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ここんとこ、こればっかり。
知ってる人は知っている、グレン・グールドの弾く「バード・ギボンズ作品集」。このピアニストの、最高の成果の一つです。
っていうか、ルネサンス期の音楽をモダン・ピアノで演奏&録音した例を、他に知りません。だから、唯一無二の名演っていうことになるのかな?
初めて聞いたのは、社会人になりたての頃。その頃の私は、ピアノ曲にはそれほど興味がなかったんだ。
元来、ピアノの音色がそんなに好きじゃなかったっていうのもある。人間の声や弦楽器に比べて、音色のタッチが粗いような気がしてたから。
とある休日、大阪の輸入盤ショップでパラパラ品定めをしていると、これが目についてしまったんですわ。何故か「ルネサンス」のコーナーに置いてあった。
普通は「グールド」のコーナーに並べてあるでしょう?
ミサやモテットといった宗教作品を目当てに探してたから、「???」でした。
「何か、グールドって書いてあるけど、いったい何?」みたいな。
自分にとってバードやギボンズといった名前は、やはり宗教声楽曲やマドリガルの作者としてのものでしかなかった。バードなんかは、鍵盤楽曲でも重要な業績を残しているんですが、その頃はそんな知識を持ってなかった。
しかも、そういった時代の音楽を、グールドはモダン・ピアノで演奏している。やっぱりグールドだから当然?
、、、どうなん、これ?
でも、「未知の音楽」に対する興味&好奇心には抗えず、購入することに。かなり安かった記憶がある。¥1,500ぐらいだったような。
覚えてるんだけど、聞いたのは買ってから一週間ほど過ぎた後のこと。確か風邪で寝込んで、会社を休んだ日でした。
ふと思いついて、「そういや聞いてなかったな、これ」とターンテーブルに乗せてみた。寮で一人寝てても、世界が止まったようにヒマだったら。
一曲目のアルペジオの音色が響いた瞬間、ビックリ!
これ、マジでピアノ?
、、、何か別の種類の楽器とちゃう?
あわててジャケットを確認すると、やっぱりグールドが弾くモダン・ピアノ。極めて典雅なトーンで、エリザベス朝の貴族の間で愛奏されたというヴァージナルが鳴っているんじゃないかと思った。
いったいどんな弾き方したら、こんな音が鳴るのか?
何よりもそれにのけぞりましたね。
人間ワザじゃない。
タッチ&ペダリングの魔法なんだろうけれども、とにかくピアノがこんな音を出すのを聞いた事がなかった。
「やっぱグールドって天才!」これに尽きましたね。とにかく、他のピアニストには逆立ちしてもマネ出来ない。
今聞いても思うのは、グールドの大胆さ。
YOU TUBEにたまたま一曲目が上がっていたので、貼付けておきます。バード作曲による「パヴァーヌとガリアルド第1番」。大胆さっていうのは、この音源の2分12秒を過ぎた辺りからの昂揚の仕方。
http://youtu.be/vLzduBMCXJs
かなり力強く盛り上がってゆくように聞こえるけれど、決して様式を外してはいないわけで。この辺の抑制と大胆さのバランスが、常人の感覚ではあり得ない。
他人が同じ気組みでマネして盛り上げても、絶対に音が汚くなるだろうし、音量が大きくなり過ぎるはず。グールドの場合は、極めて自由に舞い上がってゆきます。
無論、そこに至るまでのバランスやタッチの計算があるわけだろうけれど、その“仕掛け”の部分が殆ど見えない。冒頭の入り方を含めて、聞き手は「あれよあれよ」と音楽に絡めとられてしまう。
後は夢中になって聞き通す他はなくて。
演奏様式が云々といった副次的なお勉強は、こうした演奏の前では全く意味を為さないんじゃなかろうか?純粋に音楽だけが、我々の眼前に立ち現れて来ます。
こんなピアノを弾いたのは、史上この人だけ。
自分はそう思うぞ。
唯一無二の音楽が詰まってます。
輸入盤だと、\1,000弱で手に入るはず。
それにしても、だ。
記録映像を見るにつけ、グールドって「ようこんな姿勢でピアノが弾けたわ!」と驚くのみ。鍵盤の上に大きくかがみ込んで、ヤバい表情で取り憑かれたように弾いている。
指の独立性が凄いんだろうけれど、あのポリフォニックな音の粒立ちは、いったいどうやって鳴らしているのか?
録音を聞くと、気に入った箇所では小さい声で一緒に歌っている。「ウ〜」とか「ア〜」とか、微かにバックに流れてます。深夜に一人で聞いていると、ちょっと怖くなる時があったりして。
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いや〜これはほんっとにいいアルバムですよね〜。グールドのブラームスと並ぶ私の愛聴盤です。あっちの世から聴こえてくる音楽みたいです。
WALKMANに入れているんですが、グールドを聴きたいなと思うときにいくつか並んでいる中で、最初に手が伸びる1枚です。TowerRecordのセールで1000円だったかな?
グールドは私にとっては(も)比類なきピアニスト。これもバード、ギボンズを聴くというより、グールドを聴く感覚になっています。異様に低い椅子にすわって、ほとんど手首だけを鍵盤に乗せる。体を揺らしているけれど、音楽には合っていない…。よくぞこんな音を奏でるピアニストがこの世に現れたものです!!
2012/4/17(火) 午後 6:16
男前シリーズですかあ〜?!グールドはいいよね〜♪
私はバッハのゴールドベルグです。このアルバムもいいですねえ。
ある趣イギリスよりの匂いがする。
このクモ男、漱石が好きなんですってねえ。だからきっとSなんじゃないかなと思んやけど並み外れた芸術性を感じます。ポチ!
2012/4/17(火) 午後 10:21
クララさん)
>あっちの世から聴こえてくる音楽みたいです。
ホンマに。
色々マネしてはみるんですが、絶対に同じ音にはならんのですよね。何より、とてもスタインウェイのトーンとは思えない。未知のメーカーのピアノの雰囲気。ファンクションやペダルのタッチも、ギンギンにチューンしてるんだと思います。、、、イスの高さにあれだけこだわる人だったワケだし。
でも、バーンスタインと共演してる映像見ると、意外に普通だったりするんですよね。バッハの協奏曲弾いてるんですが。本人にとっては、その「普通の状態」が窮屈でたまらんかったんじゃないか?と。そんな風に感じました。、、、こう書くと、ホンモノの変人の話してるみたい?ホンモノではあるんだけど。
2012/4/18(水) 午前 10:25 [ 双子座のおっさん ]
すぅさん)
>男前シリーズですかあ〜?!
え、グールドって男前?
そうなん??
顔が長い、アダムズ・ファミリー系の顔のように思うけど。夏にコート着て写真撮るし。
すぅさん、他人とは美の基準が違うんとちゃう?
男前のピアニストといえば、若い頃のポゴレリッチにトドメを刺すと思うけど。彼はイカしてた。ぶっちぎりの感じやった。ピアノ弾いて、シンセサイザーみたいな音出してた。
それから、ちょっと前のツィンマーマンも独特のカッコ良さがあった。あのヒゲの感じ、俺も生やそうかと思った。あんなに濃くはないんやけど。
何より彼は、ピアノを弾くスタイルがイカしてると思う。座っただけで、鳴ってる感じ。
2012/4/18(水) 午前 10:31 [ 双子座のおっさん ]
ポゴレリッチは若いときは男前やったけど、最近のみてないでしょ。
ハゲてるで〜。ツィンマーマンは・・・おっさんこそ美の基準が違うんやないかあ?!
でも、ひげ坊主はカッコイイな。坊主じゃないとひげだけは厭らしい感じするな。
まあ、おっさんのいうイカしてるっていうのは容姿のことじゃないってわかるけど。
しかしですねえ、グールドは男前です!
2012/4/18(水) 午前 11:10
>しかしですねえ、グールドは男前です!
え〜、そうなん!?
ヤバいやろ?
付き合うと、とんでもない所へ連れて行かれそうなタイプ。
大人しくピアノを弾かせて、黙って見守ってる方が無難やと思うけどなぁ。
でも、あんな感じで弾いてたら、「この人、鍵盤の上にヨダレ垂らしてないんやろか?」って心配になる事がある。たぶん、垂らしてるで。後から弾いたら、指がネバネバになるで。
あ、男前といえば、ディヌ・リパッティとミケランジェリも忘れたらいかんな。若い頃のミケランジェリ、ごっつい男前。しかもクール!!
2012/4/18(水) 午前 11:48 [ 双子座のおっさん ]
ディヌ・リパッティは違うなあ。私のタイプではないよ。ミケランジェリの若いときはいいけど、晩年は違うな。
やはりおっさんとは好みが違うみたい・・・。
・・って、おっさんなんで男前知ってんの?!
やっぱり・・・気になるの? ぷぷ。
2012/4/18(水) 午後 1:41
>やはりおっさんとは好みが違うみたい・・・。
一緒でどうする?
その方がよっぽど異常やんけ!
>やっぱり・・・気になるの? ぷぷ。
男前に話もっていったんは、すぅさんでしょうが!
っていうか、美人ピアニストって数が少ないんとちゃう?今思いつくのは、アルゲリッチぐらい。リリー・クラウスも、まぁ美人かな。後は誰がおるやろか?
グリモー?ヴァイオリニストの方が、美人が多いような気がする。私の偏見だろうか?
2012/4/18(水) 午後 2:14 [ 双子座のおっさん ]
こりゃわからん・・。
2012/4/18(水) 午後 2:55
>一緒でどうする?
そやな、一諸じゃ怖いな。
でもなんで?いくら年上が魅力的いうても、婆さんばっかり・・。
そうそう、弦楽器のほうが綺麗な気がする。
ああそうや、チェロの2Cellosの向かって右の人男前〜!
太郎とツートップやね。このふたりがクラシックを大衆にひろめる宣教師になったらいいね。
まあ、しかし・・ここでふたりの好み言い合ってもしかたない??
2012/4/18(水) 午後 3:42
hirokoさん)
え、何で?
武満の「桜」がわかって、何でこれがわからんの?こっちの方が、遥かに簡単な気がするんだけど、、、。もっと何ていうか、ほら、響きに身を任す感じで聞いてもらえると、楽しめると思う。何となく雅びな感じがするでしょう?←と誘導してゆく。
2012/4/19(木) 午前 1:22 [ 双子座のおっさん ]
すぅさん)
>いくら年上が魅力的いうても、婆さんばっかり・・。
いや、グリモーは若いし。
そういや、アリス=沙良・オットっていう若手がおるわ。まだ23〜4のはず。美人かどうか、評価が分かれるかも知れんけど。ま、若いのは若い。すぅさんとそんなに変わらんし。
しかし、若い頃のアルゲリッチはキレイやったな。
弾いてる姿に迫力があったし。デュトワが引っかかったのも当然ですな。
それにしても、指揮者で男前って誰がおるかな?
2012/4/19(木) 午前 1:31 [ 双子座のおっさん ]
ああ、彼女綺麗〜。私好みやわあ。
そうそう私とそう変わらん歳やし。
センスよさそう。
おっさんは容姿より全体の雰囲気が好きなんやね。
指揮者?よう知らんのやけど、ジュリーニは男前やな。
あ・・おっさん!って言うたら奢ってくれる??
2012/4/19(木) 午前 10:44
>指揮者?よう知らんのやけど、ジュリーニは男前やな。
確かに。
ジュリーニはホンマに男前。
若い頃の写真見ると、凄いもん。シブい上に、独特の憂愁もあって。英語圏ではカラヤンなんかより遥かに人気があったというのも頷けます。長身でスタイルええしな。
この人とカルロス・クライバーが指揮者の男前の双璧かも知れませんな。クライバー、晩年は何となく吸血鬼みたいな感じになってたけど。
70年代の映像見ると、ふさふさの髪をなびかせて颯爽と振っております。また、運動神経が抜群なんだ。あれはマネしようとしても出来ません。「ここでウラ入れる!?」っていう所で、鋭く打拍したりします。アゴーギグも自由自在。
上の二人以外は、男前っていうより個性的な人ばっかり。
ま、それでいいんだけれども。
こんな所で私の名前を出しても、何も奢りません!
逆に奢って欲しいぐらいじゃ。腹減ってるし!!
2012/4/19(木) 午前 11:06 [ 双子座のおっさん ]
ルネッサンス期の音楽は結構好きで、冬になるとよく聴いています。
家にあるのはチェンバロンかな?(きわめていいかげん)
ピアノでこんなふうに抑えた音になるんですね。なんか不思議と耳に聴こえやすいです。
2012/4/22(日) 午前 7:56 [ - ]
ぐらさん)
バードの真骨頂は何と言っても宗教声楽曲ですけれど、近年は鍵盤楽曲にも関心が高まっています。とにかく曲が良い。400年以上昔に活躍した人ですが、「センスがいいなぁ!」とため息が出るような作品が多々あります。チェンバロやヴァージナルで聞くと、かなり雰囲気が違って聞こえます。
ただ、モダン・ピアノでこんな音出せるのは、G・グールドだけ!
個人的には「、、、魔法?」って思います。
ピアノの弦から、音の一粒一粒がニコニコしながら舞い上がって来るような感じ。夢のようです。
2012/4/22(日) 午前 9:51 [ 双子座のおっさん ]
楽しく読ませて頂きました!!
2019/1/27(日) 午前 11:09 [ まいまい ]