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経済合成の誤謬

合成の誤謬(ごうせいのごびゅう、fallacy of composition)とは、ミクロの視点では正しいことでも、それが合成されたマクロ(集計量)の世界では、かならずしも意図しない結果が生じることを指す経済学の用語。
 
何かの問題解決にあたり、一人ひとりが正しいとされる行動をとったとしても、全員が同じ行動を実行した事で想定と逆に思わぬ悪い結果を招いてしまう事例などを指す。
例えば、家計貯蓄などがこれに当たる。所得が一定の場合、一家計が消費を削減した場合、必ず貯蓄額が増加する。これはミクロの視点において、一家計の支出削減は経済全体に影響せず、その家計の収入を減少させる効果は無いと考えられているためである。そのため所与の収入において支出を削減すれば貯蓄額が増加する。
しかしマクロの視点においては状況が変わる。経済全体の家計が貯蓄を増加させようと消費を削減した場合、貯蓄率が上昇するが貯蓄額は変わらない。一方の経済主体の支出は、他方の経済主体にとっては所得となる。そのため家計全体が消費を削減することで、家計の所得も減少するためである。収入が減少するため貯蓄額の割合は高まり、貯蓄率が上昇する。家計の支出削減の努力は自らの収入減少に帰結する。マクロ経済においては家計の貯蓄額を決定するのが企業・政府の投資と経常収支の合計だからである。
他にも、企業の人員削減や、関税障壁による貿易収支の改善など、ミクロでは正しくてもマクロでは違う結果をもたらすものは多い。それはミクロのメカニズムが経済の一片における仕組みであるのに対して、マクロのメカニズムは経済全体の循環における仕組みだからである。
 
 
以上、Wikiより
 
 
合成の誤謬。
財政出動派の論拠ともなっています重要な理論の一つですが、
 
この理論が極端になりますと、
『穴を掘って埋めても景気が回復する』なる暴論につながります。
 
それはさておき、
現実にあてはめますと、
例えばパパさんの年収800万円、ママさんのパート100万円の家庭で、ママさんがパートを出来なくなり、パパさんの給与が450万円に下がったとしたら、皆さんどんな対処をしますでしょうか?
 
世帯年収900万から450万になりましたら、多くの御家庭は生活を見直すと思います。
900万には900万の450万には450万の生活があるわけです。
 
一般的には、これは非常に正しい判断と考えられると思われます。
年収が減った以上、その年収に合わせた生活をするのは合理です。
逆に年収が減ったにも関わらず、以前の生活を行なうのは無理です。
(非合理とも言いますが、本記事では無理で表記します)
 
さて、これら平時なら合理であるべき個々の判断(ミクロ)が、全体のバランス(全体の集合、マクロ)で、より深刻になる場合があります。
 
これが合成の誤謬の概念です。
 
端的に言いますと、平時なら問題がないのですが、社会全体の給与が減ってしまうような不景気の際に社会全体が個々の生活を一斉に見直すと、経済活動が収縮し、より不景気になるという考え方です。
 
給与が減る→消費を控える→モノが売れず、その業界の給与が減る→消費を控える。。。。→
 
っという概念になります。
 
この負の螺旋を止める為に、消費が減った分を誰かに消費してもらい、その負の螺旋を止め、逆に正の循環にする。
 
つまり、
 
給与が増える→消費をする→モノが売れ、その業界の給与が増える→消費が増える
 
といのが財政出動派の思い描いている姿です。
 
ただ、給与が減っているにも関わらず、以前の生活を行なうという無理を個人が出来るわけもなく、その無理は個人の破綻ですから、代わりに、その無理を誰かにやってもらいたい。
 
では、誰がその無理を行なうのか?
それは政府であり、財政でその無理を行なおう。
 
これが、財政出動派を支えるロジックになっています。
なっていますが。。。
 
螺旋的に給与が減る事(青文字の給与が減る)に関し、政府の財政出動は確かに有効と感じます。
ただ、最初の切っ掛けである赤文字給与が減るという事象に関して政府の財政出動だけでは、無力な場合があります。
 
無力な場合、それは二次的な経済の伸縮を抑えている間に赤文字の業界の人達が体制を立て直さなくてはいけないのですが、その業界が立て直せない場合があるからです。
 
この立て直せない理由とは何か?
なぜ?立て直せないのか?
現在の日本が抱える苦境の背景の一つですが、日本経済がなかなかTakeOffをしない理由。
いくら、財政出動をしても砂地に水が吸い込まれて行くようで、広がりを見せない理由。
 
日本の豊かな土壌が砂漠化しかけている理由を、その根本を解決しない限り、いくら真水を与えても、その効果は薄く、その限りではないと感じます。
 
個人的には本来の対策を行なわず、真水を与え続ける事で、構造転換を遅らせた事(先送り)は、将来、日本に大きな被害を与える事になるのではないかと懸念しています。
 
事の本質は給与が減るというトリガーを引いた業界を立て直すのか、新たな産業を起こすかしない限り、解決しません。
 
この根本が直らない故に日本は出血を続け、その為に輸血、もしくはイタミ止めを求め、行ない続けています。
 
そして、今や現状維持すら出来なくなりつつある事を気付いている、日本の企業は国内に投資を行ないません。
 
この企業の合理を無理に、非合理にするような政策が、『穴を掘って埋める様な行為』で対応出来ない事は言うまでもありませんよね。
 
私が求める財政出動とは、日本企業(海外企業含む)が国内投資したがる環境の整備です。
 
穴を掘って埋める様な公共投資でも景気の下支え効果はありますが、最初の赤字の給与が減る事に関しては無力です。(変化に対するイタミの緩和にはなります)
 
 
そこに対し、成長に対しフォーカスがボケたからこそ失われた20年があると私は分析しています。
 
 

閉じる コメント(19)

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おっしゃるとおりですね。
国内投資したがるように経済を動かす政府になってほしいものです。

傑作

2011/5/15(日) 午前 6:11 [ 鉄人4号 ]

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単純にそれだけとは思えません

話がうますぎますよ、だんな。

2011/5/15(日) 午前 6:19 みずがめ座

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Xマンさんへ
傑作ありがとうございます。
結局、バブル崩壊以降、日本の潜在成長率は低下の一途を辿っていますが、その潜在成長率の底上げこそが、大事であり、借金が出来る間に行なう政策でもあると思います。

2011/5/15(日) 午後 8:17 [ K9 ]

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水がめ座さんへ
単純なんですよ。親方。(笑)
潜在成長率を上げれば、経済的に日本は復活するハズです。
(それが仕合せかは知りませんが・・・)

ただし、潜在成長率を上げる方策が単純でないですど。
理由は日本の潜在成長率の低下の原因たる要因が多岐にわたるからです。

本記事で簡単に書いてる理由は、
合成の誤謬と財政出動派のロジックを説明する事を目的とした記事ですので。
そこはご容赦を。

そも日本が苦しい要因分析記事。
私、何度も記事化していますので、正直、飽きてしまっています。(笑)

2011/5/15(日) 午後 8:29 [ K9 ]

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ホント大変だわ。。。

分析しても、どうなるってもんでもないしねえ

占い師と大差ないような、

2011/5/16(月) 午前 5:47 みずがめ座

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水がめ座さんへ
夢日記のようなモノです。
親方と同じですよ。
ニヤリ。
強いて言えば、私の夢通りっとでも将来、言いたいんでしょう。(笑)

まぁ、分析してもどうにかなるモンでもないですが、勘違いがまかり通る可能性を恐れてます。
つまり、選挙で参考にして欲しく一連の記事(政治、政策、経済、教育系の記事)を書いているんでしょうね。

2011/5/16(月) 午前 6:15 [ K9 ]

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多分、ムダなあがきですけど。
諦められないという所ですか?

2011/5/16(月) 午前 6:16 [ K9 ]

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どうも遅くなりました。まずは返礼TBをしておきます。

2011/5/18(水) 午前 10:14 [ - ]

【いくら、財政出動をしても砂地に水が吸い込まれて行くようで、広がりを見せない理由。】
そもそも20年前よりも公共投資の額が減っているんですから、財政そのものも出動されていないと、私は思いますけど。でも・・・
【私が求める財政出動とは、日本企業(海外企業含む)が国内投資したがる環境の整備です。】
について言えば、まさしくその通りだと思います。

2011/5/22(日) 午前 10:48 keinoheart

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keiさんへ
20年前との比較と言いますか、財政は増やしたんですよ。
猛烈に。94年から10年間で公共投資に630兆円です。
で、結果が小泉前です。
GDPに占める建設土木業界の割合はピーク時にアメリカの3倍を超えました。
その結果が今です。(失業者対策にはなりましたけど)

社会保障費の伸びに付随しまして、小泉改革以降、公共投資を減らした結果、今のレベルは諸外国と比較しても遜色のないレベルにまで落ちて来ていますが、
なぜ?あれ程の公共投資をしても今、苦しいのか分析する必要があるとは存じます。

因みに今もアメリカの2倍ほどの人員規模(対GDP比で)誇っていますので、公共投資の安易な削減は、その方々の生活破綻。
で、それは経済の縮小を意味しますので、、、。
その意味でリチャード・クー氏や三橋氏の言説は正しいです。

2011/5/22(日) 午前 11:24 [ K9 ]

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ただ、安易な公共投資の結果、産業の転換が進まず、20年前と比較し、まったく前に進んでない現状維持ないし後退気味。

そこは真水の630兆円が【日本企業(海外企業含む)が国内投資したがる環境の整備です。】につながらなかった証左ですね。

たぶん、サッチャーさんのような強烈なイタミの伴なう改革が、体質改善が必要なかもしれません。

2011/5/22(日) 午前 11:24 [ K9 ]

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私が問いかけたいのは何に投資したか中身です。
因みに、不採算事業を閉め、新たな部門に投資するのは当然の事と思います。
ジリ貧状態で破滅を待つなど性にあいませんので。
本当の危機はギリシャのように借金出来ない状態です。
今の状態で財政を切り詰めて日本の状況が好転するようでしたら私も財政再建派を支持しますが、今の状態で安易に削りますと、失業者に溢れ、日本経済が壊死しかねません。

ですので、私は財政出動はするが、その中身は問うという考え方に立っています。
が、Keiさんではないのですが、経済合成の誤謬を理由に何でも投資しろという暴論もありまして、そこが困っています。
良く、その辺を語るとミンス支持者めって苛められています。

2011/5/22(日) 午前 11:36 [ K9 ]

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尚、日本の公共投資の額はアメリカ(他の先進各国比較も同じぐらい)の対GDP比で現在、1.5倍ほど。

景気対策だったとは言え、以前の水準があまりに、90年代があまりに過大すぎた可能性もあります。

2011/5/22(日) 午前 11:40 [ K9 ]

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K99様
横から失礼します。
企業が国内への投資を進めたがる政策が重要なのは当然だと思うのですが、サッチャー氏の改革が果たして良かったのでしょうかね?

今の英国を見ますと、不採算事業を閉め、新たな部門に投資したために、国内産業は衰退し金融業だけが生き残りましたよね。

何に投資するのが正しいのか、本当に難しい問題で私も答えが見出せてませんが・・・^^;

2011/5/23(月) 午前 9:03 [ 鉄人4号 ]

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Xマンさんへ
問いかけとズレるかもしれませんが、

>サッチャー氏の改革
イギリス経済(活力)を蘇らせたのは間違いないので、その意味では評価できると思います。
実際、その経済改革によってイギリスの失業率は12%(サッチャーの改革のイタミ)→4%台(2000年代)まで低下しています。
数字上の成績は文句のつけようがないかと。
但し、サッチャー単独というより、トニーブレアとの合作(ニューレイバー)のような所に注意が必要です。

実は新自由主義的な経済改革だけではダメだった?がイギリスの結果なのかもしれません。

記事書こうかな。誤解招きそうですね。
私の場合、何かに固守するのでなく第三の道を探って欲しいとは思っています。

2011/5/23(月) 午後 0:38 [ K9 ]

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>国内産業は衰退し金融業

衰退したとは仰いますが、イギリスの産業に競争力がなかったですからね。
無理に維持する事によって生じるイタミは大きかったと思います。
で、イギリスの場合、たまたま金融(シティー)があっただけかと。
だから、日本も金融かと言いますと、それは短絡的ですよね。(そこは意見が一致しているかと)

日本にシティーがあるかと言いますと、日本の大手銀行の能力の低さは折り紙つきです。(事業にカネを出すのでなく財産に貸す。未来予測が不得手と感じています→与信)
器がないですね。

一方、日本の製造業は未だ元気です。

イギリスと日本では状況、得手不得手が違いますから、そこは日本の流の産業政策が必要と存じます。

2011/5/23(月) 午後 0:47 [ K9 ]

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>何に投資するのが正しいのか

技術革新により産業に携われる人の必要数は減りました。
ならば単純に日本の得意分野でもある技術革新分野につながる投資を行なうのが良いと思います。

産業を呼び込む投資が不活性なのは、各地に残っている工業団地の売れ残り状況で、その苦しさ、投資効率の悪さが伺えると思います。

つまり、ハードがあっても、そのハードを使いこなせるソフトが日本にないのだと思います。
ならば、ソフトの拡充こそが重要であって、その答えの一つが教育になるではないかと考えています。

2011/5/23(月) 午後 0:54 [ K9 ]

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遅くなりました。「経済合成の誤謬」なんて聞き慣れない用語が使われてるので、あんまり穿った事は言えないですが。

要するに「パーツの論理」と「トータルの論理」は別物なんだ、という事でいいでしょうか?簡単過ぎますが・・・・・。

もしかしたら違うかも知れませんが、昔のオランダのバーナード・マンデヴィルという経済思想家が、「個人の悪徳(欲望の事)は、公共の利益」とかいう名言を残したそうで。

2011/5/26(木) 午前 0:51 [ - ]

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ZODIACさんへ
>簡単過ぎますが・・・・・。
ほぼ当り。(笑)
全体最適化と部分最適化は違います。
っと言う事です。

>「個人の悪徳(欲望の事)は、公共の利益」

逆に個人が陰徳を積み過ぎると公共の利益(経済的)にはならないかもですね。
花見禁止令を石原都知事は出しましたが、経済的にはアウチになります。

感覚的に行くと風が吹けば桶屋が儲かるの方が経済合成の誤謬のイメージに近いかもです。

2011/5/26(木) 午後 7:10 [ K9 ]

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