第四段落2 初生児の意識のごときは明暗の別すら、さだかならざる混沌たる統一であろう。この中より多様なる種々の意識状態が分化発展し来るのである。しかし、いかに精細に分化しても、どこまでもその根本的なる体系の形を失うことはない。 我々に直接なる具体的意識はいつでもこの形において現れるものである。 [考察]
純粋経験は先ず、主客未分の初生児から始まる。このときの純粋経験の統一は混沌たる統一である。純粋経験は分化発展する。例えば、初生児は母親も自分の一部と思い、自他の区別がないが、次第に自分の思い通りにならないものがあることを知り、自他の区別が出てくる。これは、純粋経験の分化発展である。そして、成長にしたがって、さまざまな対象の区別ができてくるが、それでも、一なる私、という統一は保持されたままである。 このように、純粋経験は主客未分の統一から分化発展しつつ統一を保つという形式を持っている。 |
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