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第九のアンケートを拝見しながら、フルトヴェングラー盤(51年バイロイト)の第九を3種類ほど聴き比べてみました。そうこうしているうちに、以前Karl君が投稿してくださった第九の記事を思い出して、読み返してみましたが、あらためて、とても参考になる記事だと思い、再掲することにいたしました。 皆様の鑑賞の参考にしていただければ、幸いです♪ ベートーヴェンの交響曲 第9番
僕は、音楽史上、最高の作品としてベートーヴェンの交響曲第9番を挙げます。CDもこの曲を1番多く持っています(約120種類のCDがあります。とはいっても、朝比奈隆10種、ベーム8種、フルトヴェングラー7種、カラヤン6種・・・と同じ指揮者の異演が多いのですが。)。 ベートーヴェンの最高傑作というと、《ミサ・ソレムニス》を挙げるほうが「通っぽい」かもしれませんが、僕は《第9》のほうが上だと思っています。第9といえば、一般的には第4楽章の「合唱」の部分が有名ですが、これに先立つ3つの楽章が素晴らしく、僕は、単独でこれらの楽章をよく聴きます。 ブログ上での推薦盤は、原則としてステレオ録音を挙げています。それは、ブログを読んでくださった方が、その記事を参考にCDを買って聴いた場合、「音が悪くて曲を楽しめない」ということがないようにとの考えからです。 しかし、ベートーヴェンの交響曲に関しては、録音は悪いけど凄い演奏が存在します。それはフルトヴェングラー(1886〜1954 ドイツの指揮者)による数々の演奏です。1番から8番までは、あえて彼の演奏は推薦しませんでしたが、第9だけはそうはいきません。(第5も戦後初めてのフルトヴェングラー/ベルリン・フィルによる演奏会のライブ録音が最高の演奏だと思っています。) フルトヴェングラーの数ある第9のうち、何度聴いても凄いと思うのは、戦後初めてのバイロイト音楽祭(ワーグナーの音楽祭)のオープニング(1951年7月29日)のライブ録音です(フルトヴェングラーの第9のすべてはライブ録音で、スタジオ録音はありません。)。 この演奏、中学時代、FMからテープに録ったものを聴いていましたが、高校に合格した日に、父に2枚組みのLPレコードを買ってもらいました。それ以来、LP、CDと何度聴き、何枚買ったことか。(新しいリマスタリング盤が出ると買ってしまいます。) このCDの日本盤には、「フルトヴェングラーの足音入り」というのがあって、開演時、舞台の袖から出てくるフルトヴェングラーの足音が入っています。これは、日本盤だけのもので、どうやら、ドイツにもこのマスターテープがないのではないかということです。日本盤が一番音がいいのも事実です。(随分以前に発売された、TOCE‐6510が一番生々しい音です。現在、国内盤として発売されているTOCE‐55701は、これに比べると整った音になってしまっています(最初の拍手の音があまりに違う。)。でも、ヘッドフォン・ステレオで聴くには、これはなかなかのリマスタリングです。なお、ART(アビー・ロード・テクノロジー)というリマスタリングもそれほどうまくいっていないように思います。 長々と書きましたが、このフルトヴェングラー/バイロイト祝祭管弦楽団・合唱団の演奏が、「殿堂入り」の別格の演奏です。 さて、ステレオ録音で過去に多く聴いた好きな録音を挙げます。(ソリストは省略します。) 1.ベーム/ウィーン・フィル ウィーン国立歌劇場合唱団 (70年) 2.バーンスタイン/ウィーン・フィル ウィーン国立歌劇場合唱団 (79年) 3.カラヤン/ベルリン・フィル ウィーン楽友協会合唱団 (63年) ベームの演奏は、ベートーヴェン生誕200年の記念の年に録音されたものです。「凄い」演奏ではないのですが、何度聴いても飽きない王道を行く演奏です。 バーンスタインのは、もう少し熱っぽい演奏ですが、粗いところもあります。ベームより「感動的」かもしれません。ただ、第3楽章がテンポがそれほど遅くはないのに流れないというか、停滞しているというか、曲の美しさを充分味わえません。 カラヤンの第9のなかでは、一番優れている演奏だと思います。僕が第9を聴き込んだ録音です。カラヤンは、その後、正規には2回録音しています(日本でのライブもあります。)が、この演奏に比べると、どれも緊張力が衰えてバランスを欠いた、若干だらしのない印象の演奏です。 僕(とhilty君)の中学の卒業式で、ひとりひとりに卒業証書が渡されるとき、第9の第3楽章が流れていました。音楽の先生の選曲だと思いますが、本当に素晴らしい選曲で感謝しています。いろいろな意味でこれ以上の選曲はありません! このときの演奏がカラヤンのこの演奏でした。 第9には、ここに挙げた録音以外にも、たくさんの名演があります。第9という曲は、不思議なことに「つまらない演奏」というのは、あまり記憶がありません。これも「曲の凄さ」だと思います。 |

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Karlさんの記事は客観的に冷静に曲と演奏者を紹介しながらも。Karlさんの「第九」に対する熱い思いを伝える素晴らしい文章ですね。私はカラヤンの1963年の演奏が好きです。
2007/12/8(土) 午前 0:20
カラヤンの63年盤は好評ですね☆
Karl君とJinKさんの推薦盤となれば、ぜひ聴いてみたいです♪
2007/12/8(土) 午前 9:30
うーん、私もこのカラヤン盤で第九を聴きこみ、クラシック大好き人間になったということで、思い出深い一枚です。
しかし、今回Karl氏に触発されて改めて聴き直してみて・・・・、
この演奏には疑問符大いについてしまいました。
ベーム盤、フルトヴェングラー盤には脱帽です。
しかし、今最も魅力を感じているのは、アンノンクールとヨーロッパ室内O盤です。
このオケはモダン楽器による小編成オケですが、面白いことにティンパニのみ20世紀初頭に造られた古きよき時代のウイーンの楽器が使用されています。その分、ティンパニの音程には多少の難があります。
でも、それもまた不思議な魅力となっています。
ぜひご一聴を!
2007/12/17(月) 午後 11:18 [ yam*42* ]
あ、63年カラヤン盤、どこに疑問を感じたかと申しますと、
一楽章開始部がすごい燃え上がり方で、このまま行くとどんなすごい演奏になるのかと期待させておいて、楽章が進むにつれてだんだんとおとなしくというか平板な印象になっていくところです。
第四楽章では最初の熱気はどこへ・・・・?という感じで、
うーん・・・・。
録音のせいもあります。
一楽章が一番生々しい音で録れています。
ただしこの演奏、稀代の名ティンパニスト、テーリヘン氏が演奏しているという点で、得がたい魅力となっています。
70年代に再録された盤では他の人に替わっています。
カラヤン氏とテーリヘン氏の対立は70年代には修復しがたいところまで進んでしまっていた様子です。
テーリヘン氏はカラヤン氏の指揮の際は耳栓をして演奏していたことを後に告白しています。
2007/12/18(火) 午前 0:22 [ yam*42* ]
yamさん、詳細なコメントありがとうございます☆
カラヤンの63年盤とアーノンクール盤を何とか12月中に入手して聴いてみます♪
2007/12/18(火) 午前 6:48