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 この記事は、デマを広げたり、いたずらに不安を煽るものではありません。
 冷静に原子物理学上の知識・情報を分かりやすく提供する趣旨です。一切の政治的主観を排します。
 転載は自由にして頂いて結構です。
https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/9b/52/festiva1202/folder/1816713/img_1816713_64183354_0?20110329092300

 福島県の福島第一・第二原発の事故に関連して、主に原子物理学の見地から、正確な知識・情報を提供する記事を私のブログに掲載してきました。
 放射線や原子力関連の私の記事は、予想以上に反響が大きく、皆様の参考になったようで幸いです。

 今回は、マスコミですら勘違いしている、放射線・放射能・放射性物質・放射性同位体について、取り上げてみたいと思います。


 まず、「放射線」「放射能」の違いについてですが、「以前の記事」にも載せた通り、
 「放射能」は、物質が「放射線を出す能力」のことで、人体に直接、害を及ぼすのは「放射線」です。

 マスコミの「放射能を浴びた」という報道表現は間違いです。正確には「放射線を浴びた」という表現となります。
 「放射能」の正しい言葉の使い方としては、『この物質は強い「放射能(=放射線を出す能力)」を持っている』といった表現となります。


 次に、原発のニュースでしばしば報道される「放射性物質」についてですが、これは「放射能(放射線を出す能力)」を有する物質を指します。
 ちなみに、TVでもレポーターが勘違いしていましたが、「放射能」は放射線を出す「能力」のことであり、「物質」ではありません。

 このあたりは、マスコミ自体も誤解しているケースが多いので報道には注意が必要です。
 (日本のマスコミは、理系人材があまりにも少ないので、誤解が多いのも致し方ないのですが)


 そして、ここからが本題。

 「放射性物質」とは、そもそも何ぞや?という疑問をお持ちの方も多いかと思います。

 ここでキーワードになるのが、「元素(原子)」「放射性同位体」という言葉です。
 元素(原子)というと、学生時代に「水兵リーベ、僕の船...」という語呂合わせで、覚えた方も多いのではないでしょうか(笑)。


 元素(原子)は、1990年代後半から新発見が相次ぎ、現在では118種類の元素が確認されています。
 (※118種類の元素には、IUPAC(国際純正・応用化学連合)未承認の元素も含みます)

 以下に、学生時代にお馴染みだった(笑)、元素の周期表を掲載します。
 一覧表はそのままだと見辛いので、画像右下の+ボタンをクリック拡大してご覧下さい。
https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/9b/52/festiva1202/folder/1816713/img_1816713_64183354_1?20110329092300

 現在、確認されているのは、「原子番号1:水素」から「原子番号118:ウンウンオクチウム」までの118種類。
 ちなみに原子番号113〜118は、正式な元素名がつけられていないため、暫定的に『ラテン語の「数字」+接尾辞の「イウム(ium)」』を元素名にしています。

【ラテン語の数字】
1:ウン、2:ビ、3:トリ、4:クアド、5:ペント、6:ヘキス、7:セプト、8:オクト、9:エン、0:ニル

 例えば、原子番号113の元素は、ウンウントリウム(Ununtrium)といった具合です。
 (日本語で例えれば、「いちいちさん番」と言っているようなもの(笑))

 余談ですが、「原子番号113:ウンウントリウム」の元素(原子)は、日本の理化学研究所が発見したもので、発見国である「日本(Japan)」にちなんで「ジャポニウム(予定元素記号Jp)」が正式元素名の候補に挙がっています。

 ちなみに、国名や大陸名が元素名になっている例としては、
・原子番号21:スカンジウム(スカンジナビア:スウェーデンとノルウェーの古名)
・原子番号31:ガリウム(ガリア:フランスの古名)
・原子番号32:ゲルマニウム(ゲルマン:ドイツの古名)
・原子番号44:ルテニウム(ルテニア:ロシアの古名)
・原子番号63:ユウロピウム(ヨーロッパ大陸)
・原子番号84:ポロニウム(ポーランド)
・原子番号87:フランシウム(フランス)
・原子番号95:アメリシウム(アメリカ大陸)
 などがあります。


 話が横道にそれましたが、これら118種類の元素(原子)は、同じ原子番号(陽子の数)でも、原子核(陽子+中性子)に含まれる中性子の数が異なるものがあり、中性子の数によって、

・放射線を放出せず、状態が変化しない「安定同位体」
・放射線を出して、他の元素(原子)や安定同位体に変化する「放射性同位体」

と呼ばれる2種類の同位体があります。
(※ウランのように放射性同位体しかない元素(原子)もあります)

 安定同位体は陽子と中性子のバランスが安定しているのに対し、放射性同位体はバランスが不安定になっています。


 結論から先に言うと、ニュース報道で流れる「放射性物質」とは、この「放射性同位体の元素(原子)」を含む物質を指します。

 放射性同位体は、原子炉や原爆の核燃料である「ウラン」や「プルトニウム」だけでなく、人体にとって身近な元素(原子)のほとんどに存在します。

 例えば、「原子番号1:水素」の場合、原子核を構成する陽子は1個だけですが、中性子の数は1個・2個・3個と数が異なる水素原子が3種類あり、それぞれ軽水素、重水素(デューテリウム)、三重水素(トリチウム)と呼ばれます。
 この3種類のうち、
 軽水素(陽子1+中性子1)と重水素(陽子1+中性子2)は、安定同位体。
 三重水素(陽子1+中性子3)は放射性同位体(=放射線を出す)です。


 人体の材料であるタンパク質は、水素・炭素・窒素・酸素・リンの原子(元素)が集まってできた複雑な高分子化合物ですが、これら全ての原子(元素)にも、放射性同位体が存在します。

 ただ、タンパク質を構成する水素・炭素・窒素・酸素・リンなどの原子(元素)は、ほとんど100%近くが安定同位体であり、放射性同位体は無いに等しいくらいの存在量です。
 なので、通常は人体内の放射性同位体を心配する必要はありません。


 しかし、厄介な存在の元素もあります。
 その代表格が、今回の福島原発事故で一躍有名になった「セシウム」です。

 「原子番号55:セシウム」も、自然界では、そのほとんど100%近くが安定同位体です。

 しかし、原子炉や原爆の核燃料である「ウラン」に中性子をぶつけて、ウラン原子核の核分裂を起こすと、ヨウ素原子の放射性同位体(ヨウ素131、甲状腺ガンの元)や、キセノン原子の放射性同位体が発生し、さらにセシウム原子の放射性同位体(セシウム137)が発生します。(いわゆる放射性廃棄物)

 セシウムは、大気中に飛散しやすく、液体に溶けやすい性質があります。この性質により、セシウムの放射性同位体(セシウム137)は、広範囲に拡散することになります。

 そして厄介なことに、セシウムの放射性同位体(セシウム137)が体内に入ると、血液の循環で腸や内臓に放射線(ガンマ線)を放出し、人体を内部から直接傷つけます。
 さらに体内のミネラル分である「カリウム」と置き換わって筋肉に蓄積され、その間、放射線(ガンマ線)を放出し続けます。
 これがいわゆる内部被爆(体内被曝)と呼ばれる極めて危険な状態です。

 セシウム137は最終的には腎臓を経て体外に排出されますが、体内に取り込まれてから体外に排出されるまで100〜200日かかり、その間、体内の組織が直接、放射線(ガンマ線)に曝されます。

 数式や化学式を使わずに、放射線・放射能・放射性物質・放射性同位体を説明するのは、ちょっと難しいのですが、この記事が皆様のお役に立てれば幸いです。

転載元転載元: Walking〜どこまでも♪

閉じる コメント(5)

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質問です。
Cs-137はβ崩壊で多くは放射性Baになり、放射性Baはγ崩壊で安定したBaになると思います(なので、主にエネルギーが大きいβ線)。
ここで、Cs-137は半減期が30年と長いため、安定している確率が高く、体内で崩壊しない限り放射線は出さないと思いますが?
なので、"出し続ける"は"たくさんのCs-137が体内に入った場合"という条件付だと思います。
一方、Csは100から200日程度で新陳代謝により体外に出るという話ですので、かなりの量を取り込まない限り、β崩壊前に体外に排出されると思いますが間違っていますでしょうか?

2011/4/1(金) 午後 5:55 [ しがない遊び人 ]

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oob_oof_oow さんへ
私もにわか専門家モドキですので間違いがあってもご容赦を。

>かなりの量を取り込まないで、
仰る通り、数が多ければ多いほど、ぶつかる可能性が高くなります。
その為の指標がベクレル単位です。

そして、そのベクレルに影響を与える指標が、半減期と考えて下さい。
以下、計算式。

ラジウム226の半減期は1600年
式がコメントに掛けませんが、その半減期から
1秒間に直すと原子核1個あたり約1.37×10-11個の原子核が崩壊することに相当します。

1gのラジウム226には、約2.66×10^21個の原子核がありますので、
1.37×10^-11×2.66×10^21 = 3.64×10^10

これがベクレルです。
ベクレル単位は時間と共に崩壊によって減少してゆくので、計算するにあたっては経過時間を考慮する必要があります。

2011/4/2(土) 午前 11:04 [ K9 ]

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毎秒ごとに原子核が自然崩壊する確率は、放射性核種の半減期に反比例しますので、確かに半減期が長い=ベクレルの数値は小さくなりますが、面倒な事は考えず、降下量としてのベクレルと、そのベクレルの結果であるSv(人への影響を換算)を注視すれば良いと考えます。

もっと簡略化しますと、単純にヨウ素のベクレルとセシウムのベクレルの数値が同じでしたら、セシウムのベクレルの方がコワイという事になります。

2011/4/2(土) 午前 11:05 [ K9 ]

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回答ありがとうございます。私も過去の知識とネットの情報を総動員しながら似たようなことを書いているので、もし自分が間違っていたらまずいと思い、質問させていただきました。
個人的に気になったのは、Cs-137が体内で放射線を出し続けるというくだりで、読者がセシウムに過剰反応するとまずいなと感じました。
回答いただいた通り、ベクレルで考えたら、おっしゃるとおり長年出し続けることになるので、合点がいきました。
ありがとうございます。

2011/4/2(土) 午後 1:47 [ しがない遊び人 ]

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うひょほほーっ!!(゚∀゚≡゚∀゚)
昨日セレヴとセックチュしたら、まさかの12万ゲットォォォォ!!!!
熟れたボディも思ってたより工ロくてウマウマ(゜∀゜)でちたwwww
ttp://ga.ints.me/kczh1rg/

2011/7/24(日) 午前 2:21 [ テンションあがるわぁぁ!! ]

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