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歴史好きのダボラ吹き さんより、いただきものです。
塩野七生さんの著作「サイレント・マイノリティ」に掲載されていた「真の保守とはーー?」の中にある「保守の定義」を抜粋・要約して紹介いたします。
サイレント・マイノリティ (新潮文庫)1・真の保守主義者とは、量よりは質に重きを置く人である。また、認識は軽視しないがそれが原則をともなわない場合は価値のないことを知っており、時には後退も辞さない。なぜなら、前進には時として、いったん後退してから行なう方が効果があるのを熟知しているからだ。
2・真の保守主義者とは、まずいわゆる「保守反動・伝統主義者・回顧主義者」と区別されねばならない。不変的な原則から逃れられないとはいえ、新課題には新回答を持ってのぞまななければならない事を知っているが、「失敗の繰り返し」を避けたいがために、歴史を軽視しないのである。
3・真の保守主義者とは、自分達が「明日の人」であると主張する革新が、失敗した後になって始めて理解される「明後日の人」であることを確信している。
4・真の保守主義者とは、新しい物に反対なのではなく、「新しいものに対する無条件の支持」という「無知」に加担したくないだけなのだ。
5・真の保守主義者とは、「抽象的思考・机上の空論・刹那主義」と無縁である。
6・真の保守主義者とは、「私有財産・家族・国家・宗教」を社会の自然要素と認識する。
7・真の保守主義者とは、「責任」の概念を最も重視する。
8・真の保守主義者とは、「社会改革」とは漸進主義でのみ実現するものと考える。
9・真の保守主義者とは、「政治改革」とは「慎重・平静・ステップバイステップ」によって行なわれるものであると認識している。
10・真の保守主義者とは、「世界の貧困・文盲・飢餓問題」の解決は、国単位で、漸進主義においてのみ解決すると認識している。
11・真の保守主義者とは、いつの日か「革新」が「保守」と化すことを確信している。
12・真の保守主義者とは、社会の一部の人々の「貧困・不成功」が「社会の欠陥」に必ずしも由来しないことを知っており、その解決策として「社会改革」より「社会的敗者復活戦」が有効である事実に盲目でない。
13・真の保守主義者とは、長期にわたって続いてきた制度はそれなりの理由を持っていると信じており、「長く続いた」というだけでそれらの制度を改める事をしない。
14・真の保守主義者とは、「大衆の人気を得て迎えられる新人」を信用しない。
15・真の保守主義者とは、共同体の重要な目標を「共同体構成員の「慣習・風俗・民俗・宗教」を守る事」であり、そのことが「個人・共同体」の力を「有効・効率的」に活用できると信じている。
16・真の保守主義者とは、「組織・制度」の変革は、「社会の調和」を重んじながら慎重に進められるべきであると思っている。
17・真の保守主義者とは、「改革すべきでない事」は改革すべきでないと確信している。
18・真の保守主義者とは、共同体のたゆまない前進のために「優者・劣者、健康者・病人、積極的・消極的」なものは、一緒にせず「分離」すべきであると考える。
19・真の保守主義者とは、人間は「究極的に不平等」であると認識しており、この事実を無視する社会は「自ら墓穴を掘る」結果に終わることを知っている。
20・真の保守主義者とは、「大きい政府」に絶対反対である。それは「国家がすべてを管理」することが、それが福祉であっても「非能率」をもたらすからである。
21・真の保守主義者とは、「富の偏在」は社会に深刻な危険をもたらすと信じており「中流社会」を理想としている。
22・真の保守主義者とは、「個々の密かな欲望・より良い「地位・環境」を望む欲望」を「国家の安易な対策」より信頼している。
23・真の保守主義者とは、個人の自由が「発明・進歩・発見」の素地であると共に「弱者に対する残酷な結果」をもたらすことを知っているが、その弊害を見定めるためには、「個人の自由」は「権利」ではなく「義務」であるとの考えにおいて、それを見定めようとすることと考える。
24・真の保守主義者とは、「歴史は同じ形で繰り返されない」事を知っており、自分自身の能力を超えるものは、歴史から学ぶことが出来ないことを知っている。でも、歴史は「知っていたら未然に防げていた」数々の前例を示していることも真実である。「革新」は「歴史は自分達が創る」との思いから歴史を軽視する。
25・真の保守主義者とは、「国家の衰退・終焉」が「官僚主義・防衛ただ乗り・通貨安・重税」によって始まることを知っている。
26・真の保守主義者とは、「よき社会」を構築するのは「貧富の差」ではなく、「より積極・才能・智恵・正直」な人物が「指導者の地位」につく事でると思っている。
27・真の保守主義者とは、人間一般に対して「ペシミスト」であり、「善人・悪人」の差は「個人のちょっとした意思・偶然」によるものと考える。
28・真の保守主義者とは、「愛国心・義務感・人間性の尊重」が少数の者が持つ「徳」でしか無い事を理解している。
29・真の保守主義者とは、「少数支配・多数支配」双方とも「多少の疑惑」を持って見てしまう。
30・真の保守主義者とは、人間は「身近な範囲」なら理解できることも「自治体・国家レベル」では理解の範疇を超える「頭脳・視点」を持つ人が大多数であることを認識しており、政治は「一市民・統治者双方の視点を持ち、それを「ケース・バイ・ケース」の考えで柔軟に運用する」プロの仕事であると認識する。
31・真の保守主義者とは、「民主主義・全体主義」を問わず「国民の退廃」を招きかねない「外国崇拝・異国趣味」を廃する。
32・真の保守主義者とは、「言論の自由」を絶対的に尊重するも、それの行使は「社会責任」と裏腹であると信じている。
33・真の保守主義者とは、「個人の自由の尊厳」が「社会に活力をもたらす」と信じているが、これが「個人の権利」というよりは、「国家からの払い下げ」であるとも認識している。
34・真の保守主義者とは、人間が生み出したすべての制度が「欠陥だらけ」であることを認識しているが、同時に「完璧な制度」などは「神様でも無理」ということを知っている。そして「無いよりマシ」という視点が、社会の発展に意外と貢献していると考える。
最後に、塩野先生及びジュゼッペ・プレッツオリーニ先生に対して「最大限の感謝と大いなる英知への賛辞」を送りたいと思います。
歴史好きのダボラ吹き さん紹介ありがとう。
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