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母の病床で母を看護する妻の姿を見て、僕は何と素晴らしい母と妻を与えられているのだと、心から感謝いたしました。 そして、折りにかなって、カール・ヒルティの言葉に出会いました。 りっぱな結婚生活においては、静かな尊敬および友情と、熱情的な愛と、 そのどちらを求め、そして見いだすのがいっそう有用であるかということは、 容易に決しがたい問題である。 一般的な規則を立てるという意味では、われわれははっきり前者に賛成である。 けれどもー後者を知らないものは、人生の何たるかを知らないものといわねばなるまい。 たとえば、妻や母や姉妹娘、なかんずく祖母や孫娘などという、 境遇のうえから自分と最も親しい関係にある、 しっかりした、こころの豊かな婦人との正しい、私利私欲をはなれた交際は、 疑いもなくこの人生における最高の、最もおだやかな、最も純粋な喜びの一つであり、 これなくしては、永久に休閑地として残されるところの、われわれの内にあるもろもろの性質を、 磨いてくれるものである。 カール・ヒルティ「幸福論」斎藤栄治編(白水社)151〜152頁 |
カール・ヒルティ
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実に理解しにくいことであるが、 しかし一旦それを理解すると、われわれの思考全体がそれによって大きな影響を与えられるのは、 次のような考え方である。 すなわち、いきいきとした幸福感は、 つねにただ新しい仕事や労苦、新しい悲しみを迎えるための元気づけや準備となるべきものであり、 一方、つらい試練や意気消沈は、 いつも新しい、より大きな浄福と神の力とが加えられるための入口だということである。 これが分かれば、不幸に出会っても落着きを失わず、幸福であってもまじめで思慮深くなる。 カール・ヒルティ「眠られぬ夜のために」第一部11月6日より(岩波文庫) カール・ヒルティの言葉から教えられた人生の知恵は、ささやかですが、僕の人生の中で生かされていると感じられて、感謝です。
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人間がこの世で達成することができ、また人のために役立つものは、 神への愛、したがってあらゆる真と善に対する愛であり、 また共に生を受けているすべての者に対するまことの親切である。 このことを絶えず自分のうちに感じるようになれば、 その人は、この世で到りうる最も高い目標に達したのである。 カール・ヒルティ「眠られぬ夜のために」第一部11月3日より(岩波文庫) この目標は、簡明ですが、難関です。人生を懸けるに相応しい、素晴らしい目標です。
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人のために大いに役立つ機会は、そんなにたくさんあるのものではない。 これに反して、だれかにささやかな喜びを与えるということであれば、これは随所に可能である。 単に気持ちのいいあいさつにすぎないにしても、たしかにそれは陽光のように、 孤独な味気ない生活を明るくすることができるものである。 われわれは生涯、あらゆる機会をそのために利用する決心を固めて、 その日その日を送らなければならない。 カール・ヒルティ著「幸福論」斎藤栄治編(白水社)133頁より 身近な人びととの、ちょっとした快い交わりを大切にして、毎日をできるだけ楽しく幸福に満ちたものにしたいと思います。
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最上の対人関係は、これを大きく全体として見れば、 だれに出会っても素朴な、自然な、誠実な親しみを示すことによって成り立つものである。 それはたとえば、 まだ人間の卑しさを知らない前の気立てのいい子供らがもっているような親しみである。 こうした境地にわれわれは、多くの苦しい経験をなめたのちに、 少なくともある年配に達して、ようやく再び達することができる。 カール・ヒルティ著「幸福論」斎藤栄治編(白水社)132頁より 常にこうした対人関係を維持して行きたいものだと思いますが、やはり「外から愛」に満たされていないと困難なことです。
逆に言えば、「外から愛」に満たされていれば、「最上の対人関係」を持つことができると思います。 |






