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ながらく“ツンドク状態”だった本を読了。 泉麻人の「昭和40年代ファン手帳」。、、、特に自分が昭和40年代のファンとは思わないけれど、面白そうだったから購入。したら安心して、読むのは後回し。 ま、ここんとこのパターンなんだけど。 本編もさりながら、巻末にある自民党幹事長(当時)の石破茂との対談にも興味津々。泉麻人が石破茂と高校の同級生とは!?その事実だけで笑いそうで、ついつい買ってしまった側面あり。
で、ナカミの方は、、、? 著者が自分よりも6歳上という事もあって、全ての内容に共感は難しかった。NHKの朝の連ドラ「おはなはん」とか、当時4歳だった自分は全く覚えていない(知ってはいるけれど)。
やっぱりウルトラQなんかの方が、断然面白かった。 あのブキミなテーマ音楽と、奇想天外なエピソードの数々は忘れられません。 特に印象が強烈だったのは、宇宙からやって来た怪獣ガラモン。寝起きの田舎ジジイのような顔つきのくせに、やる事がなかなかあくどい。自衛隊のミサイル攻撃にもびくともしなかったし。 それから未来からやって来たケムール人。「フォッ、フォッ、フォッ」と意味不明に笑いながら妙なフォームで街を走る姿は強烈。自分の町には来て欲しくなかった。
で、そのモノクロ映像の「ウルトラQ」の翌年、カラーで始まったのが「ウルトラマン」。、、、いやぁ、好きやったなぁ。ミイラ怪獣ドドンゴとか雪山怪獣ウー、どくろ怪獣レッドキング。妙にドン臭そうに見えた科学特捜隊のビートル号。懐かしい。 でも、自分が最もイレ込んだのは、次の「ウルトラセブン」。 これはカッコ良かった。 ウルトラマンより遥かにダークでイカしてた。モヒカン刈りみたいな頭から、アイスラッガーを飛ばすのにシビれた。スペシウム光線よりも盛大な、エメリウム光線は威力抜群に見えた。 エレキングやキング・ジョー等々、敵役の怪獣のデザインも洗練されて強かった。ウルトラセブン、ボロボロになりながら辛くも勝利をおさめる感じ。 そのプロットも、子供心にも異様なリアリティを感じさせた。 ワーグナーの序曲みたいな音楽で始まるテーマソングも良かったなぁ、、、。
けれど泉麻人は、「仮面ライダー」には言及していない。社会現象になるほど、大流行したのに。僅か6年の年の差だけど、やっぱり興味が向かなかったんだろうなぁ、と。あれも本来的にはダークな設定で、主人公の仮面ライダーは悪の秘密結社「ショッカー」の裏切者だったりする。 サイボーグじゃなくて、改造人間っていう語感がまた、生々しかった。クモ男とかコウモリ男とか、同じ町内にそんな悪いヤツが住んでそうな身近な不気味さがあった(うちの近所にはおりませんでしたが)。
「昭和40年代ファン手帳」に話を戻す。 当時は不思議でならなかったのが大学紛争。 東大の安田講堂に全学連の学生が立てこもった所に、機動隊が放水を行っている有名な映像。小学校に入る直前だった自分には、大学なんて「???」みたいな場所。そこの学生が、どうして機動隊と抗争を繰り広げなければならないのか? 両親に理由を尋ねたけれど、はかばかしい答は返って来なかった。たぶん、両親も解ってなかったと思う。
うちの近所にも大学はあったけど、そこの学生達は機動隊に石や火炎ビン投げたりはしてなかった。、、、ま、うちの地元の警察には、機動隊なんてなかったんだけど(自衛隊はあった・笑)。
これは、後のよど号ハイジャック事件やあさま山荘事件も同様。 何だかエラい事件らしいけど、その内容について、具体的な事情はついに解らなかった。学校の教室でも、ちょっと話題になった記憶はあるけれど、友達も「、、、ん〜と」みたいな感じで。 そんな事より、仮面ライダーV3のダブルタイフーンベルトの方がよっぽど小学校低学年男子には重要だった。
そして、大阪万博。 これは痛切に行きたかった。 「行きたい!」とゴネたんだけども、両親は全く取り合ってくれなかった。それというのも、うちの両親は揃って行列嫌い(笑)。人気のパビリオンに数時間も並んで入場っていうのが、億劫でたまらなかったんだと思う。 また、その頃は山陽新幹線なんていう便利なものはなかったし、瀬戸大橋も着工すらしてなかった。四国から大阪まで出るのは、一仕事だったんである。、、、あぁ、時代を感じる(笑)。
で、万博ゴーアーの同級生たちが、夏休みの工作に紙粘土で作った“太陽の塔”なんかを持って来たりするワケで。あれには激しい羨望を禁じ得なかった。 俺も実物を見て作りたかった、“太陽の塔”。 あのフォルム、物凄く好みなのに、、、。そんな友達が作った“太陽の塔”は妙に頭でっかちで、「違うだろう!」とツッコミたくなったもんだった。 それに、そういう連中に「月の石、どうだった?」って尋ねても、「う〜ん、普通の石やった」みたいな感想しか言わない。お前の目はフシ穴か? 、、、アポロ11号が持って返った月の石やぞ? そこらの家にある、漬物石とはモノが違うんじゃ!
、、、やっぱりお前じゃなくて、俺が万博に入った方が有意義だった。 今からでも遅くない、この俺を連れてもう一回万博に行くよう、お前の両親に頼め。今日帰ったら、すぐに頼め。、、、理不尽なイラダチは、止まる所を知らなかった。
面白かったのは、昭和45年10月17日の歌謡曲のヒットチャートが掲載されている事。以下の通り。 1位)走れコウタロー(ソルティ・シュガー) 2位)命預けます(藤圭子) 3位)男と女のお話(日吉ミミ) 4位)X+Y=LOVE(ちあきなおみ) 5位)手紙(由紀さおり)
我ながら驚く事に、この中で4位のちあきなおみの曲以外は今も覚えている。ちょっと歌う事も出来る(笑)。この中で好きだったのは、5位の由紀さおりの曲。マイナーな曲調ながら、早いテンポで歌われる歌詞に興味を惹かれたから。 特に“二人で育てた、小鳥を逃がし〜♪”っていうフレーズが忘れられない。レンアイ関係にある大人の男女は、一緒に小鳥を育てたりするんだ!?っていう新しい知識に激しく驚いた。、、、自分はそんな事しなかったけど。
それから、日吉ミミの「男と女のお話」も忘れられない。“恋人にフラれたの?/よくある話じゃないか〜♪”などと、ミもフタもないフレーズで歌が始まる。、、、そんなによくある話なんだろうか?自分の周囲では、聞いた事もないんだけど。 こういうフレーズを、日吉ミミの妙に耳に粘りついて来る声で歌われると、不思議な説得力があった。子供の自分でも、ついつい「そうだよなぁ」と納得してしまいそうになって。
で、この曲は最後の部分で、必殺の言い回しが出て来る。 “世の中変わっているんだよ/人の心も、変わるのさ〜♪”このナゲヤリな無常感がたまらない。孤独な日々の暮らしが、この身にスッと舞い降りて来る影がある。
2位の藤圭子の歌は、何となく怖くて苦手だった。 歌の冒頭から、“命、預けぇますぅ〜♪”とドスのきいたアルトの声で宣言されてしまう。小学2年生としては、「では、お預かり証をお出しします」とも言えない。 だいたい、そんな大事なもん、ヨソに預けて欲しい。 少なくとも、子供に預けるもんじゃないと思う。うっかり預けて、紛失されたらどうするんだろうか?
等々、出て来る思い出話は尽きない、昭和40年代。自分と同世代の方々には、色んな事を思い出すキッカケとして実に楽しい一冊。もっと早く読めば良かった。オススメです。あ、以下は巻末の泉、石破両氏の対談のページ。二人の高校時代の写真がなかなか!
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