宇宙創造の秘密

最初から読んでくれれば嬉しく思います

カント純粋理性批判

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全2ページ

[1] [2]

[ 次のページ ]

序文第7段落

第七段落
 
しかし私がここに言うところの批判は、書物や体系の批判ではなくて、理性が一切の経
験に関わり無く達得しようとするあらゆる認識に関して、理性能力一般を批判することで
ある。
 したがって、またこの批判は、形而上学一般の可能もしくは不可能の決定、この学の源
泉、範囲、および限界の規定ということにもなるが、しかしこれらのことはいずれも原理
に基づいてなされるのである。

[考察]
 「純粋理性批判」の「純粋」とは、経験が含まれないという意味である。
 カントは形而上学を不可能と言う「不可知論」の立場である。
ここで言う「原理」というのが何かが分からない。本論を読めば分かると思う。
第六段落(1)
(注) 現代の考え方は浅はかであるとか、根本的な学問が衰退しているなどという嘆声は、我々のしばしば耳にするところである。しかし私は、根底のしっかりしている学問、例えば数学や自然学などに対しては、かかる批判はまったく当たらないと思う。むしろこれらの学は、根本的であるという昔ながらの名声を維持しているばかりでなく、自然学にあっては、従来の名声を遥かに凌駕しているくらいである。

[考察]
この状況は今も変わらない。数学と自然科学は客観的で確実に進歩して来ている。しかし、それに
対して、心の科学はは客観性を確保できずにいる。カント自身は自分の哲学で精神の認識が達成され
たと思ったらしいが、後代の哲学者からは未完成の哲学とされた。21世紀の今でも物質の科学は進ん
でも心を客観的に認識するのには成功していない。

第六段落(2)
 その他の種類の認識(特に形而上学的認識)においても、取りあえずそれぞれの原理の修正に配慮を
致しさえすれば、全く同じ精神が発揮されるだろう。しかし、かかる修正が行われない場合には、無関
心と懐疑、また最後には厳正な批判の方が、むしろ徹底的な考え方を証示することになるのである。

[考察]
 ここでは、自然科学が成功したのを受けて、形而上学も自然科学の精神に従ったら上手くいくという
提案をしている。

第六段落(3)
 現代(1780年代)は、まことに批判の時代であり、一切のものが批判を受けねばならぬ。ところが一
般に宗教はその神聖によって、また立法はその尊厳によって批判を免れようとする。だがそれでは宗教
にせよ立法にせよ、自分自身に対して疑惑を招くのは当然であり、また理性がその自由率直な吟味に堪
え得たところのものにのみ認める真正な尊敬を要求することができなくなるのである。

[考察]
 宗教は神秘的なものだから、証明しようとするのは間違っていて、信仰すべきというのがほとんどの
信者の考え方である。しかし、カントは宗教も理性による批判に堪えなければ、尊敬に値しないと言う。

第一版序文第五段落

第五段落(1)形而上学を求める人間の自然的本性
 実際、人間の自然的本性にとって無関心でいられないような対象に関する研究に、どれほど無関心を装ったところで無益である。(なぜならば)自分は形而上学に対して無関心であると称する人たちが、いくら学問的な用語を通俗的な調子に改めて、自分の正体をくらまそうとしてみたところで、とにかく何事かを考える限り、彼等がいたく(非常に)侮蔑していたところの形而上学的見解に、どうしても立ち戻らざるを得ないの(から)である。

[考察]
 人間の自然的本性は形而上学的真理を欲する。無数の異なる独断論が横行すればどれが本当の真理かがわからなくなるので、形而上学に嫌気がしてくる。しかし、いくら形而上学を否定しようと思っても、自分の存在の意味を考えようとすると、どうしても形而上学的に考えざるを得ない。

第五段落(2)形而上学に対する無関心は考察に値する。
 しかし諸学が全盛を競うさなかに生じ、しかもほかならぬ学、即ちその知識は、もし得られるものであるなら何びとといえども一切の知識のうちで最も愛惜するところの学に対する無関心は、とにかく注意と精考とに値する現象である。

[考察]
 人間は死後どうなるかとか、神は実在するかとか、いうような感性的には認識できない形而上学的問いの答えがあるならば、それは最も愛惜されるものである。しかし、今や、人々はその知識に対する無関心を装っているのである。その現象は精考に値する。

第五段落(3)形而上学に対する無関心な人々による「純粋理性批判」の要請
 言うまでもなくこの無関心は、軽薄な念慮から生じた結果ではなくて、もはや見せかけの知識に釣られていない現代の成熟した判断力(注)の結果であり、また理性のあらゆる任務のうちで最も困難なわざであるところの自己認識に新たに着手し、そのために一つの法廷を設けよ、という理性に対する要請なのである。即ちこの法廷は、理性の要求が正当であれば理性を安固にし、これに反して根拠のない不当な要求は、これを強権の命令によってではなく、理性の永久不変な法則によって棄却し得るのである。そしてこの法廷こそ純粋理性批判そのものに他ならない。

[考察]
 人々の形而上学に対する無関心は、軽薄な念慮から生じたものではなく、成熟した判断力の結果である。これらの人々が要請しているのは、理性の自己認識に着手し、玉石混交の理論の中から、根拠のない理論を棄却し正当な理論は安固にする「純粋理性批判」という法廷を設けることである。
第四段落(2)ロックの経験論と独断論
 近代に及んで、一度はジョン・ロック(1)の「人間知性論」によって、これら一切の紛争が終結を告げ、形而上学の要求の合法性に関する問題が遂に完全に解決されるかの観があった。
 ところで、女王と自称する形而上学の家柄は、尋常一般の経験という下層民に由来するものであるから、女王の僭称は当然疑わしいものにならざるを得ない、と一旦言われはしたものの、「しかしかかる系図は拵え物であり、実は形而上学に誣いられたひがごとであった(2)」。
 そこで、形而上学は依然としてその要求主張することになり(3)、一切はまたしても陳腐な虫食いだらけの独断論に陥り、更にまた人々が折角そこからこの学を救い出そうとした軽蔑のなかに落ちこんだのである。

(1) ジョン・ロック
 イギリス啓蒙哲学および経験論の創始者。

(2)しかしかかる系図は拵え物であり、実は形而上学に誣いられたひがごとであった。
 形而上学が通常の経験からの認識であるという系図は、形而上学にとっては虚偽の捏造とみなされた。

(3)形而上学は依然としてその要求主張することになり
 独断論者は経験を認識の起源とするロックの主張を退け、再び経験を超えた認識を主張し始めた。

第四段落(3)形而上学に対する無関心と学問の改造
 現代では、あらゆる途が試みられてしかも徒爾(無駄)に終わったあげく、学問において有力な傾向をなすものは倦怠と全くの無関心とである。
 この無関心は混沌と暗黒とを産む母であるが、しかしまたそれと同時に、用処の不適切な努力のために学問が却って不分明となり、混乱に陥り、また役に立たなくなったあかつきには、やがて学問を改造し、開明する根源となり、少なくともその序曲をなすものである。

[考察]
 陳腐な虫食いだらけの独断論に陥った哲学を救い出そうという、あらゆる試みは失敗に終わった。その結果形而上学的真理への無関心が主流となった。
 しかし、形而上学に対する無関心はマイナスの面だけではなくプラスの側面もある。プラスの側面とは、形而上学への無関心さが、今ままでの学問は失格であり学問を改造せよという要請を暗に主張しているということである。
第三段落
 かつては形而上学が諸学の女王となづけられた時代があったが、今は形而上学にあらゆる軽蔑を示すことが時代の流行となっている。

注)形而上学とは一般に、感覚を超えた世界を真実在と考え、これを純粋な思考によって認識しようとする学問のことである。

第四段落(1)独断論者と懐疑論者
 形而上学の統治は、最初は[独断論者(1)]の執政下にあって専制的であった。ところがその立法は、まだ昔ながらの野蛮の名残を止めていたので、数次の内乱によって次第しだいに、全くの無政府状態に堕した。(独断論者立ちの中でも主張が異なるようになったということ)。

 そしておよそ定住を嫌う一種の遊牧民であるところの[懐疑論者(2)]は、しばしば国民の結束を寸断した。しかしこの懐疑論者達は、幸いにその数が至って少なかったので、独断論者達が、互いに一致した計画によってではないにせよ、しかし絶えず新たに植民を企てるのを防止することができなかった.

(1) 独断論者
 執政している独断論者とはアリストテレスのことか。カントの立場では大陸合理論者は独断論に含まれると思う。デカルト、スピノザ、ライプニッツは独断論者に含まれるはず。しかし、上の文章では最初とあるので、それはアリストテレスのことだと思う。

(2) 懐疑論者
 懐疑論者と言えばヒュームであるが、ここでは近代以前のことなので、ヒュームではない。中世に懐疑論者はいたのだろうか。この懐疑論者は誰かが分からない。

全2ページ

[1] [2]

[ 次のページ ]


.
jyu*do*3104
jyu*do*3104
男性 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

Yahoo!からのお知らせ

過去の記事一覧

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト『さとふる』
11/30まで5周年記念キャンペーン中!
Amazonギフト券1000円分当たる!
数量限定!イオンおまとめ企画
「無料お試しクーポン」か
「値引きクーポン」が必ず当たる!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事