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赤松大臣の外遊が盛んに批判されていますが、一部、疑問に思いましたので検証記事を書いてみました。
特に赤松大臣が現場にいなかった事が、被害拡大の一番の原因との批判は一部、肯定しますが、一般的な組織人、企業人の考え方では、やや違和感を感じてます。
前回記事『政治主導のまやかしと口蹄疫』http://blogs.yahoo.co.jp/k99999five9/24762208.htmlはいきなり結論として、民主党を批判していましたが、今回はキッチリ、その違和感も含め、民主党の責任を追及したいと思います。
最初に、ほとんどの政治家は防疫に関する知識等が無い為、現場にいても無用ですし、邪魔です。 また、立場上、実務も行いませんし、出来ません。 よって、赤松大臣が現場にいなかった事が、被害拡大の一番の原因との見解は間違っていると思っています。 自民党の江藤議員等の頑張りは理解しますし、賞賛したいのですが、実際に防疫をし、殺処分をするのは別の人です。 実際に行動するのは現場、つまり県の担当者と官僚です。 ですから赤松大臣自体が宮崎の現場にいても、実際の口蹄疫拡大を防ぐのに実質的な役割を果たさなかったと思いますし、
巷に氾濫する論調、赤松大臣の外遊、現場にいない事を原因とする論調に対し、私は強い違和感を感じています。 では、政治家の役割は何なんでしょう? 一般的な組織人、企業人の考え方を言わせてもらえば、 日本の企業の場合、営業、財務のみしか経験した事のない方が製造業の社長になる事は多々ありますし、彼ら知識のない方々が現場で起きた不具合の陣頭指揮をとれるかというと、ほとんどの場合、取れませんし、取りません。
ですので、不具合対応は現場問題になり、実際に対応するのは専門家集団になります。
今回の口蹄疫の場合、一般的な製造系企業の文系社長と赤松大臣は同じ立場にあり、専門家集団が官僚に相当すると私は思います。
一方で、私は非専門家社長、大臣、それ自体が問題という認識を持ちません。
なぜなら、例として自民党の石波元農水大臣はまったくの素人でしたが、農水関連事業で齟齬を来たした事を見聞きしませんでしたし、 多くの文系社長がそれなりの対応をしている事実を知っているからです。 歴史上の話ですが、 漢の高祖劉邦は実務能力において、宿敵、覇王項羽に大きく見劣りし、兵を率いる能力は部下の韓信と比較して大きく劣っていたと思いますが、 最終的な勝者は高祖劉邦であり、400年の長きにわたる漢王朝を打ち立てています。 漢楚の戦いにおいて最高の武将と言われる韓信は自身を、兵の大将とし、劉邦を将の大将と評していたそうですが、
この事実が指し示す通り、TOPに実務能力がある事は成功の十分条件ではないと私は主張したいです。
あれば、あるに越したことがないのですが、能力の劣る大将が成功するケースは結構、多く、その前提条件は、
相手を信用し、権限を委譲し、その責を部下に問わず、最終決定者たる自身に問う事を徹底する事でしょう。
何でもこなしちゃう天才が登場する場合もありますが、その後が短命に終わるケースが多く、劉邦の漢王朝のように長続きしない場合がほとんどです。
長続きする場合は組織をつくる人であり、そして組織を作る人は自身の限界を知っている人なんでしょう。
指導者が天才で、その後、短命に終わった代表例はアレクサンドル大王、始皇帝でしょうか? 話がややそれましたが、石波農水大臣や、製造業における日本の文系社長が成功する例も上記のようなケースと思われます。 これらを参考にTOPマネージメントを考えると、専門家でないTOPと、その部下がとれる対応は ①、TOPは現場に権限を委譲し、信用し、その責の総てを部下に問わず、最終決定者たる自身に問う事 ②、部下たる専門家は上の信任に応え、問題解決の最短プロセスをTOPに示し、その行動計画を承認してもらう事で粛々と作業を進める事 上記、2点が肝要かと思います。
さて、前置きが長くなりましたが、今回の口蹄疫に対する出来事を時系列表でまとめた場合、最低限の①、②は行なわれていたようです。
時系列 http://anond.hatelabo.jp/20100510214137 何せ、10年前の成功体験がありますから。 実際、10年前の対策を参考に蹄疫発症日に対策本部(本部長は農水大臣)が設置され、まったく同じ処置が取られています。 対策比較 http://anond.hatelabo.jp/20100511231152 では、なぜ?今回、その対策が効かなかったのでしょう。 原因はどうも10年目と同じ対策しかとらず、初動対応を間違ったことにあるようです。 各種情報を総合しますと、
①10年前は酪農過疎地域に対し、今回は酪農密集地域であった点
②10年前と比較し今回はウィルスの感染力が高い可能性がある点 (**) O型/JPN/2000のウィルスが弱かったことは以下のWebサイトを参考に。農研機構 http://www.naro.affrc.go.jp/top/seika/2002/niah/do025.html ①については発症した時点でわかっていた事なので、被害自体が10年前と比較し大規模になる事を十分予見できた事でした。 その事を現場担当たる官僚が認識していたかどうかです。
どうも、その後の対応を見るとかなり怪しく、想定以上の被害の拡大により当初、予定していた人員では足りなくなった可能性があります。 また、それ以上に感染力の強いウィルスにより、前回の対策の焼き直しでは対策が利かず、被害が拡大したとも考えられます。
従って、前回、1000頭の殺処分で済んだ口蹄疫ですが、自民党の江藤議員が対応しても、民主党と同様な事になったと私は思っています。
少なくても1000頭では済まなかったでしょう。 もっとも、ここまで被害が拡大したかと言うと。。。 さて、上記記事の書き方だと、赤松大臣に責任がないような主張に聞こえますが、個人的に赤松大臣の責任は重大と考えています。 なぜならTOPマネージメントが必要だった時期に、責任者たる彼は適切な指示(人と資材の手当)を現場に対し行わなかったからです。 ここから、推測記事ですが、当初、赤松農水大臣は官僚の報告を聞き、後事を託して外遊に出かけたと思います。 おそらく10年前と同じ対策をすれば大丈夫だと判断したのでしょうし、専門家でない赤松大臣は、官僚の行動計画書の説明を聞き、想定内の被害に対応できる権限を現場に委譲し安心して外遊に出かけたと思います。 問題は、官僚の失態により想定以上に被害が大きく拡大した事でしょう。 そして、想定外の被害に対応する現場裁量権が官僚側に、おそらくなかったんだと思います。 実際、7、8万頭という殺処分対象数に対し、連休明けの現場人員は、自衛隊も含め400人弱(テレビでの報道)だったと記憶していますので、まったく人数の手当が被害の拡大に対して追いついていません。 被害拡大時が連休にあたった為、余計に人の手当てがつかなかったのかも知れませんが、この時こそ政治主導の出番だったと思います。 外遊に出かけた大臣以外に政務三役たる副大臣、政務官もいますし、何らかの対応がとれたハズですが、結果的に外遊に出た赤松大臣も含めて、現場の悲鳴のような声出しに対し、対応できませんでした。 場合によると悲鳴のような声出し自体が彼らに届いていない可能性もありますが、TOPとして責任をとる必要があります。
そして人の手配や資材は明らかにTOPマネージメントです。 (応援に来た人の抱える仕事に遅延が生じる為、仕事の優先度をTOPがつける必要があります。ただし、必要人員、資材は上では判断できない為、現場から新たな計画書を出し直す必要もあります。) これは現場担当者に出来る仕事ではないですし、民間企業の現場にも、そのような裁量権はありません。
少なくともTOPの許可を得る必要があると思います。 その点において、拡大し続ける被害に対し、民主党の政務三役はあまりに無力でした。
ですから、江藤議員は不満を言いますし、宮崎の酪農農家も強い不満を覚えるのでしょう。 そして現場と大臣の温度差を強く感じる事で、現場にこない責任者(大臣)を批判するのでしょうし、外遊によって日本にいない不備を追及するのだと思います。
初動での対応の失敗は如何ともし難い(官僚にも責任あり)のですが、拡大し続ける被害に対する対応は政治主導を謳う民主党の責任が大です。
ですので、私は『政治主導のまやかしと口蹄疫』といった形で民主党を批判しました。 現場(官僚)と上層部(政務三役)の連携不足もあったかもしれませんが、連携不足の責任は上層部にあるでしょう。 小沢一郎は、今の日本の状態を招いた理由に政治家の能力不足(広義的には統率力、マネージメント能力)をあげているようですが、まさに、今の民主党政権は政治家の能力不足でガタガタです。 特に内閣の要である平野官房長官の調整能力不足は決定的で政権機能が、正常に働いていない事を示しています。 元から民主党議員の能力に懐疑的であった小沢氏は民主党を見捨てたかもしれません。
特に普天間の迷走は呆れているようですし、一切、発言を止めてしまいました。 極東での軍事プレゼンは第七艦隊だけ十分と発言していた事から、普天間に対する考えも明確だったと思いますが。。。 民主党の一部も小沢氏を切りたがっているようですし、何気に政界再編が加速する気がしてきました。
ただし、来年の統一地方選以降でしょう。 それまでは小沢氏、だんまりしていると思います。 本日、鳩山首相が陣頭にたち、1000億円規模の予算と人の増員を図るとの報道がなされました。 遅きに逸した感は間違いありませんが、これ以上、被害が拡大しないよう、民主党政権には頑張ってもらいたいと思います。 ただし、今回の責任をとり、何が悪かったか検証した上で、赤松大臣は責任をとるベキと考えます。 もし、赤松大臣が責任をとらなかった場合、一連の問題(普天間、政治とカネ)に対し、民主党政権は誰も責任を取らなかった事になり、無責任内閣の誹りを逃れる術はなくなるでしょう。
ここで責任を取らなくても、参院選でさらにキツイ民意に裁かれる事になると思いますので、私はまったくかまいませんが、早めの処置をお願いしたいところです。
何せ、社会に、そして何より子ども達に示しがつきませんので。。。
民主党には責任にある大人の対応をお願いしたいです。
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