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 この記事は、デマを広げたり、いたずらに不安を煽るものではありません。
 冷静に原子物理学上の知識・情報を分かりやすく提供する趣旨です。一切の政治的主観を排します。
 転載は自由にして頂いて結構です。
https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/9b/52/festiva1202/folder/1816713/img_1816713_64176063_0?20110326211803
 2011年3月16日に、
 「放射能・放射線についての正確な知識・情報、人体に対する放射線の影響、放射線吸収量の単位シーベルトの見方について(転載可)」
 という記事を載せたのですが、反響が大きかったので、生体の放射線吸収線量の単位「シーベルト」の正確な見方について、さらに詳細に掲載したいと思います。


 以前の記事にも書きましたが、放射線吸収量の単位「シーベルト」は、生体への被曝量(放射線吸収量)の大きさを示す単位で、呼称は、放射線防護のスウェーデン科学者「ロルフ・マキシミリアン・シーベルト」にちなみます。

 放射線は、実際にはいろいろな種類があり、さまざまな放射線毎に、生体(人体)への影響が異なります。
 そのため、放射線の種類ごとに放射線荷重係数を乗じて、生体への被曝量(放射線吸収量)の大きさの目安になるよう、工夫された単位です。

 また放射線は、放射線を発する物質(放射性物質)から距離が離れるほど、被曝する時間が短いほど、生体への被曝量(放射線吸収量)が小さくなります。


 今、TVで報道されているのは、マイクロシーベルト(μSv)、若しくはミリシーベルト(mSv)という単位で、
 1 Sv(シーベルト) = 1000 mSv (ミリシーベルト) = 1,000,000 μSv (マイクロシーベルト) です。

 この単位の数字が大きいほど、人体への影響が大きくなりますが、現在TVで報道されているのは、1時間あたりの「マイクロシーベルト」「ミリシーベルト」を示しており、注意が必要です。
 (消費電力を示す「W(ワット)」と、それに時間を掛けた電力量「Wh(ワット時)」と似たような関係)


 放射線障害には、急性のものと、長期性のものに分かれます。

 ・急性放射線障害は、1時間あたり25万マイクロシーベルト以上の放射線を受けると発症。
 (※数値が大きくなるにつれて、白血球減少→リンパ球減少→悪心・嘔吐→出血・脱毛→死亡)

 ・長期性放射線障害は、健康な成人の場合、1年間あたり5万マイクロシーベルト以上で発症。
 (※長期性放射線障害の症状は白血病・ガンなど)
 (※放射線に弱い「幼児・妊婦など」は、1年間あたり1万マイクロシーベルト以上で発症)


 人体が急性放射線障害を引き起こすのは、1時間あたり25万マイクロシーベルト=250ミリシーベルト=0.25シーベルトが目安になります。
 (※1時間あたり25万マイクロシーベルトの被曝で白血球が減少し始めます)

 福島第一・第二原発で事故処理作業をされている方の場合、一番酷い時で、1時間あたり40万マイクロシーベルト(400ミリシーベルト)の放射線に曝されましたが、
 そこでの作業時間が15分だと、実際には15分=0.25時間となり、被曝したシーベルトの値は、
 0.25時間×40万マイクロシーベルト/時=10万マイクロシーベルト。
 つまり、上術の急性放射線障害を引き起こす25万マイクロシーベルトを下回ります。


 逆に300マイクロシーベルト(0.3ミリシーベルト)程度の弱い放射線(胸部X線撮影レベル)でも、もし7日間それを浴び続けていれば、
 7日×24時間×300マイクロシーベルト/時=5万400マイクロシーベルトとなり、
 急性放射性障害は引き起こさないものの、人体に長期性放射線障害(白血病・ガンなど)を引き起こす1年間あたり5万マイクロシーベルト以上の被曝量に達します。


 あまり知られていませんが、放射線を発する放射性物質は、地球上のあらゆる物質に含まれおり、宇宙からも放射線(宇宙線)が地球上に降り注ぐため、一般人が普通に生活をしていても、平均で1時間あたり約0.274マイクロシーベルトの自然放射線を浴びています。
(※皮肉ですが、原子炉や自然の放射線から、完全に隔離されている原子力潜水艦の乗組員は、地上で生活している人よりも、自然放射線を受ける量が小さくなります)

 一般の人が普通に生活をしていても、1年間では、
 365日×24時間×0.274マイクロシーベルト/時=約2400マイクロシーベルトの自然放射線を受けます。
 (ホルミシス効果で、自然放射線を受ける量が少なすぎても、体にあまり良くないという説もあります)

 以上のように、生体への放射線吸収線量の単位「シーベルト」は、放射線を受け続けた時間の総被曝量を考慮する必要があります。


 以下、急性放射線障害と長期性放射線障害に分けて、シーベルトの値の影響(症状)を記します。

★急性放射線障害を引き起こす1時間あたりの被曝量。
(※30分被曝なら数値は半分、2時間被曝なら数値は2倍)
25万マイクロシーベルト=250ミリシーベルト:白血球の減少
50万マイクロシーベルト=500ミリシーベルト:リンパ球の減少
100万マイクロシーベルト=1000ミリシーベルト=1シーベルト:嘔吐・水晶体混濁等
200万マイクロシーベルト=2000ミリシーベルト=2シーベルト:出血・脱毛等。5%の人が数日で死亡
300万マイクロシーベルト=3000ミリシーベルト=3シーベルト:50%の人が数日で死亡
1000万マイクロシーベルト=1万ミリシーベルト=10シーベルト:ほぼ100%の人が数日で死亡
1億マイクロシーベルト超=10万ミリシーベルト超=100シーベルト超:即死(人体のタンパク質が即座に破壊)

★長期性放射線障害を引き起こす1年間あたりの被曝量。
(※症状は白血病・ガンなど)
2400マイクロシーベルト=2.4ミリシーベルト:一般人が1年間に受ける自然放射線の被曝量。
10万マイクロシーベルト=100ミリシーベルト:幼児・妊婦が長期性放射線障害を引き起こす被曝量。
50万マイクロシーベルト=500ミリシーベルト:健康な成人が長期性放射線障害を引き起こす被曝量。


 マスコミ報道では、1時間あたりのマイクロシーベルト量が報じられているので、人体への影響については、被曝した総時間数を掛けて、急性放射線障害を引き起こす1時間あたりの量なのか、長期性放射線障害を引き起こす1年間あたりの量なのかを計算で導く必要があります。

 余談ですが、以前よく使用されていた被曝量の単位「レム」は、
 1 rem(レム) = 1000 mrem (ミリレム)
= 0.01 Sv(シーベルト) = 10 mSv (ミリシーベルト) = 10,000 μSv (マイクロシーベルト)
 で、換算できます。

 レムからシーベルトに単位が変わったのは、国際単位系 (SI) への統一によるものです。
 (気象情報の気圧単位が、ミリバールからヘクトパスカルに変わったのと同じ理屈)

転載元転載元: Walking〜どこまでも♪


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