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プラド美術館所蔵 ゴヤ 光と影 Goya : Ludes y Sombras
Obras Maestras del Museo del Prado
1/29まで
国立西洋美術館
http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/current.html#mainClm
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17日の土曜日午后にいってきました。
このあと 東京駅八重洲のブリジストン美術館で12/25まで開催の野見山暁治展へ
18時からトキアートスペースへ
土曜の美術館は混んでいるかもしれないと恐る〜でしたが、師走の寒さには足も鈍るのでしょう、ゆっくり見ることが出来ました。
私の連れ合いが初めての油彩百号「ブルジョアジーの庭」で、草原に数匹のサイを配しその遠景にトレドの街を描いた。そのトレドを見たいとマドリから小旅行をした。
フランコが亡くなる直前で市民戦争から続くファッショ政権がが未だ残る時代だった。トレドのアルカザールの展示に日本軍部政権からフランコへの書簡が飾られてもいた。トレドのグレコはとてもよかった。
マドリの街をいく市民はみな暗かった。黒眼鏡をかけて表情が読み取れない。バスクの反政府による爆弾テロが市中であったころだ。この暗さは映画「パンズラビリンス」を見た方なら少しおわかりになられることでしょう。
ゴヤはこの時に王立プラド美術館で見て以来の再開である。
私は政経学部などというところへ籍を置いたので美術の出発は20すぎてから、目から取込んで行くことでスタートの遅れを補った。欧州へ出かける前は奈良の仏像巡り数十回通った。これは先達の師匠が美の価値を教えてくれた。この像はとても良いものだと、ひとつひとつ。そこが私の原点です。
そして欧州は美術館や教会巡り、100カ所くらいは訪ねた。スペインでは、バルセロナのガウディとピカソ、そしてトレドのグレコとマドリプラドのゴヤです。あとのアルハンブラやアルへシラスの闘牛はおまけです。
さて今回のゴヤ展には「着衣のマハ」と60才近いころの「自画像」や「カルロス4世」を初めとする肖像画などの油彩画と、「ロス・カプリーチョス」などの版画を多数並べられています。
「着衣のマハ」の輝くばかりの美しいシルクに包まれたのびやかな姿態。顔はどうみても身体と離れていてまるで貼付けた様なのは相変わりませんが、この美しさに比するにどうでも良いこと。
けっしてデッサンは上手とは言い兼ねるゴヤですが(30代で教授になるその学校で給費奨学生の試験にはおとされているくらいですから)、訴えてくる力は生半可なものではない。
もう一度見たい気分です。
そのあといった野見山暁治展もとてもよかったのですが、こちらはアカデミー言語をベースにした仕事でゴヤとの時代の違いは決定的なこと。
ゴヤは近代に入る直前にスペイン宮廷のお抱え絵師。ナポレオンの嵐で王制が倒れたその転換の時代に生きた人。近代戦争の始まりに立ち会ったゴヤの目線が現代につながっています。
その戦争を描いた版画なども圧巻です。黒い色調の中に何も描かずに残した白から、灼熱のスペインでの「光と蔭」がふっと浮かびました。
野見山暁治展
90才をこえた野見山さんはとてもお元気で制作されているようです。恐らく震災を契機とした「かけがえのない空」など2011年の作が3点、大作ばかりです。
タイトルは、あとさきどちらかわかりませんが、なんともストレートでおもしろい。
80の時に「もう時間がない」などというのもある。あとは「誰にも言うな」「いつかは会える」「言いたいことばかり」「なにも言わない」などなど。
腹一杯、満足の一日でした。
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