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オペ後のベッドで読み始めたもの
レヴィ・ストロース『悲しき南回帰線』上下 講談社文庫1971版 / 越宏一『ヨーロッパ美術講義』岩波セミナーブック82 / 折口信夫『日本文学の発生 序説』角川文庫1975 / 勝木俊雄『桜』岩波新書2015
十分な時間があるだろうからと甘い考えで、ツンドクだったもの等をこの機会にと思ってのことだったけれども、新書版の『桜』を読み切っただけで、後はレヴィ・ストロース二冊組の上、そして欧州中世のロマネスクとゴシック美術の研究書は2/3、折口信夫にいたっては最初の一章目だけでギブアップだった。
手間取ったのは、病院は健康体で過ごすような場所ではなかったなという明白な理由の他に、レヴィ・ストロースの『悲しき南回帰線』のあまりにも濃密な内容に取り込まれてしまったからでもあります。
この本は、単に、ブラジル原住民の民族学的現地調査のようなものかと思っていたら、全く違っていました。
『悲しき熱帯』中央公論社1977・2001 川田順造訳 両著ともに、原著は1955刊の同じものからですが、タイトルがちがいますね。講談社版が出たころはトロピカルフルーツなどはまだポピュラーになっていない時代で、「熱帯」というイメージよりも「南回帰線」のほうが”夢があり売れる”と出版社が決めたのだろうと勝手に推測します
『悲しき熱帯』KINOKUNIYA書評空間BOOKLOG/文芸評論家加藤弘一の書評ブログ
この松岡正剛氏の文章(前半部)は、この本に取りつかれていった様子が書かれています。
(彼は未だ学生だったのにサスガ)後の少なくなった?私も、高揚しながら読み進みました。 旅日記でもあります。
例えばこんな記述が有ります。
「今、わたしに精神の糧としてあたえられているこのリオで、まず見きわめようと努力したことは、この冒険のもつ味わいである。
・・・・
「旅は一般には空間での場所の移動・・(しかし)・・同時に、時間と空間と社会階級制度の中に登録される。 印象のひとつひとつがこれらの三つの軸に連帯して・・・その印象は決定可能になる。・・空間自体で三つの次元をもっているので、旅行についての十全な表現がなされるには、少なくとも五つの次元が必要である。
わたしはブラジルで船をおりてすぐに、そのことを体験した。もちろん、わたしは大西洋と赤道をはさんで反対側の者で、今は南回帰線の近くにいる。多くのことがわたしにそのことを証拠だててみせる。
この穏かな、湿気をともなった暑さが、習慣となっていた羊毛の重さから、わたしを解放し、家と道との間の対立(過去を顧みて、ヨーロッパ文明の不変数の一つである)を取り除いている。
さらにそれが、ヨーロッパの相対的に人間化された風景には含まれていない、人間と未開墾地との間の別の対立を、単に導入するためであったことが、わたしにはすぐわかった。
また、やしの木があり、初めて見る花があり、カフェの店頭にはやしの実が山と積まれ、そこで人びとはその頭部を斬りとって、地下の酒蔵の臭いのする、すがすがしい甘い汁を吸っている。
しかしまた、別の変化も経験した。わたしは貧乏で、金持ちであった。第一に、わたしの物質的条件が変わったからだ。次に、その地方産物の値段が信じられないくらい低かった。・・・・旅は数千キロの距離を運んでいくと同時に、社会規約の段階を数段のぼらせたり、おろしたりする。旅は場所を変えると同様に、階級をも変えるのだ。ー最良の方にも最悪な方にも。そして、旅先の場所の色合いと味わいとは、あなたがそれを味わうために置かれる地位と切り離せないものであるが、その地位は予測を許されるものではない。・・・」 また文明批評でもあり哲学でもあります。
最終章の有名な表現を引用します
「 世界は人間なくして始まった。そして人間なくして終わるだろう。
以下、これに続く訳文を何行か書きうつしてみて、あまりにもすっきり頭に入らない文章なので、中央公論社版川田順造訳を見てからにしようと、削除しました。恐らくそちらならば伝わり易いだろうと思います。
尻きれとんぼですみません。図書館にあるかな。
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高校国語授業での三木清『旅について』という教材を覚えていた。
検索して、全文を読んでみた。
「旅に出ることは日常の生活環境を脱けることであり、平生の習慣的な關係から逃れることである。旅の嬉しさはかやうに解放されることの嬉しさである。・解放・脱出・漂泊・・」
レーヴィ・ストロースはこういった個的な 感情の解析にとどまらずに,
人間の社会考察をすすめていく
文化人類学を学問として成立させたのは、かれの明晰な判断があったからだと知りました。(民俗学が蒐集の範囲から抜け出せていない印象が残ります)
2015/3/26(木) 午前 7:31 [ contemporary Eat & Art ]