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日本の報道ではアラブ社会、そして、中国やロシアへの影響と伴に語れられるエジプト情勢だが、実は先進国ほど影響が強いかもしれない可能性を私達は見逃していないだろうか?
 
日本の報道はひらすら、受け身だ。
一方、欧米のメディアの視点は違う。
 
明らかに自国への影響を考慮して報道している。
そして、その影響の視点が違うのは一目瞭然だ。
 
だから、ネット英雄の登場を欧米メディアは報道する。
一方、日本は報道しない。
 
この差は何処から来ているのだろう?
 
日本の報道は実に定型的な報道に終始しており、精々、政治空白による宗教勢力の勢力伸長への懸念と、主に日本の経済面への影響程度だ。
 
実にリテラシーが低い報道である。
 
今回、キーになった一つの要因はワーイル・グネイム氏の登場だろう。
もっと驚きをもって報道しても良いはずだが、今迄のところ日本の大手マスメディアの動きは非常に遅い。
 
これらから導き出せる点として興味深いのは、ネット世界から英雄、指導者が誕生する可能性への示唆である。
 
その点でネット環境が整った途上国より先進国の方がより示唆的であった思う。
 
確かに今回の反政府デモの動機は、日本等の先進国ではあり得ないが、ネット世界からの英雄の誕生は、発言の自由も含むネット環境が整った先進国ほどあり得る事である。
 
指導者の誕生。
実際、欧米メディアではネット世界を背景に、その世界のオピニオンリーダーのようなプロガーが誕生しているが、それが仮想空間から現実世界、政治の世界へ波及し始めた端緒と見てよいだろう。
 
日本でも三橋氏を代表格として素人政治家、経済家が発言力を増している。
私が昨夏の参院選で三橋氏を注目したのは、そう言った理由である。
 
が、残念ながら(氏の実力を私は買っていないが)氏は落選してしまった。
未だ日本のネット世界による現実世界へ影響力は限定的であるかもしれない。
 
一方でネットを利用した潮流が生まれつつあるのは間違いない。
 
尖閣における顔を知らない意識連帯。
それは現実に結びつき、一般の人達による政治デモへと発展した。
 
それ以上に、盛んに行なわれているのが、小沢氏擁護の政治デモである。
昨年の10月以降継続して数百人〜数千人規模のデモが行なわれているのだが大手メディアは一切、その動きを黙殺している。
 
小沢氏への支持表明だけでなく、検察や大手メディアへの批判も多分に含まれているから、余計に報道しないだろうが、この新しい情報伝達手段を利用した連帯意識の強化の潮流は、今後も続くと思われる。
 
 
ネット新党なる政党、もしくは指導者があらわれるかもしれない。
が、彼らは現実社会(組織)で揉まれていない、つまりは旧来日本社会の洗礼を受けていない指導者達だ。
これまでは日本的なシステムの中で指導者の選別が行なわれて来ていたが、これからは別枠の中で指導者が出てくるかもしれないのである。
 
組織をバックとしない大衆の支持を強く受けた政治指導者の誕生。
実際、今の政治家は組織より大衆に、その意識を向け始めている。
しかし、彼らのよって立つ地盤は組織である。
故に限界がある。
その限界を、楔を断とうとしているのが、名古屋の動きであり、大阪なんだろう。
 
 
端的に今の日本の政治状況は組織によって選択されている政治指導者の能力不足から来ている可能性もある。
そいった共通認識の基、これから生まれてくる政治指導者は熱烈な支持を受ける可能性がある。
 
組織に支持されていないが故に彼らは既得権益とかしてしまった日本の組織を躊躇なく壊すかもしれない。
それによって日本は何を失うのだろう。
 
時代は混沌として行く。
小泉氏が登場しなければ、もう10年早かった日本の変革、混迷。
 
 
 
政権交代前、民主党のマニフェスト読んだ瞬間に感じた混迷の時代への予感が確信に近いモノ変わりつつある。
 
 
 
民主党代表選、勝者なき混迷の時代への予感
組織票の敗北、民意の勝利
表層的には民衆の勝利と喧伝されるかもしれないが、エジプトのムバラク大統領が辞任した。
軍がムバラク大統領を支持するとの報道がなされた直後の辞任劇である。
 
急転直下。
動きが非常に早い。
 
エジプト情勢が動き始めたのは、現地時間で2/7以降だろう。
”ネット英雄グネイム氏”の登場(現地時間2/7に解放、日本時間では2/8)は、抗議デモに疑問を持ち始めていた民衆に新たなエネルギーを与える事になった。
 
さて、鎮静化を見せ始めていたエジプト情勢がグネイム氏の登場により再点火し、逆にこれまで以上に激しさを増したのを(デモに参加する質も変化、別記事で記述)、見て動き始めた勢力がいる。
 
 
アメリカだ
 
 
口先介入を止めて本気で影響力を行使したようである。
アメリカが望むのは、エジプトの混迷でなく、エジプトの安定、かつ親イスラエル政権の維持である。
 
デモが鎮静化を見せ始めた〜2/7までは静観していたが、情勢を分析したアメリカが積極的に水面下で関与し始めたようなのだ。
 
このアメリカの動きに対しムバラク大統領が反応したのが先の即時辞任否定とアメリカへの抗議演説である。
が、結局、その翌日に辞任する事になってしまった。
 
アメリカとしてはソフトランディングをしたいのである。
デモの長期化による騒乱は避けたかったのだろう。
エジプト国民が頑張れば、頑張るほど、他の国(アラブ世界の親米国家の多くは独裁政権)への波及効果も大きく、直ぐにでも鎮静化させたいのがアメリカの偽らざる本音だ。
 
さて、アメリカの圧力に対し軍部が対応した結果、ムバラク大統領の辞任につながったようだが、本質的にはムバラク大統領=軍である。
 
日本では、その背景を無視して、30年続くムバラク独裁政権と報道するが、実質的にナセルが軍事クーデターを起こした1953年から約60年続く軍部独裁政権だ。
その代表者がムバラクであるに過ぎない。
 
故に軍上層部はムバラクを支持し続けたのだが、それを疑問と思う軍上層部以外と二分化し始めており、民衆の声、アメリカの圧力+軍の分裂を憂慮した結果、軍がムバラクの退陣=自身の退陣の判断をしたと思われる。
 
 
思えば、エジプトの軍(=ナセル、サダト、ムバラク)は彼らなりに国を想い改革をし続けて来た。
 
 
アラブの大義を掲げ、スエズ運河を国有化し、イスラエルとも戦い続け(第一次〜大四次、エジプトがイスラエル協調路線に傾いて以降、中東戦争は起きていない)、それが国内の疲弊に繋がっていると判断すれば、それを柔軟な思考で変えて見せ、キャンプ・デービッド合意したりと、軍なりに常にエジプトの事を考え行動して来た。
 
イスラエルと早期に講和し、安定させる事でエジプトを経済成長させようと構想した結果、米ソ両大国を巻き込む為に第四次中東戦争さえも起こす程、強かでもある。
その過程でエジプトは米ソ両大国の間を上手く浮遊している。
 
軍のエジプトの繁栄に対する想いは強いようである。
国家の中心は軍であり、軍がエジプトを牽引していた。
その自負と誇り。
そこがチュニジアとの違いだが、最後はエジプトの大義の為に、軍は身を引いたようである。
(軍上層部が場合によると形だけの妥協をし、巻き返しを図っている可能性もあるかもしれない。が、それを将校達が許すかは不明、軍が一枚岩でない以上、エジプトのこれ以上の混乱を避けるべく、将軍たちが身を引いたと個人的に分析。)
 
上記事情を反映してかエジプト国民の軍への信頼度は非常に高い。
 
冒頭、表層的には民衆の勝利であると記述したが、背景にはアメリカの圧力があり、それを受けエジプトの大義の為に判断した軍がいる。
この軍の存在が混乱しながらも、エジプトに一定の安心感を与えている。
 
 
軍はムバラク大統領の威厳ある退陣を望んだ。
それは自らの威厳ある退陣でもある。
 
 
昨日、新たなステージにエジプト情勢が突入したと記事を書きながら、今日は次の段階に突入したようである。
今後の焦点はエジプト支え続けて来た軍の退陣後だが。。。、それは別記事で論じたいと思う。
 

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