|
A:運動、変化、進歩の観念
B:存在、静止、調和の観念
C:AとBを統合止揚する観念
D:3次元宇宙
E:運動という最低次の観念の流れ
F:存在という最低じの観念の流れ
コメント:図には書ききれませんでしたが「運動」や「存在」の観念は観念Aや観念Bの何段階も分化した結果生成した最低次の観念です。
第一章 宇宙創造の秘密
(1) はじめに
弁証法的発展は第四部でたくさんの例を挙げたので、それにいくぶん習熟したものと思います。この章と次の章はこの書のメインテーマです。そこで、本章では弁証法的発展を宇宙論に応用したいと思います。この宇宙論は機械論的唯物論ではなくて、客観的観念論の立場に立つ宇宙論です。
(2) ビッグバン
宇宙の創造過程を陽子より小さな宇宙がいきなり大爆発して膨張を始め今の宇宙が出来たというのが現在の主流です。しかし、それは生命の出現や人間の出現を説明できず偶然で片付けてしまいます。
そこで、観念論的立場から、特にヘーゲル哲学の原理である弁証法的発展の立場からビッグバンを説明したいと思います。ここで前提とするのは、4次元時空を越えた高次元空間には観念の場があって、それも弁証法的運動をしているということです。そして、4次元時空ができる前に、高次元空間で広がっている二つの異質な観念の場があって、それが衝突を始めます。ここでの観念は人間の持つ観念のことではなく、人間の創造以前、宇宙の創造以前にあった高次元の観念のことです。これは、ヘーゲルの客観的観念論の立場に一致します。このとき、4次元時空はまだできていません。この二つの観念が衝突を始めるのは、弁証法の立場から見れば「反」の状態のことです。すると、対立が統合止揚されて「合」の立場に発展していくはずですが、それは一挙に統合止揚できないので、両者が低次の方に自己を分化させ低い次元での「合」を実現します。ここで言う低次とは空間の次元のことではなく観念の質の次元の事です。このとき出来たのが素粒子と4次元時空です。4次元時空があってそこに素粒子が出来るのではなく、4次元時空の誕生と素粒子の誕生は同時です。厳密に言うと、先ず存在と言う観念と運動と言う観念が止揚されて物質場ができ、これが力の場によって相互作用を始めこのときに4次元時空ができたと考えられます。そして、低次の「合」が済むとそれを土台に高次の「合」を次々と実現していく。これが宇宙の進化です。
我々の住んでいる3次元宇宙はこの二つの観念の共有する観念のことです。そして、二つの観念の止揚のレベルがより高次なものに移って行くのが宇宙の進化です。宇宙を進化させる意志というものがこの両者を統合止揚させている第三の観念であって、これは神と呼ぶべきものです。この宇宙を進化させていく意志によって生命が発生し、進化させ人間を出現させたのであって、それは必然であり偶然ではありません。
(3) 相補性の原理由来
第一部の量子力学の章で相補性の原理を説明しました(復習してください)。ここではその由来を説明します。宇宙創造以前にあった二つの観念についてですが、それらが何段階も分化してできた質の最低次の観念が「存在」と「運動」です。一方の観念には「存在」というものが含まれるが「運動」は無く、他方の観念には「運動」というものがあって「存在」が無い。両者を統合止揚したのが「運動する存在としての素粒子」と4次元時空です。つまり、最低次の止揚で、素粒子と時空ができたのです。量子力学における電子の振る舞いと4次元時空は、うまい具合に「存在」と「運動」が止揚されたものです。それが、「存在」と「運動」を相互補完的なものにしているのです。存在と運動は元々矛盾したものなのです。それはゼノンのパラドックスの通りです。一個の素粒子がその両者を持つと言うことは、当たり前なことではなく、宇宙創造のときその両者が止揚されたからなのです。この矛盾が残っていて、それが位置と運動量の同時決定の不可能性になっていると考えられます。我々の宇宙に存在する一切の現象やものは二つの観念が止揚されたものです。宇宙における一切合財は、この二つの観念の相互作用です。つまり、物質、時空、生命、精神などなどは二つの観念の相互作用でできたものです
(4) 宇宙の進化
3次元宇宙は、運動する存在としての素粒子と4次元時空が同時に生成されたものです。これを詳しく研究するのは重要なことです。存在と運動を統合止揚したという事実から、空間の性質とどのような素粒子があるべきかを考えればよいのです。現在の超ひも理論には哲学がかけているので、存在と運動の止揚という考えが理論を組み立てる指針になると思います。
図2を見て欲しいと思います。宇宙創造以前に互いに異質な観念AとBがあった。これが「正」の状態です。この二つが対立するようになった。これが「反」の状態です。この対立を止揚したいのですが一挙には止揚できないので、両精神は自己を分化させ、質の次元の低い観念をつくって質の低い次元で止揚します。この止揚の力は観念Cの統合力から来ます。観念Cは、観念Aと観念Bよりも質の次元も空間の次元も高い観念です。AとBは先ず最も質の低い次元の観念から止揚されますが、最も質の次元の低い止揚が素粒子と時空です。素粒子とそれが運動する空間は「存在」と「運動」の止揚の結果生まれます。これが図のEとFに対応します。素粒子の創造と同時に4次元時空が創造されます。これが図2のDです。この止揚が最も質の次元の低い素粒子の生成から、人間に至るまであるいは人間創造後文明も高度化していくように一段一段質の高い精神を止揚して創造していきます。これが宇宙の進化です。
素粒子の生成後、銀河や星ができます。これも偶然ではなく、宇宙を進化させる意志Cの産物です。そして、地球を例に挙げれば、生命が生成されます。そして、生命が単細胞生物から多細胞生物、魚類、両生類、爬虫類、哺乳類、人間というように進化していきます。これも偶然ではなく宇宙の進化する意志の産物であり、また生命も自分なりの努力の中で進化していきます。最後は文明の発展です。人間は宇宙の進化する意志の産物ですが、人間は自己意識を持ち、理性的存在です。それは宇宙の進化する意志の理性を分有しているのであって、その結果「価値観」で述べたように、個人的価値、社会的価値、科学の価値を実現しようとして文明を発展させるのです。「価値観」で述べた価値とは我々の到達した見地から言うと、宇宙の進化に貢献することが善であり価値あることなのです。宇宙の進化とは、より高次の精神を3次元空間の中で実現することです。
現代科学の主流では、宇宙論の中の人間は異物でありました。人間は説明できない存在であり、何が原因か分からない偶然の産物でしかありませんでした。しかし、私の主張する弁証法的宇宙論は、人間を宇宙進化の先端の存在として必然的産物であると考えます。そして、人間にとっては宇宙の進化に貢献することが善であると明確に認識できました。私の考えでは疎遠だった人間と宇宙が密着したものになります。物質とは、3次元空間を高次元方向に貫通する観念の流れであることが分かりました。
|
こんにちは。宇宙の進化のドライビングフォースを止揚力とお考えに対し私はエネルギー保存力に置いています。永遠の命はそのドライビングフォースに在るとすれば、私も良く似た発想ですね。今後ともよろしく。
2006/10/4(水) 午後 7:49 [ ame**34 ]
私は止揚の力を精神エネルギーのようなものと考えています。そして、エネルギー概念を拡張すれば物理的エネルギーも精神エネルギーの特別な場合として位置づけられると考えています。 そして、観念Cは宇宙のはじめより先にあり、宇宙の消滅後もある神のようなもの、物質創造の基、生命力の基、精神力の基と考えています。
2006/10/5(木) 午前 2:00 [ jyu*do*3104 ]