたくましいぐらい。

ユグル族がかつて残した壁画や、以前は友達の家族が住んでいたはずの
集落の廃墟。時折彼らのそばをを走っていく大型トラック。多くは語らない
けれど、彼らはそれを見ながら何を思っているのか。そして、彼らが見る
現実の厳しさ。でも、彼らは涙することなく現実に向かっていく。
その姿が私にはたまらなく切なかったのでした。

リー監督は甘粛省出身で、彼の住んでいた村の隣にユグル族が住んでいる
地域があったそうです。かつて強大な王国を持った民族の文化が失われていく
ことに哀惜の念を感じ、社会が発展する代償としてそういったものが
失われていくというのはおかしいと感じているそうです。

プロデューサーのファン・リーさんは、数年前に「ブッダ・マウンテン」を
東京国際映画祭に持ってきて以来、この映画祭が好きになったようで
今回この作品もぜひということで出品したということです。

予想外でしたが、厳しいながらも良心のある骨太な作品。
中国でも、まだこういう映画があるんだとおもいました。
日本で上映されるといいなあ。


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