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18日閉幕した5中全会では、2011〜15年の経済政策の運営方針を定める「第12次5カ年計画」草案を採択した。計画の詳細は3月の全人代で決定されるが、その中身は一言で言うなら
格差是正。
社会主義国、中国が格差是正を国の方針として長期計画を立てるのである。
これ程、滑稽な話はないだろう。
中国の格差は日本人の想像を遥かに超えた凄まじいレベルだ。
(故に日本を世界でもっとも成功した社会主義国とも揶揄される。
成果主義が導入されたのにも関わらず相変わらず、その格差は国際的に見ると大きくない。)
病気をすれば、医療費が払えず一家離散する貧しい地域もあれば、ロールスロイスで送り迎えする高級ホスピタルもある。
農村戸籍と都市戸籍で自由な移動は制限され、その生まれながらの格差は給与面だけでなく、教育、福祉、あらゆる面に波及する。
平等を国是としている国が世界有数の不平等、というより世界有数の不公平社会を構成している。
法治国家でなく人治国家である中国で生き抜く唯一の手段はカネと縁故。
(警察組織自体が極道組織であり、法はあって無きが如く。フジタの社員が逮捕されるような事例が日常茶飯事であるのが現状であり、そして身を守るモノはカネだけでは足りず、縁故を中心とした力をバックに抑止を働かせるしかないヤクザな世界)
そして、その縁故から外れた対象を、中国人は容赦なく痛めつける。
官僚の腐敗は凄まじく、北京近郊の陳情村は、その社会不正義の凄まじさを物語っており、力なく、まして縁故ものない人間にとって中国は決して住んではならない国だろう。
そんな中国が終に格差是正を国策として唱え始めた。
今春、日系の会社で労働争議が相次いだが、彼らの主張は以下の通りだった。
中国、現地単純労働者と日本人技術者の給与差はあってはならない。
この能力に依らない、しかも、20歳そこぞこの若者たちが主張する社会主義論は、そのまま現状の中国社会を形作った中国共産党への強い反発も感じ、非常に不穏な空気も合わせて想像させられる主張ではあった。
当てつけも多分に含まれていたのだろう。
現在の20〜30歳の中国人は、その上の世代に比べ我慢強くなく、文化大革命の苦労も、天安門も知らず、愛国教育と一人っ子政策により、その沸点が低いと言われている。
彼ら厄介な世代が、これから暫く、毎年1000万人(日本のそれは60万人)も4年生の大学を卒業するが、彼らが満足するような職も給与もないのは明白であり、非常に不安定な政治状況が中国に現出しようとしている。
(一般に大学進学率が上がり、大学生がエリートからマスになると政治運動が起きやすいと言われている。日本の団塊世代が好例だろう。エリートであるハズの自分達がエリートでない事に不満を抱え、反体制側になると説明されている。)
その対策として格差是正、富の再分配だ。
いよいよ中国は諸矛盾に本気で対応しようとしているかもしれない。
その対応に誤れば、従来言われている中国リスクが顕在化するのだが、さて。。。
過去における中国のスローガンは
10年前に住宅問題を提起して住宅バブルを起こし、5年前資源確保を謳って強引な資源争奪戦争、資源外交を行わせた。
中国は年次計画に記した内容を、日本と違いブレなく実行している。
今回、記された格差是正も、それが可能かどうかはともかく、なんらかの方策を矢継ぎ早に打つと思われる。
そして、上手く行く、行かないに関わらず、 少なくても5年で済む話でないのは明白だ。
次世代の政治主導者にも波及するテーマであると感じる。
この政治テーマを選択させた理由に、現中国政府の現状に対する強い危機意識を感じるのは私だけではないだろう。
この隣国の政治変動に対し日本として、どう?考え、どう?対処するか?
世界のGDPの30%を握ろうかと言われている中国の大地殻変動である。
日本として、その対処法を強く求められているのは間違いないだろう。
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2010年10月20日
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